国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
旧吉田家住宅(千葉県柏市花野井)
ふりがな
:
きゅうよしだけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
しゅおく
旧吉田家住宅 主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/民家
時代
:
江戸末期
年代
:
嘉永7
西暦
:
1854
構造及び形式等
:
桁行20.4メートル、梁間10.1メートル、寄棟造、茅葺、東南北各面庇付、西面渡廊下附属、桟瓦葺、釜屋 桁行4.4メートル、梁間5.3メートル、切妻造、桟瓦葺、水屋 桁行4.7メートル、梁間5.3メートル、切妻造、桟瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02562
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2010.12.24(平成22.12.24)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(五)流派的又は地方的特色において顕著なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
千葉県
所在地
:
千葉県柏市花野井字原974番1
保管施設の名称
:
所有者名
:
柏市
所有者種別
:
市区町村
管理団体・管理責任者名
:
旧吉田家住宅 主屋
解説文:
詳細解説
旧吉田家住宅は柏市街の北方に所在する旧家で、江戸時代には下総台地に拓かれた幕府の軍用馬を放牧する御用牧(ごようまき)の管理にあたる牧士を務めた。
主屋は、嘉永7年(1854)に建てられた寄棟造、茅葺の建物で、式台を構え、書院や新座敷を別棟で建てるなど、発達した座敷空間をもつ点に特徴がある。
旧吉田家住宅は、大規模な主屋を中心に質の高い座敷を併設するなど、当地方の農家における住宅形式の到達点を示すものとして高い価値を有している。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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旧吉田家住宅 主屋
旧吉田家住宅 主屋(内部)
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旧吉田家住宅 主屋
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旧吉田家住宅 主屋(内部)
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解説文
旧吉田家住宅は柏市街の北方に所在する旧家で、江戸時代には下総台地に拓かれた幕府の軍用馬を放牧する御用牧(ごようまき)の管理にあたる牧士を務めた。 主屋は、嘉永7年(1854)に建てられた寄棟造、茅葺の建物で、式台を構え、書院や新座敷を別棟で建てるなど、発達した座敷空間をもつ点に特徴がある。 旧吉田家住宅は、大規模な主屋を中心に質の高い座敷を併設するなど、当地方の農家における住宅形式の到達点を示すものとして高い価値を有している。
詳細解説▶
詳細解説
旧吉田家住宅(千葉県柏市花野井) 八棟 主屋、書院、新座敷、長屋門、向蔵、新蔵、道具蔵、西門 旧吉田家住宅は柏市の北部、下総台地と利根川沿いの低地が交わる台地の縁辺部に所在する。江戸時代、下総台地上には幕府に軍馬を供給するための御用牧が拓かれ、野馬奉行の管轄による牧が営まれた。 吉田家は、江戸時代には農業を生業としながら花野井村の名主を務め、文政九年(一八二六)に野馬奉行より牧の実質的な管理にあたる牧士に任ぜられ、この時に名字帯刀を許された。 旧吉田家住宅は、台地縁辺の傾斜地を利用した屋敷林を背にして、平坦な台地上に南面して屋敷地を構える。屋敷地の南辺中央に長屋門を開き、中央北寄りに主屋を建て、その東側に書院、北側に新座敷を別棟で建て、それぞれ渡廊下で主屋と接続する。