国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
竹村家住宅(高知県高岡郡佐川町)
ふりがな
:
たけむらけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
しゅおく
竹村家住宅 主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/民家
時代
:
江戸後期
年代
:
安永9頃
西暦
:
1780頃
構造及び形式等
:
店舗部 桁行12.3m、梁間13.6m、切妻造、桟瓦葺
座敷部 桁行11.9m、梁間9.9m、一部二階建、切妻造、桟瓦葺、北面突出部附属
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02518
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2007.12.04(平成19.12.04)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(五)流派的又は地方的特色において顕著なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
高知県
所在地
:
高知県高岡郡佐川町甲字東町1301番地
保管施設の名称
:
所有者名
:
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
竹村家住宅 主屋
解説文:
詳細解説
竹村家は、佐川屈指の商家で、江戸後期に苗字帯刀と酒造を許されて酒造業を手がけるとともに、幕府からの巡見使には宿所を提供していた。主屋は、東側の店舗部と西側の座敷部からなり、店舗部は安永9年(1780)頃、座敷部は天保9年(1838)の建築とみられる。店舗部は、広い吹き抜けの土間と、オモテ、チョウバなどの部屋をもつ町家形式で、座敷部は、座敷のほか茶室なども備えた接客空間をもち、当地に特徴的な意匠の座敷飾りや貼付壁を採用している。
竹村家住宅は、幕府巡見使の宿所とされ、武家住宅に準ずる上質な座敷を備えるなど、土佐地方における有力商家の住宅として重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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竹村家住宅 主屋
竹村家住宅 主屋(内部)
竹村家住宅 主屋
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竹村家住宅 主屋(内部)
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竹村家住宅 主屋
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解説文
竹村家は、佐川屈指の商家で、江戸後期に苗字帯刀と酒造を許されて酒造業を手がけるとともに、幕府からの巡見使には宿所を提供していた。主屋は、東側の店舗部と西側の座敷部からなり、店舗部は安永9年(1780)頃、座敷部は天保9年(1838)の建築とみられる。店舗部は、広い吹き抜けの土間と、オモテ、チョウバなどの部屋をもつ町家形式で、座敷部は、座敷のほか茶室なども備えた接客空間をもち、当地に特徴的な意匠の座敷飾りや貼付壁を採用している。 竹村家住宅は、幕府巡見使の宿所とされ、武家住宅に準ずる上質な座敷を備えるなど、土佐地方における有力商家の住宅として重要である。
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詳細解説
竹村家住宅 三棟 主屋、土蔵、表門、土地 竹村家住宅は、かつて土佐藩筆頭家老の深尾家が本拠とした佐川土居の北東部に所在する。土佐藩では、土居と呼ばれる城館を築いて重臣を配し、藩内支配の拠点としていた。佐川のほかには、宿毛、窪川などに築かれ、土居下には城下町と同様な町割が実施された。また佐川の土居下町は「御郭内」と呼ばれ、東側に武家地である家中町、西側に町人町が形成されており、竹村家はこの町人町にある。 竹村家は元文年間に、深尾家へ謁見が許される御目見町人となり、宝暦一三年(一七六三)に苗字帯刀、明和七年(一七七〇)に「黒金屋」の屋号と酒造を許され、この頃から本格的に酒造業を始めた。当家は、江戸中期以降、幕府巡見使を常に迎え入れ、江戸時代後期には、深尾家へ多額の資金援助をするなど、佐川屈指の商家であったことが知られる。 屋敷地を街路沿いの東南角地に構え、南面する主屋は、東側の店舗部と西側の座敷部からなり、座敷部式台の正面に表門を建て、塀を廻らす。前庭、主庭を座敷部正背面に配して、西側敷地境界に塀を建て、主庭北西に土蔵を配す。 寛政、天保両期の巡見使止宿時の史料によれば、現存の建物は、主屋店舗部が安永九年(一七八〇)頃の建築になり、座敷部は天保九年(一八三八)に改築され、表門、塀は座敷部と同時期に改築したとみられる。土蔵の建築年代は明らかでないが、天保九年以前のものと推定される。 店舗部は、桁行一二・三メートル、梁間一三・六メートル、切妻造、平入、桟瓦葺である。平面は、東半を広い吹き抜けの土間とし、西半に南から、オモテ、チョウバ、中ノ間、台所の四室とする。チョウバには、電話室、土間には応接間、仕事部屋を設ける。二階は、オモテ、チョウバ、中ノ間上部にツシ二階、台所の上部には書斎を設ける。 座敷部は、桁行一一・九メートル、梁間九・九メートルで、構造的に東西に二分できる。 東棟は、切妻造、平入、二階建、桟瓦葺であり、店舗部と座敷部西棟を結ぶ、相の間の性格を持つ。一階は、南から、仏間、奥ノ間の二室を並べ、背面下屋に内縁を設ける。背面には、L形に配した内外二つの便所と浴室、化粧室の棟を突出させ、廊下でつなぐ。二階は、南側正面半間を縁とし、座敷、控えを並べる。 西棟は、切妻造、平入、桟瓦葺で、正背面に下屋を降ろす。平面は、東側に南から、式台、玄関、廊下、茶室、西側に次ノ間、上ノ間を並べ、次ノ間正面に板敷の外縁、上ノ間背面に畳敷の内縁を設ける。玄関、茶室の上部に納戸を設ける。正面外壁を赤色土壁とし、式台の屋根に千鳥破風を飾る。 玄関、次ノ間、上ノ間の壁はすべて貼付壁とし、技巧を凝らした多様な紙を用いる。上ノ間は、床・違棚や、特徴的な花頭窓を備えた付書院を設け、長押や天井などの造作も上質な仕上げとし、巡見使を迎えた上座敷としての意匠を整える。 表門は、一間一戸の棟門、切妻造、桟瓦葺で、両袖に簓子塀を廻らす。 土蔵は、土蔵造、二階建、切妻造、平入、桟瓦葺で、東面の扉口上部に桟瓦葺の庇を付す。外壁には、階境および開口部上に土佐地方独特の水切瓦を付け、化粧室との間に、板塀と潜門を設ける。 竹村家住宅は、幕府巡見使の宿所とされ、武家住宅に準ずる上質な座敷を備えるなど、土佐地方における有力商家の住宅として重要である。また佐川土居下町にあって、往時の屋敷構えをとどめている点も価値が高く、宅地と併せて保存を図る。 【参考文献】 『竹村家住宅調査報告書』(佐川町教育委員会 二〇〇六年)
関連情報
附指定
古図
関連情報
附指定
附名称
:
古図
附員数
:
2枚