国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
草野家住宅
ふりがな
:
くさのけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
しゅおく
草野家住宅 主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/住宅
時代
:
江戸後期
年代
:
江戸後期
西暦
:
1751-1829
構造及び形式等
:
店舗部、玄関部、仏間部、新座敷部、隠宅部、客間部からなる
店舗部 桁行一三・七メートル、梁間一四・一メートル、一部二階建
、切妻造、南面門附属、桟瓦葺
玄関部 桁行一三・五メートル、梁間六・〇メートル、二階建、切妻
造、西面隠宅控附属、南面店舗部に接続、本瓦葺及び桟瓦葺
仏間部 桁行八・九メートル、梁間五・九メートル、切妻造、南面化
粧部屋附属、東面店舗部に接続、桟瓦葺
新座敷部 桁行八・八メートル、梁間六・三メートル、切妻造、西面
湯殿及び便所附属、東面客間部に接続、桟瓦葺
隠宅部 桁行六・七メートル、梁間五・七メートル、切妻造、西面湯
殿及び便所附属、東面玄関部に接続、桟瓦葺
客間部 桁行九・六メートル、梁間三・九メートル、二階建、寄棟造
及び切妻造、北面茶室附属、東面店舗部に接続、桟瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02553
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2009.12.08(平成21.12.08)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(五)流派的又は地方的特色において顕著なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
大分県
所在地
:
大分県日田市豆田町127番地
保管施設の名称
:
所有者名
:
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
草野家住宅 主屋
解説文:
詳細解説
草野家住宅は,日田市豆田町伝統的建造物群保存地区に所在する商家建築で,店舗や仏間,座敷などからなる主屋は,江戸後期から末期にかけて建築され,主屋の後方には土蔵が建ち並んでいる。
主屋の表側は外部を漆喰塗大壁とし重厚な外観を呈しているが,裏側の座敷や仏間などは数寄屋風の意匠を基調としており,瀟洒な座敷飾や細部装飾を備えている。
草野家住宅は,九州地方北部における居蔵造の発展した形式を伝える大型の商家建築として重要である。また,主屋とともに江戸時代に建築された土蔵も良好に保存されており,価値が高い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
写真一覧
草野家住宅 主屋
草野家住宅 主屋(内部)
写真一覧
草野家住宅 主屋
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草野家住宅 主屋(内部)
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解説文
草野家住宅は,日田市豆田町伝統的建造物群保存地区に所在する商家建築で,店舗や仏間,座敷などからなる主屋は,江戸後期から末期にかけて建築され,主屋の後方には土蔵が建ち並んでいる。 主屋の表側は外部を漆喰塗大壁とし重厚な外観を呈しているが,裏側の座敷や仏間などは数寄屋風の意匠を基調としており,瀟洒な座敷飾や細部装飾を備えている。 草野家住宅は,九州地方北部における居蔵造の発展した形式を伝える大型の商家建築として重要である。また,主屋とともに江戸時代に建築された土蔵も良好に保存されており,価値が高い。
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詳細解説
