国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
東北学院旧宣教師館
ふりがな
:
とうほくがくいんきゅうせんきょうしかん
棟名
:
棟名ふりがな
:
東北学院旧宣教師館 外観 南面
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員数
:
1棟
種別
:
近代/住居
時代
:
明治
年代
:
明治20頃
西暦
:
1887頃
構造及び形式等
:
木造、建築面積185.63㎡、二階建、鉄板葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02642
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2016.07.25(平成28.07.25)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
宮城県
所在地
:
宮城県仙台市青葉区土樋一丁目6番地
保管施設の名称
:
所有者名
:
学校法人東北学院
所有者種別
:
法人
管理団体・管理責任者名
:
東北学院旧宣教師館 外観 南面
解説文:
詳細解説
東北学院旧宣教師館は,明治20年頃に宣教師のために建てられた住宅で,東北学院土樋キャンパスの西端に所在する。
外観は南面から東面にかけてバルコニーを設ける,いわゆるコロニアルスタイルで,一階は玄関ホールを中心に書斎,居間,食堂等を配し,二階は寝室とし,主人用,使用人用の動線を明確に分離した平面構成をもつ。
東北学院旧宣教師館は,我が国に残る外国人宣教師住宅の最初期の事例として希少で,保存状況も良好であり,高い歴史的価値を有している。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
東北学院旧宣教師館 外観 南面
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東北学院旧宣教師館 外観 南面
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解説文
東北学院旧宣教師館は,明治20年頃に宣教師のために建てられた住宅で,東北学院土樋キャンパスの西端に所在する。 外観は南面から東面にかけてバルコニーを設ける,いわゆるコロニアルスタイルで,一階は玄関ホールを中心に書斎,居間,食堂等を配し,二階は寝室とし,主人用,使用人用の動線を明確に分離した平面構成をもつ。 東北学院旧宣教師館は,我が国に残る外国人宣教師住宅の最初期の事例として希少で,保存状況も良好であり,高い歴史的価値を有している。
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詳細解説
東北学院旧宣教師館 一棟 宮城県仙台市 学校法人 東北学院 東北学院旧宣教師館は、仙台駅の南方、広瀬川にほど近い東北学院大学土樋キャンパスの西端、南向きの緩やかな斜面地に位置する。旧宣教師館が建つ土地は、宮城英学校の設立に際し、仙台に派遣された宣教師の住居のために購入されたもので、この土地には明治二〇年頃に洋風住宅が三棟建てられたことが、米国人宣教師デフォレストの書簡等によって判明する。 建築後、土地は同志社、「在日本コングリゲーショナル宣教師社團」の所有を経て、大正六年には土地家屋が改革派教会の我が国における支部に当たる「在日本リホームド宣教師社團」に売却された後、昭和一五年には東北学院の所有となった。同時に建てられた三棟の住宅のうち、道路を隔てて北側に建っていた一棟は明治期には失われたと考えられ、また旧宣教師館とほぼ同規模・同形式で東隣に建設されたもう一棟の住宅については、昭和四二年に解体されている。旧宣教師館は、東北学院の所有になって以降も一貫して外国人宣教師や教師の住宅として利用されてきたが、昭和三〇年以降は大学施設として研究室や事務室等に用いられている。本建物は平成二五年三月二九日付けで登録有形文化財(建造物)となっている。 建物は、木造二階建で、およそ桁行一六・八メートル、梁間一二・一メートルの規模を有し、建築面積は一八五・六三平方メートルである。屋根は寄棟造鉄板葺で、小屋は和小屋を組み、西面北寄りは切妻を突出させるほか、北面東寄りは片流れで葺き下ろす。外壁は下見板張である。 北面中央には玄関を設けて円弧状の破風をかけ、その奥に主階段、そのさらに東側に、対向する向きに使用人用の階段を設ける。一階には玄関西寄りから反時計回りに居室四室と台所を設け、各室の間は開戸または引戸で接続する。玄関の東脇には洗面、便所を配する。南西隅の居室北面には暖炉を設ける。また、南面中央の食堂と考えられる部屋の北面には、配膳用の戸棚が設けられている。南面から東面にかけてはバルコニーを設けるが、南面西寄りと東面南寄り部分は側廻りをガラス窓で画し、サンルームとしている。二階もほぼ同様の平面配置で居室四室を設けるが、台所上部は屋根裏部屋とし、サンルームは南面西寄りにのみ設けている。北寄りの一部を除いては柱頭飾を設け、窓は上下窓を多用する。内装は改変が大きいが、床板は当初と考えられるほか、サンルーム天井をラティス状の意匠とし、後補天井の裏にはモールディングが残存している。全体として、いわゆるコロニアル・スタイルで簡素にまとめられている。当初は北面東端の扉口から和館が接続していたが、現在は失われている。 東北学院旧宣教師館は、簡素な意匠でまとめられているが、主人用、使用人用の階段を別個に備え、動線を明確に分離した平面構成をとる本格的な洋風住宅であり、保存状況も良好である。我が国に残る外国人宣教師住宅の最初期の事例として、高い歴史的価値を有している。 【参考文献】 『デフォレスト館建造物調査報告書』(学校法人東北学院 二〇一四年) 『デフォレスト館建造物調査報告書補遺 建造物の来歴ならびにスレートに関する追加調査報告』( 同 二〇一五年)