国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
旧朴舘家住宅(岩手県二戸郡一戸町)
ふりがな
:
きゅうほおのきだてけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
しゅおく
旧朴舘家住宅 主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/民家
時代
:
江戸末期
年代
:
文久2年
西暦
:
1862
構造及び形式等
:
桁行29.9m、梁間16.4m、寄棟造、茅葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02577
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2011.11.29(平成23.11.29)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(五)流派的又は地方的特色において顕著なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
岩手県
所在地
:
岩手県二戸郡一戸町小鳥谷字朴舘20番地1
保管施設の名称
:
所有者名
:
一戸町
所有者種別
:
市区町村
管理団体・管理責任者名
:
旧朴舘家住宅 主屋
解説文:
詳細解説
旧朴舘家住宅は、岩手県の北部、旧奥州街道(かいどう)沿いの山間部に所在する。
江戸時代末期に建てられた寄棟造茅葺の主屋は、桁行30m、梁間16.4mと大規模で、北側の約半分を土間にして、その一部にマヤを設ける。主屋の南側半分には床を張り、土間に面してダイドコを設け、奥に三部屋からなる座敷を設ける。台所の前面に式台を構え、座敷には長押をめぐらせるなど格式を備えたつくりとする。
旧朴舘家住宅は、重厚な軸部構成と広大な内部空間をもつ大型民家で、接客空間が充実するなど南部藩領における上層民家の特徴をよく示しており、高い価値が認められる。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
旧朴舘家住宅 主屋
旧朴舘家住宅 主屋 内観
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旧朴舘家住宅 主屋
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旧朴舘家住宅 主屋 内観
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解説文
旧朴舘家住宅は、岩手県の北部、旧奥州街道(かいどう)沿いの山間部に所在する。 江戸時代末期に建てられた寄棟造茅葺の主屋は、桁行30m、梁間16.4mと大規模で、北側の約半分を土間にして、その一部にマヤを設ける。主屋の南側半分には床を張り、土間に面してダイドコを設け、奥に三部屋からなる座敷を設ける。台所の前面に式台を構え、座敷には長押をめぐらせるなど格式を備えたつくりとする。 旧朴舘家住宅は、重厚な軸部構成と広大な内部空間をもつ大型民家で、接客空間が充実するなど南部藩領における上層民家の特徴をよく示しており、高い価値が認められる。
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詳細解説
旧朴舘家住宅(岩手県二戸郡一戸町) 二棟 主屋、土蔵、土地 旧朴舘家住宅は、岩手県北部に位置する一戸町のほぼ中央、旧奥州街道沿いの山あいに所在する。 朴舘家は十八世紀頃に当地に居を構えたのち、周辺の山林などを取得し、江戸後期から昭和初期にいたるまで広大な山林と田畑を所有していたとみられる。 緩やかな北斜面の敷地中央に主屋を東面して構え、西側に土蔵を南面して建てる。 旧朴舘家住宅の主屋は、平成二年五月一日付で岩手県指定有形文化財となり、同四年に朴舘家から一戸町に寄付されている。 主屋は、文久二年(一八六二)頃の建築と伝え、桁行二九・九メートル、梁間一六・四メートルと大規模で、屋根は寄棟造、茅葺で、棟を芝棟として煙出しを上げる。 平面は、北側の約四割を土間とし、深い堀込みをもつ広いマヤを板壁で囲み、ほかをニワとする。 南側の床上部は居室を三列に並べる構成で、土間側の北列は、正面に式台を構え、式台北側に二畳大のネベヤを設け、後方を広い板敷のダイドコとし、背面をハシリとする。中列は、東からジョイとナンドとし、背面を入側縁とする。またダイドコとナンドとの間にヘヤを配する。上手となる南列には、西奥からオクザシキ、ナカザシキ、シタザシキの三室を並べ、ジョイからオクザシキにかけて縁を廻らす。 ダイドコは前後二箇所に囲炉裏を設け、灯明用のマツイシを据える。ダイドコ前半部は小屋組を現し、後半部とハシリは根太天井とする。ジョイは正面一間を板敷とするほかは畳敷とし、中央に囲炉裏を切り、上方は小屋組を現す。ナンドは板敷で、棹縁天井を張る。 上手の座敷三室は、シタザシキの正面半間を板敷とするほかは畳敷で、各室とも棹縁天井を張る。また室内に内法長押を廻らし、特にオクザシキでは床を構え、床脇に物入れを造作し、ナカザシキ境に筬欄間を入れるなど、格式を備える。 ダイドコ西端とハシリ、ニワの上部に屋根裏部屋を設けて物置とし、背面側の屋根を切り上げて窓を設け、採光する。 軸部は、床上部ではダイドコ周囲に八寸角の柱を配して成の高い差物で固め、またジョイやシタザシキでは二尺を超す成の差物を架け渡すなど重厚な軸組とする。土間部では半間ごとに柱を立てて板壁及び土壁とする。 小屋組は、矩形断面や瓜剥きの梁を二重に架け、梁の間に一間毎に立てた小屋束を貫で固めて豪壮なつくりとし、二重梁上に扠首を組む。 土蔵は、墨書から明治十六年頃の建築とわかる。桁行一一・五メートル、梁間八・六メートル、土蔵造二階建、切妻造で、置き屋根式の鉄板葺とし、南面の出入口に鉄板葺の庇を付ける。 外壁は漆喰塗で、腰をモルタル洗出し仕上げとする。内部は、下階西側を土間の味噌部屋とするほかは板敷とする。 旧朴舘家住宅の主屋は、重厚な軸部構成と広大な内部空間をもつ大規模民家として価値が高い。また式台や三室の座敷といった接客空間を備えるとともに、当地における牧畜との関連を示す広い土間をもつなど、南部藩領における上層民家の特徴をよく示しており、重要である。敷地内に残る土蔵と土地を併せて保存を図る。 【参考文献】 『岩手県の民家 民家緊急調査報告書』(岩手県教育委員会 一九七八年) 『朴舘家住宅調査報告書』(一戸町教育委員会 二〇一一年)