草野家住宅 四棟 主屋、座敷蔵、北蔵、隠宅蔵、土地 草野家住宅は、居蔵造の町家が軒を連ねる日田市豆田町伝統的建造物群保存地区の南西部に所在する。当保存地区は、平成一六年一二月一〇日付で重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、また地区内で伝承されている日田祗園の曳山行事が、平成八年一二月二〇日付で重要無形民俗文化財に指定されている。 草野家は、近世を通じて製蝋業をはじめとする商売を手がけるほか、近郷の堀田村などの庄屋を務めた。 寛永一八年(一六四一)に豆田に居を構えたのを創始と伝え、元禄九年(一六九六)に、三丁目の通りに東面する現屋敷地の北半部に移り、享保年間(一七一六~一七三六)に分家が南隣の土地に屋敷を構え、降って一八世紀末期に北側の本家が途絶えたあと、南側の分家が北側の屋敷地を併合して草野本家となった。 主屋は、店舗部、玄関部、仏間部、新座敷部、隠宅部、客間部からなり、南側に建つ家具蔵との間に門を開く。元禄移転後に座敷蔵が建てられ、降って安永元年(一七七二)に豆田でおきた大火の後に両家とも敷地前面に主屋を再建したものとみられる。その後の屋敷併合を経て、隣り合う居蔵造の主屋を一体化したのが現在の店舗部と玄関部である。一九世紀前期に新座敷部を、慶応二年(一八六六)に隠宅部を建て、さらに明治八年に客間部を増築して隠宅部や新座敷部と繋ぎ、またその間、屋敷地後方に北蔵と隠宅蔵が建てられ、現在の屋敷構えがほぼ整ったとみられる。これら草野家住宅の建造物九棟は、昭和六〇年三月二九日付で大分県指定有形文化財に指定された。 店舗部は、桁行一三・七メートル、梁間一四・一メートル、一部二階建、切妻造、桟瓦葺で、西面と南面、東面を下屋とする。外部は大壁黒漆喰塗で一階周囲を竪板張とし、二階妻壁などを海鼠壁、窓には波紋の鏝絵をあしらうなど、旧道の枡形角地にあって重厚かつ特徴的な外観を呈している。 内部は、南側を通り土間、二列六室を並べる床上部には、店や帳場、台所などを配する。通り側に設けた二階は、居室及び物置とする。 玄関部は、桁行一三・五メートル、梁間六・〇メートル、二階建、切妻造、本瓦葺で、西面に座敷を張出す。店舗部同様外部を大壁黒漆喰仕上とし、開口部は鉄格子をはめ、窓には意匠を凝らした漆喰水切を作る。内部は南半部が土間で玄関と小座敷を設け、北半部を小部屋に間仕切り、北端室を流しとする。 仏間部は、桁行八・九メートル、梁間五・九メートル、切妻造、桟瓦葺で、外壁上部を大壁とし、南面に化粧部屋を附属する。内部は座敷二間の北西側に縁を廻らせる。柱や長押に面皮材を用い、上ノ間南面に床と仏壇を備える。 新座敷部は、桁行八・八メートル、梁間六・三メートル、切妻造、桟瓦葺で、西側に湯殿と便所を附属する。内部は、仏間部同様に座敷二間で、南西側に縁を廻らせ庭園を臨む。柱や長押のほか天井棹縁も面皮とするなど、数寄屋風意匠とし、上ノ間北西に床・違棚・付書院を備え、室境に各種紋章の透彫欄間を入れる。 隠宅部は、桁行六・七メートル、梁間五・七メートル、切妻造、桟瓦葺で、南西に湯殿、北西に便所を附属する。座敷二間からなり、上ノ間南面の床を原叟床とし、室境に鶴の透彫欄間を入れる。 客間部は、桁行九・六メートル、梁間三・九メートル、二階建、寄棟造及び切妻造、桟瓦葺で、北面に茶室を張出す。一階は東より第二客間、三畳、新座敷控とし、二階は二間の座敷で「明月楼」と称している。 座敷蔵は、瓦銘により享保一六年(一七三一)の建築と判り、桁行一五・八メートル、梁間六・六メートル、土蔵造、一部二階建、切妻造、本瓦葺である。内部は一室で、床張とする。 北蔵は、一八世紀後期頃の建築とみられ、桁行一五・八メートル、梁間六・九メートル、土蔵造、一部二階建、切妻造、桟瓦葺である。内部は南北に二分して南室は一室とし、北室はさらに二分して各々二階を設ける。 隠宅蔵は、江戸末期の建築とみられ、桁行一一・八メートル、梁間五・二メートル、土蔵造、一部二階建、切妻造、本瓦葺である。内部は土間で、東西二室に間仕切る。 家具蔵は、桁行六・八メートル、梁間四・一メートル、土蔵造、切妻造、桟瓦葺で、敷地後方に建つ井戸屋形は、桁行三・八メートル、梁間四・八メートル、切妻造、桟瓦葺である。これら家具蔵と井戸屋形の二棟を附指定とする。 草野家住宅は、九州地方北部における居蔵造の発展した形式を伝える遺構として、高い価値を有している。日田市豆田町伝統的建造物群保存地区の中核となる住宅で、主屋とともに江戸時代後期に建築された座敷や土蔵が完存しており、宅地と併せて保存を図る。 【参考文献】 『大分県指定有形文化財 草野家住宅座敷蔵他4棟保存修理工事報告書』(草野家住宅保存修理委員会 二○○〇年) 『日田豆田町-日田市豆田町伝統的建造物群保存対策調査報告』(日田市教育委員会 二○○四年) 『大分県指定有形文化財 草野家住宅調査報告書』(草野家住宅保存修理委員会 二○○九年)
関連情報
附指定
家具蔵
井戸屋形
関連情報
附指定
附名称
:
家具蔵
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
井戸屋形
附員数
:
1棟