国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
萬代橋
ふりがな
:
ばんだいばし
棟名
:
棟名ふりがな
:
萬代橋
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員数
:
1基
種別
:
近代/産業・交通・土木
時代
:
昭和
年代
:
昭和4
西暦
:
1929
構造及び形式等
:
鉄筋コンクリート造6連アーチ橋、橋長306.9m、幅員22.0m、両側鉄筋コンクリート造側径間及び高欄(親柱を含む)付、橋詰壁面(隅柱を含む)2所附属
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02447
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2004.07.06(平成16.07.06)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(一)意匠的に優秀なもの
重文指定基準2
:
(二)技術的に優秀なもの
所在都道府県
:
新潟県
所在地
:
新潟県新潟市中央区万代から下大川前通・川端町間
保管施設の名称
:
所有者名
:
国(国土交通省)
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
萬代橋
解説文:
詳細解説
萬代橋は,新潟市中心部と新潟駅を結ぶ国道七号に建設された,信濃川に架かる道路橋で,内務省復興局技師田中豊などの指導のもと福田武雄が作成した設計書に基づき,昭和2年7月に起工,昭和4年8月に竣工した。橋長306.9m,幅員22.0mの規模を有する広幅員の鉄筋コンクリート橋で,6連充腹アーチ形式の主径間の両側に側径間が配され,橋の東西には橋詰広場を接続する。
充腹された躯体側面全体に花崗岩を施す重厚な外観を呈しながらも,鈍重に陥らず,連続アーチの律動感が巧みに表現された近代橋梁であり,内務省復興局の探究した力学的合理性に基づく近代的橋梁美が体現された構造物として,橋梁デザイン史上価値が高い。
また,建設当時,鉄筋コンクリート構造物としてわが国で最大支間を実現した土木構造物であり,大規模構造物建設の技術的達成度を示す遺構として貴重である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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萬代橋
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萬代橋
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解説文
萬代橋は,新潟市中心部と新潟駅を結ぶ国道七号に建設された,信濃川に架かる道路橋で,内務省復興局技師田中豊などの指導のもと福田武雄が作成した設計書に基づき,昭和2年7月に起工,昭和4年8月に竣工した。橋長306.9m,幅員22.0mの規模を有する広幅員の鉄筋コンクリート橋で,6連充腹アーチ形式の主径間の両側に側径間が配され,橋の東西には橋詰広場を接続する。 充腹された躯体側面全体に花崗岩を施す重厚な外観を呈しながらも,鈍重に陥らず,連続アーチの律動感が巧みに表現された近代橋梁であり,内務省復興局の探究した力学的合理性に基づく近代的橋梁美が体現された構造物として,橋梁デザイン史上価値が高い。 また,建設当時,鉄筋コンクリート構造物としてわが国で最大支間を実現した土木構造物であり,大規模構造物建設の技術的達成度を示す遺構として貴重である。
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詳細解説
萬代橋 一基 萬代橋は、新潟市中心部と新潟駅を結ぶ国道七号に建設された道路橋で、信濃川河口より約三・五キロメートル上流に架かる。 萬代橋は、新潟県を事業主体として実施された萬代橋架換工事において、内務省復興局技師田中豊及び成瀬勝武の指導のもと福田武雄が作成した設計書に基づき、新潟県技師正子重三を工事主任として建設が進められたもので、『萬代橋架換工事概要』(新潟県、昭和四年八月二三日)によると、下部構造は昭和二年七月起工、同三年六月に竣工、上部構造は同三年一月起工、同四年八月に竣工した。昭和三九年の新潟地震で被災した側径間の構造形式が変更されているが、全体として残存状態は良好で、現在も信濃川下流を横断する主要幹線道路施設として機能し続けている。 萬代橋は、橋長三〇六・九メートル、幅員二二・〇メートルの規模を有する広幅員の鉄筋コンクリート橋で、六連充腹アーチ形式の主径間の両側に側径間が配された上部構造と、それを支える下部構造からなり、橋の東西には橋詰広場を接続する。現在路面は一四・六メートルの車道と三・七メートルの歩道から構成されているが、計画では車道のうち中央部五・五メートルは軌道敷とされていた。 上部構造は、側表面を瘤出仕上の花崗岩切石とし、路面上に石造高欄を付す。拱軸線を変垂曲線とした主径間では、舟運を考慮して中央二連の径間長を四二・四メートルと長くとり、他四連については両岸に近づくに従い段階的に縮め、全体を放物線状の橋面縦断線形に納める。ここでは、アーチ形状を圧力線に一致させ、死荷重及び活荷重二分の一満載時に各アーチの水平応力が釣合うよう径間長が決められている。さらに、拱頂部の拱厚と、拱頂上面より高欄地覆石までの高さを抑え側面形状を整える。側径間は、函型ラーメン式で、主径間との境に半円形のバルコニーを設け、橋詰側端部には円柱形の親柱を配す。なお、正子重三「萬代橋上部構造工事概要」(『土木学会誌』、第一六巻、第五号、昭和五年五月)によると石材はすべて茨城県産花崗岩で、セメントは浅野セメント北海道工場製造の規格品、鉄筋は小倉製鋼所製作の規格品である。 下部構造は、固定式の空気潜函工法によって平均潮位下約一二メートルから約一五メートルまで埋め込まれ、水切り頂部を球面状とした計七基の鉄筋コンクリート造橋脚からなる。 東橋詰広場の北壁面及び南壁面は表面モルタル塗で、上部にロンバルディア帯をあしらい、各壁面の東端に石張隅柱を配する。東橋詰広場に石積風目地を切る直径〇・六五メートル、高さ一・〇メートルの表面モルタル洗出の旧橋詰階段親柱を一基づつ残し、これを附指定とする。また、東橋詰広場の北側には旧橋詰階段の地覆石と推定される石材を計五四個残す。また、西橋詰広場の南側下方に、旧橋詰壁面端部に接続していた石張隅柱を残し、これも附指定とする。 萬代橋は、充腹された躯体側面全体に花崗岩を施す重厚な外観を呈しながらも、鈍重に陥らず、連続アーチの律動感が巧みに表現された近代橋梁であり、内務省復興局の探究した力学的合理性に基づく近代的橋梁美が体現された構造物として、橋梁デザイン史上価値が高い。また、高度な技術を要する空気潜函工法を用い、建設当時、鉄筋コンクリート構造物としてわが国で最大支間を実現した土木構造物であり、大規模構造物建設の技術的達成度を示す遺構として貴重である。 【参考文献】 『にいがた萬代橋 その一〇〇年』(社団法人北陸建設弘斉会 一九八七年) 『新潟県近代化遺産総合調査』(新潟県教育委員会 一九九四年) 『日本の近代土木遺産』(土木学会 二〇〇一年)
関連情報
附指定
旧橋詰階段親柱
橋詰隅柱
関連情報
附指定
附名称
:
旧橋詰階段親柱
附員数
:
2基
関連情報
附指定
附名称
:
橋詰隅柱
附員数
:
1基