国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
淀川旧分流施設
ふりがな
:
よどがわきゅうぶんりゅうしせつ
棟名
:
毛馬洗堰
棟名ふりがな
:
けまあらいぜき
淀川旧分流施設 毛馬洗堰
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員数
:
1所
種別
:
近代/産業・交通・土木
時代
:
明治
年代
:
明治43
西暦
:
1910
構造及び形式等
:
煉瓦造、コンクリート造及び鉄筋コンクリート造洗堰、延長一八・四メートル、右岸翼部附属
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02529
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2008.06.09(平成20.06.09)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
大阪府
所在地
:
大阪府大阪市北区長柄東三丁目
保管施設の名称
:
所有者名
:
国(国土交通省)
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
淀川旧分流施設 毛馬洗堰
解説文:
詳細解説
淀川旧分流施設は、内務省による淀川改良工事として、土木監督署技師沖野忠雄の計画に基づき、建設された。
毛馬洗堰は、明治43年1月の竣工になり、延長18.4mの煉瓦造及びコンクリート造構造物で、翼壁を附属する。また毛
馬第一閘門は、明治40年8月竣工になり、長さ105.7m規模の煉瓦造及びコンクリート造構造物で、閘室、閘頭部、閘尾部よりなる。
淀川旧分流施設は、わが国最初期の高水工事であるとともに、初めて大型建設機械を導入して実施された淀川改良工事の代表的遺構として、近代河川史上、高い価値がある。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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淀川旧分流施設 毛馬洗堰
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淀川旧分流施設 毛馬洗堰
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解説文
淀川旧分流施設は、内務省による淀川改良工事として、土木監督署技師沖野忠雄の計画に基づき、建設された。 毛馬洗堰は、明治43年1月の竣工になり、延長18.4mの煉瓦造及びコンクリート造構造物で、翼壁を附属する。また毛 馬第一閘門は、明治40年8月竣工になり、長さ105.7m規模の煉瓦造及びコンクリート造構造物で、閘室、閘頭部、閘尾部よりなる。 淀川旧分流施設は、わが国最初期の高水工事であるとともに、初めて大型建設機械を導入して実施された淀川改良工事の代表的遺構として、近代河川史上、高い価値がある。
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詳細解説
淀川旧分流施設 二所 毛馬洗堰、毛馬第一閘門 淀川旧分流施設は、淀川河口より約一〇キロメートル上流、淀川と旧淀川の分流地点に位置する。 淀川旧分流施設は、内務省が実施した淀川改良工事の一環として、大阪市街地及び大阪港における水害を未然に防ぐために築かれた放水路を、旧川から分流することを目的として建設された。土木監督署技師沖野忠雄の計画に基づき、同原田貞介及び三池貞一郎の協力を得て、建設機械を用いて直轄施工されたもので、旧淀川に流入する水量を調節するために築かれた毛馬洗堰、水位の異なる淀川と旧淀川間の通航を可能とするために築かれた毛馬第一閘門よりなる。 毛馬洗堰は明治三七年一二月着工、四三年一月竣工(『明治四十三年度工務報告原稿』所収の「各年度工事工程表」(淀川資料館所蔵)による。)、毛馬第一閘門は明治三五年一二月着工、四〇年八月竣工(明治四〇年八月二五日付で第一工区主任技師坂本助太郎が沖野に提出した「工事竣工報告」(淀川資料館所蔵)による。)である。完成後、大正期から昭和初期にかけて、洪水防御機能の向上等を目的として、洗堰の補強・嵩上、閘門の改修・増設等が行われ、昭和四九年には新分流施設の建設に伴い機能を停止し、改修工事等が実施されている。 毛馬洗堰は、延長一八・四メートルの煉瓦造及びコンクリート造構造物で、右岸側に延長九・〇メートルの翼壁を附属する。煉瓦造及びコンクリート造井筒基礎の上に、幅一・九メートルの煉瓦造堰柱四基を三・六メートル間隔で配し、頂部には欠円アーチ形の鉄筋コンクリート造橋梁を架け、その上に胸壁を立ち上げる。堰柱及び橋梁の上下流各面に花崗岩を貼り、天端には角落材等の運搬に利用されたレールを付ける。 毛馬第一閘門は、洗堰の右岸側に位置する、全長一〇五・七メートル、敷幅一一・四メートルの煉瓦造及びコンクリート造構造物で、水位調節時の停船場となる延長七五・四メートルの閘室、門扉を収容し閘室の上流側に接続する延長一五・一メートルの閘頭部、下流側に接続する延長一五・二メートルの閘尾部よりなる。煉瓦造及びコンクリート造井筒基礎とコンクリート直接基礎の上に煉瓦躯体を立ち上げ、出隅入隅部、階段などに花崗岩を用い、底版には煉瓦を敷く。閘室の側壁に係留環を取り付け、閘頭部及び閘尾部には、鋼製合掌扉を一対ずつ設け、躯体内部に水位調節用の欠円アーチ形給排水渠及び給排水門扉開閉用の円形井を穿つ。また、閘頭部と閘室の境には、引上式制水扉及び鋼製単アーチ式の跨閘橋を設ける。 毛馬第一閘門の北側には、旧分流施設の建設を含む淀川での工事の経緯が記された、大阪府技手西村慥爾設計による石造、高さ一〇・六メートルの淀川改修紀功碑(明治四三年頃建設)が建つ。また、旧淀川浚渫後の水位低下に起因する長柄運河等における水運上の障害を解消するため、第一閘門の下流に毛馬第二閘門が建設されている(大正三年二月着工、七年七月竣工。『自大正七年度至大正十一年度及大正十四年度 工事年報及工務報告』(淀川資料館所蔵)による。)。昭和五六年に、新分流施設建設後の旧淀川護岸法線の変更に伴い、閘室を四三・〇メートル縮小し、閘尾部を上流側に移動する工事を実施しているが、全体として当初の構えを残している。これらを附指定とする。 淀川旧分流施設は、我が国最初期の高水工事であると共に、我が国で初めて大型建設機械を導入して実施された淀川改良工事の代表的遺構として、近代河川史上、価値が高い。また、堰と閘門を一連で建設して放水路と旧川の分流を図る形式と、構造物に用いられた井筒基礎等の工法・技術は、我が国の河川工事における先駆けとなるもので、近代における分流施設又は大規模河川構造物建設の一つの規範を示すものとして、重要である。 【参考文献】 『淀川百年史』(建設省近畿地方建設局 一九七四年) 『大阪府近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(大阪府教育委員会 二〇〇七年)
関連情報
附指定
毛馬第二閘門
淀川改修紀功碑
関連情報
附指定
附名称
:
毛馬第二閘門
附員数
:
1所
関連情報
附指定
附名称
:
淀川改修紀功碑
附員数
:
1基