国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
大安寺
ふりがな
:
だいあんじ
棟名
:
本堂
棟名ふりがな
:
ほんどう
大安寺 本堂
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/寺院
時代
:
江戸前期
年代
:
万治2
西暦
:
1659
構造及び形式等
:
桁行二五・八メートル、梁間一八・二メートル、一重、入母屋造、玄関附属、桟瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02525
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2008.06.09(平成20.06.09)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(一)意匠的に優秀なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
福井県
所在地
:
福井県福井市田ノ谷町
保管施設の名称
:
所有者名
:
大安寺
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
大安寺 本堂
解説文:
詳細解説
大安寺は、福井市郊外に所在する臨済宗寺院で、万治元年(1658)、福井藩四代藩主松平光通が創建した。境内の中心に本堂と庫裏が並び、その周囲に開山堂、開基堂、鐘楼などが建つ。これらの中心建物は、創建以降断続的に、福井藩によって建てられた。
大安寺は、大型の方丈型本堂をはじめ、庫裏や開山堂など禅院の主要建築を有するほか、開基堂や廟所など、藩主の菩提所として江戸前期から中期にかけて造営された壮観な伽藍が、良好に保存されている。
また各建物の意匠も優秀で、福井藩大工の高い力量を示しており、重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
写真一覧
大安寺 本堂
大安寺 本堂(内部)
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大安寺 本堂
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大安寺 本堂(内部)
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解説文
大安寺は、福井市郊外に所在する臨済宗寺院で、万治元年(1658)、福井藩四代藩主松平光通が創建した。境内の中心に本堂と庫裏が並び、その周囲に開山堂、開基堂、鐘楼などが建つ。これらの中心建物は、創建以降断続的に、福井藩によって建てられた。 大安寺は、大型の方丈型本堂をはじめ、庫裏や開山堂など禅院の主要建築を有するほか、開基堂や廟所など、藩主の菩提所として江戸前期から中期にかけて造営された壮観な伽藍が、良好に保存されている。 また各建物の意匠も優秀で、福井藩大工の高い力量を示しており、重要である。
詳細解説▶
詳細解説
大安寺 五棟 本堂、庫裏、開山堂、開基堂、鐘楼 大安寺は福井市北西の山腹に所在する臨済宗寺院で、万治元年(一六五八)、福井藩四代藩主松平光通(一六三六~一六七四)が大愚宗築(一五八四~一六六九)を招いて創建した。 境内は、山裾の参道入口に山門が建ち、上方の平地に伽藍を構える。草創期の万治元年に庫裏、翌二年に本堂が建てられ、続く寛文三年(一六六三)に鐘楼が建てられた。同九年に開山宗築が入寂すると、翌一〇年に開山堂が建てられ、間もなく延宝二年(一六七四)に光通が没したため、伽藍上方の山中に廟所が造られ、同五年に開基堂が建てられた。このうち本堂と開基堂は、昭和五七年に福井県有形文化財(建造物)に指定され、また廟所を含めた境内域が、昭和四九年に福井市指定史跡となった。 本堂は東面して建ち、桁行二五・八メートル、梁間一八・二メートル、入母屋造、桟瓦葺で、東南隅に唐破風造玄関を附属する。軒は一軒疎垂木、妻飾は虹梁大瓶束である。内部は、整型六間取の正側面に二間半の広縁を廻らす方丈型本堂である。軸部は、広縁の一間内側に入側柱を立て並べて入側桁を受け、天井は、入側通りを化粧屋根裏とする他は棹縁天井とする。平面は、二列六室の前列の中央を「室中」、両脇を「脇ノ間」とし、部屋境には小壁を設けず、ひと続きの棹縁天井とする。後列は、北から「上間」「内陣」「下間」とし、「内陣」後方に仏壇などを設ける。「上間」に付書院、「下間」には床・違棚・付書院を設ける。 庫裏は本堂北側に並び建ち、桁行二二・七メートル、梁間一八・〇メートル、正面入母屋造、背面寄棟造、桟瓦葺で、玄関入口に庇を附属する。軒は一軒疎垂木、妻飾は虹梁大瓶束で、笈形を付ける。内部は、東正面に広い土間の玄関と事務室を配し、西半は、本堂側を三室の続き座敷とし、北側を中廊下の両側に台所などをもつ坊舎とする。 庫裏と本堂は廊下で繋ぎ、その東側に客寮を突出させる。廊下は庫裏及び本堂の建設と一連の建築とみられ、また客寮は元禄三年(一六九〇)頃に建てられた。 開山堂は、棟札により寛文一〇年の建築で、御大工苗孫九郎ほかが手がけた。桁行三間、梁間二間、宝形造、桟瓦葺で、軒は二軒半繁垂木である。軸部は禅宗様を基調とし、粽付円柱を貫、台輪で繋ぎ、組物は平三斗で、格天井を張る。前面に禅宗様高欄付の縁と木階を付け、堂内後方に禅宗様須弥壇を置き、開山大愚の坐像を祀る。来迎柱は黒漆塗、ほかの木部は、赤漆、摺漆で仕上げる。 開基堂は、棟札により延宝五年の建築で、大工頭を関清助、棟梁を岩崎久右衛門が務めた。桁行三間、梁間四間、宝形造、正面一間向拝付、桟瓦葺で、軒は二軒半繁垂木である。軸部は、開山堂同様、粽付円柱を貫、台輪で固め、組物は、外部は出組、内部は出三斗として格天井を受ける。堂内は円柱で前後に二分し、前方は畳敷、後方は拭板敷として禅宗様須弥壇を置き、厨子内に開基光通を祀る。 前室側廻りは、正面中央間に桟唐戸を吊り、他の板壁に花頭窓を開ける。欅の良材を用いて摺漆を施し、要所は黒漆塗などとし、霊屋らしく荘厳する。 鐘楼は、棟札により寛文三年建立と判る。桁行一間、梁間一間、一重、入母屋造、桟瓦葺で、軒は二軒半繁垂木である。笏谷石の礎盤に円柱を立て、貫、台輪で固め、組物は出組詰組とし、間に蟇股をおく。内部は格天井を張り、梵鐘を吊る。 山門は、寛政四年の建立になり、一間一戸高麗門、桟瓦葺で、左右に袖塀を延ばす。 宝蔵は、桁行八・二メートル、梁間四・七メートル、土蔵造二階建、切妻造、桟瓦葺である。 塀中門は、本堂の玄関南側に建ち、開基堂の前庭を区画する。一間一戸平唐門、銅板葺で、現在は本柱の前後に控柱を立てている。 廟所は、全て笏谷石でつくり、南辺に平唐門を構え、周囲を折曲り九三・八メートルの玉垣で囲う。門の前後には石灯籠を置く。以上の、山門、宝蔵、塀中門、廟所を附指定とする。 大安寺は、方丈型で大型の本堂をはじめ、庫裏や開山堂など、禅院の主要堂宇を揃えるほか、開基堂や廟所など、藩主の菩提所として江戸前期から中期にかけて造営された山中伽藍が良好に保存され、壮観である。また各建物とも、禅宗様を基調とした優秀な意匠になり、福井藩御大工の高い力量を示しており、価値が高い。 【参考文献】 『大安禅寺伽藍』(萬松山大安禅寺 二〇〇六年)
関連情報
附指定
山門
宝蔵
塀中門
廟所
関連情報
附指定
附名称
:
山門
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
宝蔵
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
塀中門
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
廟所
附員数
:
1郭