国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
十妙院
ふりがな
:
じゅうみょういん
棟名
:
客殿及び庫裏
棟名ふりがな
:
きゃくでんおよびくり
十妙院客殿及び庫裏 外観
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/住宅
時代
:
江戸中期
年代
:
元禄4年
西暦
:
1691
構造及び形式等
:
桁行27.4m、梁間14.9m、一重、入母屋造段違、南面軒唐破風付、南面玄関附属、唐破風造、西面便所附属、本瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02607
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2014.01.27(平成26.01.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
兵庫県
所在地
:
兵庫県姫路市書写
保管施設の名称
:
所有者名
:
十妙院
所有者種別
:
寺院
管理団体・管理責任者名
:
十妙院客殿及び庫裏 外観
解説文:
詳細解説
十妙院は、姫路市街北西の書写山の山上にある円教寺の塔頭寺院の一つで、16世紀中頃の創立と伝える。現在の客殿及び庫裏は元禄4年(1691)、唐門は享保9年(1724)の建立である。客殿及び庫裏は、客殿と庫裏を一棟にまとめており、貴賓入口を示す軒唐破風や唐戸口などに古式を残しながら、客殿室内は上質な書院造とする。唐門は、客殿前に開く貴賓用の門である。十妙院は、江戸時代中期の山上寺院における塔頭の様相を示しており、門や土塀など、近世の塔頭の構えを良く維持していて価値が高い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
写真一覧
十妙院客殿及び庫裏 外観
十妙院客殿 広縁
十妙院客殿内部
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十妙院客殿及び庫裏 外観
写真一覧
十妙院客殿 広縁
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十妙院客殿内部
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解説文
十妙院は、姫路市街北西の書写山の山上にある円教寺の塔頭寺院の一つで、16世紀中頃の創立と伝える。現在の客殿及び庫裏は元禄4年(1691)、唐門は享保9年(1724)の建立である。客殿及び庫裏は、客殿と庫裏を一棟にまとめており、貴賓入口を示す軒唐破風や唐戸口などに古式を残しながら、客殿室内は上質な書院造とする。唐門は、客殿前に開く貴賓用の門である。十妙院は、江戸時代中期の山上寺院における塔頭の様相を示しており、門や土塀など、近世の塔頭の構えを良く維持していて価値が高い。
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詳細解説
十妙院 二棟 客殿及び庫裏、唐門 十妙院は、姫路市街の北西、書写山の山上に伽藍を構える円教寺の塔頭の一つである。円教寺は、康保三年(九六六)に性空が開いた天台宗寺院で、寛和二年(九八六)には花山法皇の行幸があり、以後、公家らの帰依をうけて発展した。十妙院の創立は詳らかでないが、天正一六年(一五八八)に、十妙院の実祐が円教寺長吏に就任しており、中世末には存在したものと思われる。 十妙院は、円教寺伽藍東寄りの東谷に位置する。敷地中央に客殿及び庫裏が南面して建ち、南東の表門から土塀を西へ延ばし、客殿の南に唐門を開く。客殿の西は庭園とする。現在の客殿及び庫裏は元禄四年(一六九一)の建立である。唐門は享保九年(一七二四)の建立で、表門もほぼ同時期と推定する。その後、客殿及び庫裏は、天明三年(一七八三)に台所を改造、寛政元年(一七八九)に仏間修理、明治八年に大規模修理の記録がある。唐門は、享和元年(一八〇一)、弘化四年(一八四七)に屋根葺替が行われた。平成四~七年に客殿及び庫裏の保存修理が行われ、併せて唐門、表門も修理された。客殿及び庫裏は、昭和四〇年三月一六日付けで兵庫県指定重要有形文化財に指定されている。 客殿及び庫裏は、桁行二七・四メートル、梁間一四・九メートル、一重である。屋根は入母屋造の本瓦葺で、西側の客殿の大棟に対して東側の庫裏の大棟がわずかにずれて段が付く。客殿南面西端は軒を切上げて唐破風を付ける。正面中央に唐破風玄関を設ける。西面北寄りには便所が付き、東面中央に台所張出し部がある。 客殿は、仏間を中央に置き、西に大トコの両脇に棚を構えた上座敷一五畳、その南に座敷一五畳、仏間の南は広間二〇畳、東は客間一〇畳とその北に控の間四畳とする。仏間の北は居間八畳で、上座敷の北に四畳、二畳がある。南面から西面に広縁を廻し、南広縁東端に玄関が付き、その北に玄関の間一〇畳半、広縁東端に脇部屋四畳がある。西広縁は北端を区切って納戸とする。広縁の外には濡縁を廻す。庫裏は、客殿脇部屋の東に内玄関を開き、北に板の間、その東は台所で床上に竈を設ける。台所の南は土間とする。台所の北は二室の納戸で、その西に、客殿側に食込むように茶の間一二畳半がある。客殿と庫裏に求められる諸室を緊密にまとめた平面である。 客殿は、各室に内法長押と蟻壁長押を廻し、仏間は小組格天井、ほかは棹縁天井とする。南広縁は化粧小屋、西広縁は棹縁天井である。各室境は襖を建て込み、上座敷と座敷境、座敷と広間境に筬欄間を入れる。障壁画は狩野永納により、四季山水図、唐人物図、花鳥図で飾る。広縁と室境は舞良戸引違い、内明障子とするが、座敷南面西端間は幣軸構の両折板唐戸とし、軒の唐破風とともに貴賓の入口を示す。西広縁の南に杉戸を建てて南広縁と区切る。広縁外廻りは板戸引違いで、無双欄間とする。庫裏は、内法に差鴨居を用い、室境を板戸とする。台所では太い梁組を見せる。一連の平面であるが客殿と庫裏は室内意匠を明瞭に区分している。 軒は、客殿は一軒疎垂木、庫裏は梁鼻を延ばして出桁を受け一軒疎垂木とする。妻飾りは、客殿側西妻が板壁杉皮張、庫裏側東妻が虹梁大瓶束である。 唐門は、一間平唐門で、屋根を檜皮葺とする。柱は円柱で、女梁、冠木、男梁を組み、男梁上に彫刻付の板蟇股を載せ、斗と実肘木で棟木を受ける。男梁先に桁を掛け、柱上と中間に茨垂木を架ける。軒は一軒板軒である。門扉は板唐戸とする。客殿南面の軒唐破風前に位置する貴賓の門である。 表門は、一間薬医門で、屋根を本瓦葺とする。北へ瓦葺の脇塀を延ばして脇門を設ける。南に取付く土塀は、瓦葺の築地塀である。 十妙院の客殿及び庫裏は、意匠の異なる客殿と庫裏を破綻なく一棟にまとめた建物であり、貴賓入口を示す軒唐破風や唐戸口などに古式を残しながら、客殿は上質な書院造としており、江戸時代中期の山上寺院における塔頭の様相を示していて重要である。門や土塀など、近世の塔頭の構えを良く維持していることも価値が高い。 【参考文献】 『兵庫県指定重要有形文化財円教寺塔頭十妙院修理工事報告書』(書寫山圓教寺 一九九五年)
関連情報
附指定
表門
土塀
関連情報
附指定
附名称
:
表門
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
土塀
附員数
:
1基