国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要伝統的建造物群保存地区
主情報
名称
:
焼津市花沢
ふりがな
:
やいづしはなざわ
焼津市花沢伝統的建造物群保存地区
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種別1
:
山村集落
種別2
:
面積
:
19.5 ha
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
選定年月日
:
2014.09.18(平成26.09.18)
追加年月日
:
選定基準1
:
(三)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
選定基準2
:
選定基準3
:
所在地
:
静岡県焼津市
焼津市花沢伝統的建造物群保存地区
解説文:
詳細解説
焼津市は静岡市の南側に位置し、高草山等の山々を境に静岡市と接する。東は駿河湾を望み、市域南部は大井川の扇状地である志太(しだ)平野が広がる温暖な気候に恵まれる。花沢集落は山間部の谷地に位置する。地区の中央を花沢川が南北に流れ、川沿いに日本坂峠へと続く旧街道が通る。蜜柑、茶、煙草等を生業とした山村集落である。集落は、川沿いの通り西側に屋敷地を開く。通りに面して石垣を築き、主屋を敷地奥に建て、オード等と呼ばれる作業空間を取り囲むように農作業小屋、季節労働者等の宿泊部屋等の附属屋が取り囲む。狭い敷地を巧みに生かした山村集落を良く残し、我が国にとって価値が高い。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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焼津市花沢伝統的建造物群保存地区
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解説文
焼津市は静岡市の南側に位置し、高草山等の山々を境に静岡市と接する。東は駿河湾を望み、市域南部は大井川の扇状地である志太(しだ)平野が広がる温暖な気候に恵まれる。花沢集落は山間部の谷地に位置する。地区の中央を花沢川が南北に流れ、川沿いに日本坂峠へと続く旧街道が通る。蜜柑、茶、煙草等を生業とした山村集落である。集落は、川沿いの通り西側に屋敷地を開く。通りに面して石垣を築き、主屋を敷地奥に建て、オード等と呼ばれる作業空間を取り囲むように農作業小屋、季節労働者等の宿泊部屋等の附属屋が取り囲む。狭い敷地を巧みに生かした山村集落を良く残し、我が国にとって価値が高い。
詳細解説▶
詳細解説
焼津市は静岡県の中央部,静岡市の南に位置し,駿河湾に面する。焼津市中央部の沿岸部に市の中心部があり,市域北東隅の山間部に保存地区がある。保存地区は谷部に形成された戸数30戸程度の小規模な山村で,17世紀以来,ほぼ同規模の集落として存在し続けている。明治以降,養蚕,茶,みかんの栽培で繁栄し,中でも,みかんの栽培は戦後以降も主産業として地区を潤した。 焼津市花沢伝統的建造物群保存地区は,東西約240メートル,南北約800メートル,面積約19.5ヘクタールの範囲とし,南北に流れる花沢川に沿った細長い集落部分と,その周囲の茶畑,みかん畑が営まれた斜面地からなる。 集落部分では,川沿いの道に沿って石垣で造成された屋敷地が並び,道に沿って石垣が階段状に連なる。敷地の奥には山を背にして主屋(おもや)が建てられる。主屋は,平屋建て,瓦葺きの建物が多く,そのうち約三分の一は,かつては茅葺(かやぶ)きであった。中には,養蚕を行うために,中二階(ちゅうにかい)をつくったものもある。道沿いや屋敷地の周縁部には附属屋が建てられる。土蔵(どぞう)や納屋のほかに,茶やみかんの作業場や貯蔵施設,さらには,みかんの収穫や選別作業に携わった季節労働者の宿泊施設がある。季節労働者の増加により,附属屋間の二階をつないで宿泊施設とし,その下を敷地への出入口とした,あたかも長屋門のような形状となったものもある。そして,集落の周囲には,石積みによって築かれたみかん畑や茶畑が広がる。 焼津市花沢伝統的建造物群保存地区は,谷間の道に沿って屋敷地が連続し,江戸時代後期から昭和初期に建てられた主屋や附属屋などの伝統的建造物を良く残し,道に沿って,階段状の石垣の上に附属屋が建ち並ぶ特徴ある景観を形成し,集落を取り囲むみかん畑や茶畑などの周囲の環境と一体となって,特徴ある歴史的風致を形成し,我が国にとって価値が高い。