国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
木造阿弥陀如来及両脇侍像龕
ふりがな
:
もくぞうあみだにょらいおよびりょうきょうじぞうがん
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員数
:
1基
種別
:
彫刻
国
:
時代
:
平安
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
3542
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2007.06.08(平成19.06.08)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
神奈川県
所在地
:
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-1
保管施設の名称
:
鎌倉国宝館
所有者名
:
英勝寺
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
檀龕仏とよばれる、白檀のブロックを穿って像を彫残す携行用仏龕の、日本製作になる一例。厚みのある体軀や重厚な表情に平安中期の特色がみられる。荘厳具を透彫で表すなど細技を尽くし、しかも各部の把握に狂いがなく、当代彫檀技術の成熟ぶりを示している。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
檀龕仏とよばれる、白檀のブロックを穿って像を彫残す携行用仏龕の、日本製作になる一例。厚みのある体軀や重厚な表情に平安中期の特色がみられる。荘厳具を透彫で表すなど細技を尽くし、しかも各部の把握に狂いがなく、当代彫檀技術の成熟ぶりを示している。
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詳細解説
四角い白檀材を穿って龕を開き、内部に阿弥陀三尊像を彫り残す檀龕仏【だんがんぶつ】の一例である。中尊阿弥陀如来はいわゆる宝冠阿弥陀であるが、条帛を掛ける服制が珍しく、その図像的性格は明らかにされていない。 中尊は肩が張り胸の厚い堂々とした躰型を示し、下膨れの顔の輪郭やそこに刻まれた伏せ目で唇の厚い目鼻立ち、左右に張った耳朶などに一〇世紀彫刻の特色が示されている。各像が戴く上すぼまりの筒形宝冠や、光背周縁部の巴唐草と火焔を組み合わせる意匠にも同様のことがいえる。ただし両脇侍の裙の正面上端中央に三角形の折り返しをあらわすのは一一世紀になり一般的となる形式であり、その製作年代は一〇世紀末から一一世紀にかかるころに置くのが妥当であろう。三尊とも頭部は丸彫とし、躰部も背中の中央を残してほぼ全容を彫出し、両脇侍の天衣遊離部を共彫とするのはもちろん、光背周縁部や台座格狭間【こうざま】を透彫であらわす技術は見事で、しかも彫刻としての立体把握に崩れがなく、この時代の彫檀技術がかかる高水準にあったことに驚かされる。なお広島・耕三寺の阿弥陀浄土刻出龕(重要文化財)は中尊が本例と図像を同じくするのみならず、衣文の刻み方や装厳具の形式が共通することが注目される。 檀龕仏はすでに奈良時代後期にその製作例が記録上知られ、平安時代には貴人の念持仏として造られ法会や私的礼拝に用いられた。本例は平安貴族趣味の洗練によって育まれた細密技法の練達のさまをよく示す和製檀龕仏の優品として重要である。