国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財（美術工芸品）
主情報
名称
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木造愛染明王坐像
ふりがな
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もくぞうあいぜんみょうおうざぞう
木造愛染明王坐像
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員数
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1躯
種別
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彫刻
国
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時代
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鎌倉
年代
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西暦
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作者
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寸法・重量
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品質・形状
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ト書
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像内に合子入木造愛染明王坐像を納める
画賛・奥書・銘文等
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伝来・その他参考となるべき事項
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指定番号（登録番号）
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3589
枝番
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0
国宝・重文区分
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重要文化財
重文指定年月日
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2012.09.06(平成24.09.06)
国宝指定年月日
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追加年月日
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所在都道府県
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愛知県
所在地
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保管施設の名称
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所有者名
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甚目寺
管理団体・管理責任者名
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木造愛染明王坐像
解説文：
詳細解説
弘安7年（１２８４）の文書より東密岩蔵流の祖・良胤の弟子が師の等身大に造ったことが判明する。像内胸部に合子入の白檀（か）製の愛染明王像を籠めるほか、左手第三手掌内に鉱物製の珠を籠め、像内を白く塗るなど様々な特色ある工作を施す点が注目される。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
木造愛染明王坐像
写真一覧
木造愛染明王坐像
解説文
弘安7年（１２８４）の文書より東密岩蔵流の祖・良胤の弟子が師の等身大に造ったことが判明する。像内胸部に合子入の白檀（か）製の愛染明王像を籠めるほか、左手第三手掌内に鉱物製の珠を籠め、像内を白く塗るなど様々な特色ある工作を施す点が注目される。
詳細解説▶
詳細解説
甚目寺【じもくじ】三重塔の本尊で、『性海寺【しょうかいじ】文書』に本像とみられる「甚目寺愛染王」に関する弘安七年（一二八四）の文書（『浄胤寄進状』）があり、それによれば性海寺（稲沢市）二世浄胤が、自らと先師（性海寺を中興した良敏）が岩藏上人つまり良胤【りょういん】より受けた恩徳を思い、同人の等身像として本像を造立した。良胤は醍醐金剛王院流および三宝院流を汲む岩藏派の祖で、亀山・後宇多天皇の帰依を受けてたびたび修行を行い、正応四年（一二九一）に没した。 最近の解体修理で、像内胸部につくり出した棚に木製合子【ごうす】を、蓋を前にして立てて固定していることが知られた。合子の身の内部には白檀（か）愛染小像が、蓋には宝瓶が取り付けられる。合子の納置の形式は平安後期以来の心月輪【しんがちりん】のそれを襲っている。像内には愛染の真実の身色ともいう白色が塗られる。 愛染小像は『瑜祇経【ゆぎきょう】』に造像規定のある五指量愛染、つまり指五本分の幅を高さとして造った像である。宝瓶の左右には錦囊【きんのう】各一を貼り付ける。エックス線透過撮影で宝瓶中心に舎利（か）、錦囊にも不透過の物質が納入されていることが判明しており、合子が舎利あるいはそれと同体とされる宝珠を愛染と並置して行う如法愛染法の本尊として性格づけされていることがうかがえる。 本躰左第三手の拳の中に珠状のものが籠められていることもエックス線写真により知られる。『瑜祇経』に「彼【か】を持つ」とのみ記されるこの手の持物をめぐっては事相家によりさまざまな解釈が試みられ、日輪や如意宝珠、人間の生命を司る根本物質とされる「人黄」などを持たせることが行われた。本像の掌中の品もそれらのいずれかと想像される。一方、納入小像の左第三手は、紙を丸めて赤く塗ったものを掌の間に差込んであり、これは空海作とされ高雄にあり後に宇治に移された後指量愛染像の「人黄」を持つというこの手についての諸書の記述と、手先の向きを含め形が一致する（『覚禅鈔』『愛持日』ほか）。 檜材の寄木造で、頭躰幹部を通して前後二材より造るが、製作途中で胸から腰にかけての側面を割離し、マチ材を挟み胴部を太くしている。肉付けに弛緩も感じられるものの作技は堅実で、太く勢いのある脚部の衣文などからみれば慶派系統の仏師の作かと考えられる。製作年代は弘安七年をやや遡るころであろう。 当代の愛染信仰とその造像をうかがう上で重要で、像内納入品史上においても注目される作例である。
