国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
銅造観音菩薩立像
ふりがな
:
どうぞうかんのんぼさつりゅうぞう
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員数
:
1躯
種別
:
彫刻
国
:
時代
:
飛鳥
年代
:
壬寅
西暦
:
702
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
台座框に壬寅年の刻銘がある
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
3595
枝番
:
0
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2012.09.06(平成24.09.06)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
大分県
所在地
:
大分県中津市1290番地
保管施設の名称
:
中津市歴史博物館
所有者名
:
長谷寺
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
坐化仏を戴く観音像で、台座框の刻銘から壬寅の年に周防凡直百背の母が亡くなったことにより誓願して造られたことが知られる。翻転する天衣の装飾的な表現等、作風・形式に中国隋代彫刻からの影響がみられることから、壬寅年は大宝2年(702)にあてられる。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
坐化仏を戴く観音像で、台座框の刻銘から壬寅の年に周防凡直百背の母が亡くなったことにより誓願して造られたことが知られる。翻転する天衣の装飾的な表現等、作風・形式に中国隋代彫刻からの影響がみられることから、壬寅年は大宝2年(702)にあてられる。
詳細解説▶
詳細解説
像高一尺の金剛仏で、頭頂より台座まで通して一鋳【いっちゅう】し、腹部や躰側の珠に穿たれた孔には別製の瓔珞を取付けていたものとみられる。台座丸框【まるがまち】の側面一周に銘が刻まれ、それにより造像事情が知られる。すなわち「壬歳次攝提格林鐘拾伍日」に周防国凡直百背によって母の菩提を弔うため観音菩薩として製作されたという。攝提格【せっていかく】は寅の異名、林鐘は六月の異名で、壬寅年の六月十五日ということになる。凡直百背なる人物は詳らかではないものの、周防国の豪族かとみられる。 その像容は三面頭飾付きの宝冠を被り、裙、天衣、胸飾を各著け、左手に水瓶を執り、右手屈臂して掌を正面に向けて、蓮華座上に立つ。本像に近似する作風を示す像として大分・柞原【ゆすはら】八幡宮如来像(重要文化財)が注目される。眼の表現、図式的な耳、反花以下の台座形式、鋳造法等の製作技法に顕著な共通点が見出せ、同一環境における政策を思わせる。ただし柞原八幡宮像が四角張った顔の輪郭、全体に安定感・塊量感のある体軀の表現に北周様式をとどめるのに対し、本像は頬の締まった丸顔で、上半身を後方に引き腹をやや前に出し左膝を緩めて立つ軽やかで柔軟な表現となっている。幾度も翻転する天衣等の装飾的な表現には、隋代の彫刻の影響が濃厚にみられることから、本像は柞原八幡宮像より時代が下るものとみられる。銘文の壬寅の年は大宝二年(七〇二)にあてるのが妥当であろう。 台座框の側面に縦書で銘を刻む形式は島根・鰐淵寺観音菩薩像(重要文化財)にもみられ、同像は銘文より壬辰年(六九二)に出雲国の若倭部臣徳太理【わかやまとべのおみとくたり】が造立したことが知られる。製作年と発願者が判明する地方作の像という点で長谷寺像と同様ながら、鰐淵寺像が隋代彫刻の影響を受けつつも未消化の部分を残すのに対し、長谷寺像ではよりこなれた表現となっている。数少ない飛鳥時代末期在銘金剛仏の優品としてのみならず、柞原八幡宮像と併せて当代の地方工人の外来新様式受容のさまをうかがうことのできる好例として評価される。