国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
本願寺
ふりがな
:
ほんがんじ
棟名
:
経蔵
棟名ふりがな
:
きょうぞう
本願寺経蔵 外観
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/寺院
時代
:
江戸中期
年代
:
延宝6
西暦
:
1678
構造及び形式等
:
桁行一間、梁間一間、一重もこし付、宝形造、本瓦葺、八角輪蔵付
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
00546
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2014.09.18(平成26.09.18)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(一)意匠的に優秀なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
京都府京都市下京区堀川通花屋町下る門前町
保管施設の名称
:
所有者名
:
本願寺
所有者種別
:
寺院
管理団体・管理責任者名
:
本願寺経蔵 外観
解説文:
詳細解説
本願寺は浄土真宗本願寺派の本山で,西本願寺と称し,通りに面して御影堂門と阿弥陀堂門を構え,経蔵,手水所,鼓楼などが建ち並ぶ。巨大な輪蔵を有する経蔵は延宝5年(1677)の建築で,内部の腰まわりには色鮮やかな有田焼の瓦を張る。御影堂門,阿弥陀堂門は大規模な四脚門で,独特の組物構成を持ち,彫刻や錺金具などで装飾されている。本願寺の表構えを構成するこれらの建築群は,いずれも規模雄大で質が高く,それぞれ各時期の優れた意匠と技術が結集されており,江戸時代を通じて発展した真宗本山の格式に相応しい充実した建築として価値が高い。近世京都の都市景観を知る上でも重要な存在であり,既指定の鐘楼とともに保存を図る。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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本願寺経蔵 外観
本願寺経蔵 内部
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本願寺経蔵 外観
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本願寺経蔵 内部
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解説文
本願寺は浄土真宗本願寺派の本山で,西本願寺と称し,通りに面して御影堂門と阿弥陀堂門を構え,経蔵,手水所,鼓楼などが建ち並ぶ。巨大な輪蔵を有する経蔵は延宝5年(1677)の建築で,内部の腰まわりには色鮮やかな有田焼の瓦を張る。御影堂門,阿弥陀堂門は大規模な四脚門で,独特の組物構成を持ち,彫刻や錺金具などで装飾されている。本願寺の表構えを構成するこれらの建築群は,いずれも規模雄大で質が高く,それぞれ各時期の優れた意匠と技術が結集されており,江戸時代を通じて発展した真宗本山の格式に相応しい充実した建築として価値が高い。近世京都の都市景観を知る上でも重要な存在であり,既指定の鐘楼とともに保存を図る。
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詳細解説
本願寺 六棟 経蔵、手水所、鼓楼、御影堂門、阿弥陀堂門、総門 京都府京都市下京区 宗教法人 本願寺 本願寺は、龍谷山と号する浄土真宗本願寺派の本山寺院で、下京区堀川通に面して位置している。文永九年(一二七二)、親鸞の末娘覚信尼が東山大谷の地に親鸞の遺骨を改葬し、廟堂を建立したことに始まり、室町時代には大勢の門徒を抱える仏教集団に発展した。現在の寺地は天正十九年(一五九一)に豊臣秀吉より与えられたもので、現在の伽藍は元和三年(一六一七)の火災後に順次整備されたものである。御影堂が寛永十三年(一六三六)、阿弥陀堂が宝暦十年(一七六〇)の建立で、両堂を中心に現在の諸堂が順次整えられた。天明八年(一七八八)の大火により敷地北東部の鼓楼、阿弥陀堂門などを焼失したが、その後再建され現在に至る。 敷地のほぼ中央の御影堂と阿弥陀堂は南北に東面して建ち並んでいる。阿弥陀堂の北東には南面する経蔵、両堂の正面中間に手水所、敷地北東隅に鼓楼、敷地南東部には鐘楼が建つ。御影堂門は御影堂正面の北寄り、阿弥陀堂門は阿弥陀堂正面の南寄りにそれぞれ構え、御影堂門の西側には目隠塀を建てる。御成門は鼓楼南に接続し、敷地東面は御影堂門と阿弥陀堂門を挟んで築地塀で囲む。総門は御影堂門正面の堀川通を挟んだ位置に建つ。鐘楼は元和四年の建築で、明治四十三年(一九一〇)八月二十九日付で特別保護建造物になった。また、敷地は平成六年三月二十三日付で「本願寺境内」として史跡に指定されている。 経蔵は、墨書や文書より延宝六年(一六七八)の建築であるが、阿弥陀堂再建に伴い宝暦九年に現在地へ移された。方一間、裳階付の形式で、宝形造、本瓦葺の頂部に銅製宝珠を据え、軒は身舎は二軒扇垂木、裳階は二軒繁垂木とする。