主屋と長屋門の間の前庭には、向蔵、新蔵、道具蔵を配する。屋敷地の西側は板塀で画し、西門を介して吉田家の新宅につながる。 旧吉田家住宅の土地・建物は、平成一六年一一月に吉田家より柏市に寄贈された。平成一八年一○月一八日に、主屋と書院が国登録有形文化財に登録された後、平成一九年一〇月一日に、主屋 と書院の他、新座敷、向蔵、新蔵、道具蔵、味噌蔵、長屋門および西門があらためて柏市指定文化財に指定されている。 主屋は、嘉永七年(一八五四)の建築で、釜屋を元治元年(一八六四)、帳場座敷を明治前期に増築した。桁行二○・四メートル、梁間一○・一メートル、寄棟造茅葺で、正背面に庇を差掛けて式台や帳場座敷、縁、風呂等を設け、西面には釜屋を、北面には水屋を附属する。平面は西半をドマ、東半を床上部として、ドマから順に正面側にミセ、ゲンカン、背面側にダイドコロ、ナンドを並べ、ゲンカンとナンドの間にブツマを配する。このうちゲンカンは南正面に式台を構え、その対面となる北面の襖には障壁画を描くなど、格式の高いつくりとする。屋根は、棟に雁振瓦をのせ、中央西寄りに切妻造桟瓦葺の煙出を設け、また南と西の二面は出桁造として深い軒をつくる。 書院は、表座敷とも称し、嘉永七年の建築で、小座敷を明治一四年に増築した。桁行一一・五メートル、梁間八・四メートル、寄棟造桟瓦葺で、四面に下屋を廻す。平面は二間続きの座敷からなり、東西南の三面に縁を廻し、南面に設けた庭園に向いて開く。主室は、柱に上質な四方柾の杉材や栂材を用い、床と棚、付書院からなる本格的な座敷構えを設える。北東隅に風呂と便所が取り付く。 新座敷は、慶応元年(一八六五)の建築で、桁行一五・二メートル、梁間五・八メートル、寄棟造桟瓦葺、南面に切妻造の張出部を設ける。平面は二組の二間続きの座敷からなり、相の間を介してこれらを矩折れに配する。主室には床と平書院を備える。東西南の三面に縁を廻し、東西の縁の北側にはそれぞれ便所を突出させる。 長屋門は、天保二年(一八三一)の建築で、桁行二五メートル、梁間五メートル、寄棟造桟瓦葺で、北面全体に庇を付ける。中央東寄りに通り口を設けて門扉を開き、扉口の両脇を東蔵、西蔵として、それぞれ北面に出入口を開く。 向蔵は、宝物類を収納するための蔵で、天保四年の建築である。桁行九・一メートル、梁間四・六メートル、土蔵造二階建、寄棟造桟瓦葺である。長屋門の西側に建ち、北面中央に出入口を開いて両開扉を吊り、上部に桟瓦葺の庇を付ける。 新蔵は、農具等の大型の道具類を収納していた蔵で、天保四年の建築である。桁行一○・九メートル、梁間五・五メートル、真壁造二階建、寄棟造桟瓦葺である。長屋門の北側に建ち、西面北寄りに出入口を開き、西面全体に桟瓦葺の庇を付ける。 道具蔵は、什物や建具等を収納するための蔵で、慶応三年の建築である。桁行六・四メートル、梁間五・一メートル、真壁造二階建、切妻造桟瓦葺である。長屋門の東側に建ち、北面中央に出入口を開き、上部に桟瓦葺の庇を付ける。 西門は、中門とも称し、安政三年の建築である。一間薬医門で、本柱間二・六メートル、切妻造桟瓦葺である。東面して開き、南側に袖塀一間が取り付く。 味噌蔵は、主屋背面の西端に建ち、桁行四・五メートル、梁間二・七メートル、寄棟造桟瓦葺で、東面中央に出入口を開く。 旧吉田家住宅の主屋は、下総地方の民家の特徴を示す大規模な建物で、書院と新座敷をそれぞれ別棟で建てるなど、発達した座敷部分をもつ点に特徴があり、当地方の上層農家における住宅形式の到達点を示すものとして高い価値を有する。また屋敷構えは、牧士という地域特有の家格のもとで江戸時代末期にまとまって建設された一連の建物群が、敷地内の庭園や背後の屋敷林等と一体となって良好な風致を形成しており、当地方の歴史的特色を示すものとして重要である。 【参考文献】 『旧吉田家住宅調査報告書』(柏市教育委員会 平成二○年)
関連情報
附指定
木札
味噌蔵
普請関係文書
家相図
関連情報
附指定
附名称
:
木札
附員数
:
1枚
関連情報
附指定
附名称
:
味噌蔵
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
普請関係文書
附員数
:
3冊
関連情報
附指定
附名称
:
家相図
附員数
:
1枚