国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
愛珠幼稚園園舎
ふりがな
:
あいしゅようちえんえんしゃ
棟名
:
棟名ふりがな
:
愛珠幼稚園園舎
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員数
:
1棟
種別
:
近代/学校
時代
:
明治
年代
:
明治34
西暦
:
1901
構造及び形式等
:
遊戯室棟、玄関棟、西保育室棟、北保育室棟、便所棟、東棟からなる
遊戯室棟 木造、建築面積265.42平方メートル、西面下屋・北面下屋及び庇付、桟瓦葺、北面突出部附属
玄関棟 木造、建築面積127.86平方メートル、桟瓦葺、南面西突出部・南面中央玄関車寄・南面東突出部附属、北面遊戯室棟に接続
西保育室棟 木造、建築面積186.59平方メートル、東面庇付、桟瓦葺、北面下屋・南面廊下附属
北保育室棟 木造、建築面積99.26平方メートル、南面庇付、桟瓦葺
便所棟 木造、建築面積17.55平方メートル、桟瓦葺、東面西保育室棟附属廊下に接続
東棟 木造、建築面積79.99平方メートル、西面及び北面庇付、桟瓦葺、西面南端渡廊下附属
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02505
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2007.06.18(平成19.06.18)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
(四)学術的価値の高いもの
所在都道府県
:
大阪府
所在地
:
大阪府大阪市中央区今橋三丁目1番11号
保管施設の名称
:
所有者名
:
大阪市
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
愛珠幼稚園園舎
解説文:
詳細解説
愛珠幼稚園は明治13年に創立され,現在の園舎は,元大阪府技手の中村竹松が設計し,明治34年3月に竣工した。
園舎は,遊戯室棟,玄関棟,西保育室棟,北保育室棟,便所棟,東棟からなり,敷地周辺に高塀を廻し,また,遊戯室と保育室に面して園庭を設ける。遊戯室棟は,たちの高い木造平屋建で,屋根は入母屋造,桟瓦葺である。玄関棟には,車寄が付き,全体的に,和風で重厚な外観を呈している。
愛珠幼稚園園舎は,現存最古の幼稚園建築であり,遊戯室の大空間を洋小屋を用いてつくるなどの特色を有しており,建築史上および幼稚園史上,高い学術的価値が認められる。また,創建以来幼稚園園舎としてありつづけていることも高く評価される。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
写真一覧
愛珠幼稚園園舎
愛珠幼稚園園舎(内部)
写真一覧
愛珠幼稚園園舎
写真一覧
愛珠幼稚園園舎(内部)
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解説文
愛珠幼稚園は明治13年に創立され,現在の園舎は,元大阪府技手の中村竹松が設計し,明治34年3月に竣工した。 園舎は,遊戯室棟,玄関棟,西保育室棟,北保育室棟,便所棟,東棟からなり,敷地周辺に高塀を廻し,また,遊戯室と保育室に面して園庭を設ける。遊戯室棟は,たちの高い木造平屋建で,屋根は入母屋造,桟瓦葺である。玄関棟には,車寄が付き,全体的に,和風で重厚な外観を呈している。 愛珠幼稚園園舎は,現存最古の幼稚園建築であり,遊戯室の大空間を洋小屋を用いてつくるなどの特色を有しており,建築史上および幼稚園史上,高い学術的価値が認められる。また,創建以来幼稚園園舎としてありつづけていることも高く評価される。
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詳細解説
愛珠幼稚園園舎 一棟 愛珠幼稚園は、大阪市の中心部、南は今橋通り、北は北浜通り、西は丼池筋に面した南北に長い敷地を占め、今橋通りに正門を開く。明治一三年の創立で、現在の園舎は三代目になり、明治三三年四月一四日に地鎮祭を挙行し、同三四年三月二二日に竣工している。設計は、元大阪府技手の中村竹松、施工は大阪土木株式会社である。 園舎は、遊戯室棟、玄関棟、西保育室棟、北保育室棟、便所棟、東棟からなる。敷地南辺、西辺及び北辺に高塀を廻し、西北隅に倉庫を配して外周を囲い、遊戯室棟・西保育室棟・北保育室棟・東棟に面するよう敷地北半に園庭を設ける。 敷地中央南寄りに位置する遊戯室棟は、桁行八間半、梁間八間規模、東西棟とした入母屋造、桟瓦葺のたちの高い木造平屋建で、四面に高窓を開け、西面及び北面に下屋を付けて廊下を廻し、北面西端部から北方へ寄棟造の保姆室(現事務室)を突き出す。遊戯室棟の南側に接して東西棟の玄関棟が並び建ち、南面西端部に入母屋造の使丁室及び湯焚場(現幼児昇降口)を、中央東寄りに入母屋造の玄関車寄を、東端部に切妻造段違の下駄傘置場及び附添人扣室(現炊事場及び管理作業員室)を南方に突出させる。玄関棟は、桁行一○間、梁間四間規模、西を入母屋造段違、東を切妻造とした木造平屋建、桟瓦葺で、西妻の破風下は遊戯室棟の下屋と一連に葺き、平面は北半を廊下とし、南半は玄関 の西が応接所と事務室(現園長室及び応接室)、東が昇降口(現炊事場)となる。 遊戯室棟保姆室の北方には、便所棟を介して、西保育室棟が南北棟で建つ。桁行一四間、梁間四間、寄棟造、桟瓦葺の木造平屋建で、西側に桁行方向三間半梁間方向三間の保育室を四室並べ、東側は一間幅の廊下とする。廊下は園庭側の東面を吹き放ちとし、床面は園庭と同レベルにつくる。便所棟は、桁行二間、梁間二間半規模、東西棟で切妻造の越屋根を上げる。 北保育室棟は、敷地西北隅に建つ倉庫の東側に東西棟で建つ。桁行七間、梁間四間、寄棟造、桟瓦葺の木造平屋建で、北側に保育室二室を東西に並べ、南側に吹き放ち廊下を通す。西保育室棟の東には園庭を介して東棟が南北棟で建ち、西面南端部から渡廊下で遊戯室棟北面廊下東端部に連絡する。桁行七間半、梁間三間規模、寄棟造、桟瓦葺の木造平屋建で、南側は標本室(現研究室)、北側は一二畳半の畳敷で床の間付きの摂生室(現家庭室)とする。 基礎は、遊戯室内部と廊下境筋の柱下をコンクリート造独立基礎とするほかは、コンクリート造一部煉瓦造の布基礎とする。軸部は真壁造とし、軒は玄関棟表廻りを二軒として表構えを整え、小屋組については、玄関棟は和小屋、遊戯室棟・西保育室棟・北保育室棟・東棟はキングポストトラスとする。 愛珠幼稚園園舎は、現存最古の幼稚園建築であり、洋小屋を用いて遊戯室としての大空間をつくり、園庭の地揚げをなして保育室との床レベルを合わせるなど幼稚園建築としての固有の特質を有しており建築史上重要であるとともに、幼稚園史上の学術的価値も高い。また、室変更など一部の改変改造はあるものの、創建以来現役の幼稚園園舎としてありつづけていることも高く評価される。 【参考文献】 『大阪府近代和風建築総合調査報告書』大阪府教育委員会、二○○○年 『近代日本幼稚園建築史研究』永井理恵子、二○○五年
関連情報
附指定
倉庫
高塀
廻旋滑り台
関連情報
附指定
附名称
:
倉庫
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
高塀
附員数
:
2棟
関連情報
附指定
附名称
:
廻旋滑り台
附員数
:
1基