基壇は切石積で南と北に五級の石階を設け、四周に木製高欄を廻らす。軸部は身舎、裳階ともに面取角柱とし、身舎柱頂部には台輪を廻して詰組の大斗肘木で桁を受ける。裳階柱は地覆、腰貫、内法貫で固め、舟肘木で桁を受ける。外部各面中央間は内法長押を付けて両開桟唐戸を吊り、上部中央に蟇股を置き、両脇間は花頭窓とする。内部は床を四半敷とし、中央に据えた八角輪蔵に大蔵経を納める。八角輪蔵は粽付の丸柱を内外二周に立てて内側に経箱を収納し、外を尾垂木付二手先、内を出組とし、軒は二軒扇垂木で木瓦葺とする。輪蔵台座上には輪蔵を囲むように八天像を、輪蔵の前には傅大士像と二童士像を安置する。上部は身舎柱と裳階柱を海老虹梁で繋ぎ、裳階は化粧屋根裏、身舎は隅のみ鏡天井とする。裳階内側の腰廻りには色鮮やかな有田焼の瓦を張るなど、内部を華やかに飾る。 手水所は瓦銘より文化七年(一八一〇)の建築とみられる。桁行二間、梁間一間、東西棟の入母屋造、本瓦葺で、軒は二軒繁垂木、妻飾は木連格子、破風板には錺金具を付ける。四周を開放とし、花崗岩床の四半敷で中央に石製の井戸と水盤を据える。軸部は方形礎盤に几帳面取角柱を立て、内法虹梁で繋ぎ、柱頂部の舟肘木と内法虹梁上の蟇股で桁を受け、鏡天井を張る。大伽藍にふさわしい大規模な手水所である。 鼓楼は、瓦銘より寛政元年(一七八九)の建築である。桁行四間、梁間四間の下層に方三間の上層を載せた望楼風の形式で、上下層とも東西棟の入母屋造、本瓦葺とし、軒は下層が一軒疎垂木、上層が一軒繁垂木、木連格子の妻飾とする。内部は三階建となり、一階は棹縁天井の四室に区画され、南と東面に鏡天井の廊下を廻す。二階は中間階で、三階は板間で化粧屋根裏天井として梁組をあらわし、太鼓を据える。四周は格子窓とし、外部腰を下見板張縦桟押えとする。城郭建築を思わせる真宗寺院特有の意匠をもつ大規模な鼓楼である。 御影堂門は、瓦銘や文書より正保二年(一六四五)の建築とみられる。桁行一〇・七メートル、梁間七・三メートルの大規模な四脚門で、入母屋造、本瓦葺、軒は二軒繁垂木、天井は小組格天井とする。礎盤に粽付丸柱を立て、柱頭の虹梁形頭貫を根肘木で支持し、端部にはいずれも木鼻をつける。梁間は地覆、腰貫、内法貫、頭貫で固め、中間に花狭間を嵌める。組物は拳鼻実肘木付の出組を詰組に配し、前後と両側各間の中央には笈型付大瓶束、前後の中備に蟇股を入れる。扉口には小脇柱を立て大型の両開桟唐戸を吊り、上部に龍の彫刻欄間を入れる。扉上の欄間や虹梁、蟇股、妻飾などに精緻な彫刻を施し、木鼻や虹梁の渦は御影堂のような本願寺特有の浮き彫りとし、組物構成や各部造作の組み合わせに独創性がある。 阿弥陀堂門は、文書より享和二年(一八〇二)の建築である。桁行七・三メートル、梁間六・一メートルの規模で、境内では御影堂門に次ぐ大規模な四脚門で、切妻造、檜皮葺の正面と背面に軒唐破風を付け、軒は二軒繁垂木、妻飾は二重虹梁で三花懸魚や錺金具で飾る。軸部は本柱を丸柱、控柱を几帳面取角柱として腰長押と頭貫、冠木、台輪で固め、拳鼻実肘木付の出組組物を詰組とする。側面や扉口上部、桟唐戸を透彫彫刻で飾り、随所に錺金具をちりばめ、豪放さと華麗さを具備している点に特色がある。 総門は一九世紀前期の建築と見られる。寺地と寺内町を区画した大型の一間高麗門で、両脇に袖塀が付く。切妻造、本瓦葺、一軒繁垂木で、親柱上部に通した虹梁は大柄な蟇股を二組配して腕木を組み、棟と桁を受ける。虹梁木鼻、腕木、持送り、破風板には江戸時代後期らしい繰型を施す。 御成門は、一九世紀中期の建築とみられる。切妻造、本瓦葺の一間高麗門で両脇に潜戸と袖塀を付ける。軒は一軒疎垂木、中央の蟇股と両妻の蓑束で棟木を受ける。扉板はケヤキの一枚板で、扉上部の精緻な透彫、上部に並べた蟇股、錺金具などの装飾が施された小規模ながら上質な門である。 目隠塀は、江戸時代後期の建築とみられる。規模五間の真壁造で腰を簓子下見板張とし、西面に控柱を立てる。屋根は南北棟の切妻造、本瓦葺、一軒疎垂木とし、肘木で桁を受ける。 築地塀は、江戸時代中期から後期の建築とみられる。版築の塀で切妻造、本瓦葺で、表面は大津壁仕上げで、五本の定規筋を引く。端部の切妻面には蟇股を置く。 本願寺の表構えを構成する建築群は、いずれも規模雄大で質が高く、それぞれ各時期の優れた意匠と技術が結集されており、江戸時代を通じて発展した真宗本山の格式にふさわしい充実した建築として価値が高い。本願寺の表構えは近世京都の都市景観を知る上で欠くことのできない重要な存在であり、既指定の鐘楼とともに全体の保存を図る。 【参考文献】 『京都府の近世社寺建築』(京都府教育委員会 一九八三年) 『本願寺防災施設工事・発掘調査報告書』(宗教法人本願寺 二〇〇九年) 『史跡本願寺境内旧仏飯所及び太鼓楼修理工事報告書』(宗教法人浄土真宗本願寺派 二〇〇九年) 『重要文化財本願寺大師堂修理工事報告書』(京都府教育委員会 二〇〇九年) 『本願寺御影堂門・築地塀修理工事報告書』(宗教法人本願寺 二〇一〇年)
関連情報
附指定
棟札
御成門
目隠塀
築地塀
関連情報
附指定
附名称
:
棟札
附員数
:
二枚
関連情報
附指定
附名称
:
御成門
附員数
:
一棟
関連情報
附指定
附名称
:
目隠塀
附員数
:
一棟
関連情報
附指定
附名称
:
築地塀
附員数
:
三棟