国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
古河橋
ふりがな
:
ふるかわばし
棟名
:
棟名ふりがな
:
古河橋 上流右岸から見る
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員数
:
1基
種別
:
近代/産業・交通・土木
時代
:
明治
年代
:
明治23年
西暦
:
1890
構造及び形式等
:
鋼製単トラス桁橋、橋長48.6m、幅員5.2m、橋台2基付
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02603
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2014.01.27(平成26.01.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
栃木県
所在地
:
栃木県日光市足尾町赤倉字道下,本山字間々
保管施設の名称
:
所有者名
:
日光市
所有者種別
:
市区町村
管理団体・管理責任者名
:
古河橋 上流右岸から見る
解説文:
詳細解説
古河橋は、足尾銅山施設の近代化の一環として渡良瀬川に架設されたもので、明治23年に竣工した。ドイツ国ハーコート社製の鋼製のトラス橋で、工場であらかじめ製作した部材を、現場でボルト接合のみで短期間で簡易に組み立てられる工法が用いられている。
古河橋は、足尾銅山において近代最初期に整備された施設の中で、ほぼ完存する唯一の遺構であり、歴史的に価値が高い。日本でも数多く架設されたドイツ国ハーコート社製のボルト接合による橋梁の中で、原位置に残るわが国現存最古の遺構であり、西洋の異なる国々から先端技術を導入し、短期間で近代化を成し遂げたわが国橋梁分野の技術的展開を示す遺構として重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
添付ファイル
なし
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古河橋 上流右岸から見る
古河橋 左岸から見る
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古河橋 上流右岸から見る
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古河橋 左岸から見る
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解説文
古河橋は、足尾銅山施設の近代化の一環として渡良瀬川に架設されたもので、明治23年に竣工した。ドイツ国ハーコート社製の鋼製のトラス橋で、工場であらかじめ製作した部材を、現場でボルト接合のみで短期間で簡易に組み立てられる工法が用いられている。 古河橋は、足尾銅山において近代最初期に整備された施設の中で、ほぼ完存する唯一の遺構であり、歴史的に価値が高い。日本でも数多く架設されたドイツ国ハーコート社製のボルト接合による橋梁の中で、原位置に残るわが国現存最古の遺構であり、西洋の異なる国々から先端技術を導入し、短期間で近代化を成し遂げたわが国橋梁分野の技術的展開を示す遺構として重要である。
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詳細解説
古河橋 一基 古河橋は、足尾銅山の運輸・交通の要所であった本山地区入口に位置する。古河橋は、一八世紀中期以降、生産活動が停滞していた足尾銅山の再興を図るため、新たに同銅山の経営者となった実業家古河市兵衛が実施した足尾銅山四大工事の一環として建設された。着工は明治二三年六月、竣工は同年一二月で、当初は道路兼軌道用の橋梁であったが、昭和三九年に旧足尾町へ移管されてからは道路橋となり、現在は歩道橋として利用されている。古河橋は昭和五六年一二月一日付けで足尾町有形文化財に指定され、合併に伴い平成一八年三月二〇日以降は日光市指定の有形文化財となっている。 古河橋は、渡良瀬川に対してほぼ直角に架かる、橋長四八・六メートル、幅員五・二メートル、下路式の鋼製単トラス桁橋である。トラスは、ドイツ国ハーコート社製で、ピン連結、放物線形状の曲弦ワーレントラスとし、支承にはロッカー支承を用いる。建設にあたっては、リベット接合を用いて工場で製作した部材を、現場においてはボルト接合のみで組み立てるという工法が用いられている。 古河橋は、近代において我が国有数の産銅量を誇った足尾銅山において、近代最初期に建設された主要施設のうち、ほぼ完存する唯一の遺構であり、歴史的に価値が高い。また、一九世紀後期に世界各地で事業を展開したドイツ国ハーコート社が、施工の簡易性を追求して開発した現場継手にボルトを用いる橋梁のうち、旧態を良好に保持し、かつ原位置に残る我が国現存最古の遺構であり、西洋の異なる国々から技術を導入して、短期間で近代化を成し遂げた我が国橋梁分野の技術的展開を示す遺構として重要である。 【参考文献】 「わが国におけるドイツ製鉄道橋梁 歴史と現状」(小西純一、西野保行、淵上龍雄 『土木史研究』 第一二号 一九九二年) 『栃木県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(栃木県教育委員会 二〇〇三年)