国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
鹿児島旧港施設
ふりがな
:
かごしまきゅうこうしせつ
棟名
:
新波止
棟名ふりがな
:
しんはと
鹿児島旧港施設 新波止
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員数
:
1所
種別
:
近代/産業・交通・土木
時代
:
江戸末期
年代
:
江戸末期
西暦
:
1830-1867
構造及び形式等
:
石造、延長139.0m、台場(斜路を含む)附属
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02519
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2007.12.04(平成19.12.04)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
鹿児島県
所在地
:
鹿児島県鹿児島市本港新町
保管施設の名称
:
所有者名
:
鹿児島県
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
鹿児島旧港施設 新波止
解説文:
詳細解説
鹿児島旧港施設は、鹿児島市中心地の鹿児島港本港区に位置する港湾施設である。新波止と一丁台場は海岸埋立地の波除けとして、それぞれ弘化年間頃及び明治5年頃に築かれ、遮断防波堤は、鹿児島県による修築事業によって明治37年に竣工した。
鹿児島旧港施設は、南九州における交通と海防の拠点として、近世から近代にかけて整えられた、鹿児島港の代表的遺構であり、また、築造が江戸末期に遡り、沖防波堤である新波止、技術の時代的特色をよく示す一丁台場及び遮断防波堤が、旧態を保持しながらまとめて残っており、港湾技術史上、高い価値がある。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
添付ファイル
なし
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鹿児島旧港施設 新波止
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鹿児島旧港施設 新波止
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解説文
鹿児島旧港施設は、鹿児島市中心地の鹿児島港本港区に位置する港湾施設である。新波止と一丁台場は海岸埋立地の波除けとして、それぞれ弘化年間頃及び明治5年頃に築かれ、遮断防波堤は、鹿児島県による修築事業によって明治37年に竣工した。 鹿児島旧港施設は、南九州における交通と海防の拠点として、近世から近代にかけて整えられた、鹿児島港の代表的遺構であり、また、築造が江戸末期に遡り、沖防波堤である新波止、技術の時代的特色をよく示す一丁台場及び遮断防波堤が、旧態を保持しながらまとめて残っており、港湾技術史上、高い価値がある。
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詳細解説
鹿児島旧港施設 三所 新波止、一丁台場、遮断防波堤 鹿児島旧港施設は、鹿児島市中心部の鹿児島港本港区に位置する港湾施設で、新波止、一丁台場、遮断防波堤よりなる。 新波止及び一丁台場は、いずれも海岸埋立地の波除けとして、それぞれ弘化嘉永年間及び明治五年頃に築かれたと伝わり(『鹿児島築港誌』(鹿児島県 一九一〇年)による。)、新波止については、藩主島津斉彬が推進した軍備強化策の一環として、安政元年(一八五四)に台場が増築された(『薩藩海軍史 中巻』(一九二八年)による。)。遮断防波堤は、鹿児島県を事業主体として進められた鹿児島港修築事業において、新波止と一丁台場の間を遮断して、一体の防波堤とするために建設されたもので、明治三六年四月に起工、翌年一〇月に竣工した。鹿児島港修築事業の計画及び設計は、県顧問の山崎鉉次郎及び西尾虎太郎の指導のもと、県技師保科圭三郎及び松浦圓四郎を中心として行われた。建設後、東面への埋立工事等が実施されているが、現在は旧態を保持しながら緑地の一部として利用されている。 新波止、一丁台場及び遮断防波堤は、全体として海岸線にほぼ平行して築かれた、く字形平面の構造物である。いずれも溶結凝灰岩の小口積で築かれる。 新波止は、延長一三九・〇メートルで、西法面を雁木状とした直線状の構造物と、その西面に接続するほぼ長方形平面の台場よりなり、台場の西北隅には斜路を突出し、ほぼ全体にわたり江戸切状に仕上げた長さ約三尺から四尺の石材を用いる。 一丁台場は、延長一一七・九メートルの直線状の構造物で、西法面を雁木状とし、ほぼ全体にわたり江戸切状に仕上げた長さ約三尺から四尺の石材を用いる。南隅角部は、長さ約七尺の角石と三本又は四本の角脇石を用いた算木積により鋭角な稜線をつくり出す、独特の造形とする。 遮断防波堤は、延長八七・八メートルで、瘤出仕上げとした長さ約三尺から四尺の角石の合端を総面胴付にして、法勾配一割の法面とアーチ状の天端を連続的に築く強固なつくりとする。 鹿児島旧港施設は、南九州における交通と海防の拠点として、近世から近代にかけて整えられた、鹿児島港の代表的遺構として重要である。築造が江戸末期に遡り、台場を付設する沖防波堤である新波止、技術の時代的特色をよく示す一丁台場及び遮断防波堤が、旧態を保持しながらまとめて残る点も貴重で、港湾技術史上、価値が高い。 【参考文献】 『鹿児島県の近代化遺産』(鹿児島県教育委員会 二〇〇四年)