国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
三重県宝塚1号墳出土埴輪
ふりがな
:
みえけんたからづかいちごうふんしゅつどはにわ
宝塚1号墳出土埴輪(船)
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
古墳
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00050
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
国宝
重文指定年月日
:
2006.06.09(平成18.06.09)
国宝指定年月日
:
2024.08.27(令和6.08.27)
追加年月日
:
所在都道府県
:
三重県
所在地
:
松阪市外五曲町1
保管施設の名称
:
松阪市文化財センター
所有者名
:
松阪市
管理団体・管理責任者名
:
宝塚1号墳出土埴輪(船)
解説文:
詳細解説
宝塚一号墳は、全長111mを測る前方後円墳で、古墳時代中期前葉(5世紀初頭頃)に築造されたと考えられている。船や囲(かこい)、家などの形象埴輪は、主に造り出しと呼ばれる島状の施設やその周囲に置かれていた。
埴輪船は、全長140㎝、高さ94㎝を誇る大形の埴輪で、全体の9割程が遺存する希有な例であり、古墳時代の大形船を写実的に象り、丸木船に舷側板や竪板を組み合わせた準構造船の構造を今に伝える。また、船首・船尾を垂直に屹立させる勇壮な船姿、鰭飾りが付く心葉形の隔壁板、全体を飾る線刻文様など、造形性、装飾性にも優れる。この埴輪船は、船首を古墳に向け、あたかも航海を終えて古墳に辿り着いたような場所から出土しており、船上には王の権威を示す大刀、威杖、蓋を模した別造りの立飾を伴っていることから、古墳に葬られる王の魂を乗せた葬送船とする説も唱えられている。
3点ある埴輪囲と切妻屋根の埴輪家は、それぞれが組になる。そのうち埴輪家1点の床には槽・樋状の、2点の内部には井戸状の表現があり、前者は谷から引いた水を清める導水施設を、後者はその水を汲み取る湧水施設とみられる。これらの埴輪は、板塀などの遮蔽施設に囲まれた祭祀場を模したものと考えられ、古墳時代に各地で行われた水に関わる祭祀を復元するうえで、欠かせない遺例となっている。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
添付ファイル
なし
写真一覧
宝塚1号墳出土埴輪(船)
宝塚1号墳出土埴輪(囲・家(+導水部))
宝塚1号墳出土埴輪(囲((+導水部))
宝塚1号墳出土埴輪(導水部)
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宝塚1号墳出土埴輪(船)
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宝塚1号墳出土埴輪(囲・家(+導水部))
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宝塚1号墳出土埴輪(囲((+導水部))
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宝塚1号墳出土埴輪(導水部)
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解説文
宝塚一号墳は、全長111mを測る前方後円墳で、古墳時代中期前葉(5世紀初頭頃)に築造されたと考えられている。船や囲(かこい)、家などの形象埴輪は、主に造り出しと呼ばれる島状の施設やその周囲に置かれていた。 埴輪船は、全長140㎝、高さ94㎝を誇る大形の埴輪で、全体の9割程が遺存する希有な例であり、古墳時代の大形船を写実的に象り、丸木船に舷側板や竪板を組み合わせた準構造船の構造を今に伝える。また、船首・船尾を垂直に屹立させる勇壮な船姿、鰭飾りが付く心葉形の隔壁板、全体を飾る線刻文様など、造形性、装飾性にも優れる。この埴輪船は、船首を古墳に向け、あたかも航海を終えて古墳に辿り着いたような場所から出土しており、船上には王の権威を示す大刀、威杖、蓋を模した別造りの立飾を伴っていることから、古墳に葬られる王の魂を乗せた葬送船とする説も唱えられている。 3点ある埴輪囲と切妻屋根の埴輪家は、それぞれが組になる。そのうち埴輪家1点の床には槽・樋状の、2点の内部には井戸状の表現があり、前者は谷から引いた水を清める導水施設を、後者はその水を汲み取る湧水施設とみられる。これらの埴輪は、板塀などの遮蔽施設に囲まれた祭祀場を模したものと考えられ、古墳時代に各地で行われた水に関わる祭祀を復元するうえで、欠かせない遺例となっている。
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詳細解説
宝塚一号墳は、墳丘全長111mの前方後円墳で、古墳時代中期前葉(5世紀前葉頃)の築造と推定されている。墳丘は三段築成で、前方部北側に島状の造り出しを設けている。 国宝指定されるのは、平成18年に重要文化財に指定された埴輪のうち、学術的に特に重要な船一点、囲三点、家四点であり、附として埴輪残欠262点および土器・土製品8点が加わる。 埴輪船は、造り出しと墳丘を繋ぐ土橋の西側、溝中から原位置を保って出土し、船首を土橋方向に向けて置かれていた。全長140cm、高さ94cmを測るきわめて大形の埴輪船で、9割以上が残る遺存状態も特筆される。楕円筒形の器台は二基あり、船体とは別造りとなる唯一の例である。船全体の姿は、船首・船尾の前面に竪板が取り付けられ、舷側板の先端はほぼ垂直に屹立する。船内には四枚の隔壁が設けられ、両側の舷側板を挟むように嵌め込まれている。また、船体の両側中央には櫂孔が3カ所ずつ表現される。このように造形性、写実性に優れかつ遺存状態の良い本埴輪船は、古墳時代における準構造船の構造や全形を知るうえで欠くことができない。さらに、心葉形をした四枚の隔壁には鰭飾りが付き、線刻による文様と二段の方形透孔が空けられる。加えて、船内には威儀具とみられる大刀、威杖、蓋を象った別造りの四本の立飾りを立てる。船内を飾り立て威儀具を備えた姿は、首長の権威を象徴する造形や装飾と考えられ、他に例がない。 埴輪囲3点および切妻造りの埴輪家3点はそれぞれが組になり、造り出しを挟んだ東西の位置に置かれていた。そのうち一組には家の内部に水を引き入れ清める槽・樋状の、二組には家の内部に井戸状の表現がある。前者は導水施設、後者は湧水施設とみられ、水に関わる祭祀施設を模したと考えられる。入母屋造りの埴輪家1点は、遺存状態も良好であり、傍に置かれた埴輪船と関係性を有する可能性が高い。 附とした埴輪残欠には蓋・船・家・柵・盾・鳥・甲冑(短甲・草摺)・冠帽・高坏・靫・二重口縁壺・鍔付きの壺・朝顔形円筒・円筒が含まれ、土器・土製品には小形丸底壺と小形模造品がある。 本埴輪は、造形性・写実性・装飾性に優れた遺存状態の良い大形の埴輪船を筆頭に、水に関わる祭祀施設を具体的に表現した埴輪を含む。古墳時代における準構造船の具体像を表すだけでなく、葬送儀礼や埴輪祭祀を考えるうえでも学術的にきわめて重要である。
関連情報
附指定
埴輪残欠
土器・土製品
関連情報
一つ書
船
囲
家
関連情報
附指定
附名称
:
埴輪残欠
附員数
:
262点
附ト書
:
関連情報
附指定
附名称
:
土器・土製品
附員数
:
8点
附ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
船
一つ書員数
:
1点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
囲
一つ書員数
:
3点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
家
一つ書員数
:
4点
ト書
: