国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
絹本著色阿弥陀聖衆来迎図
ふりがな
:
けんぽんちゃくしょくあみだしょうじゅらいごうず
絹本著色阿弥陀聖衆来迎図
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員数
:
1幅
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
鎌倉
年代
:
14世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
縦173.6cm 横107.2cm
品質・形状
:
絹本著色 掛幅装
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2054
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2013.06.19(平成25.06.19)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
長野県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
大本山善光寺大本願
管理団体・管理責任者名
:
絹本著色阿弥陀聖衆来迎図
解説文:
詳細解説
中央に正面向きの阿弥陀如来立像を表し、その手前の左右に観音・勢至両菩薩、さらにその周囲に25体の聖衆を描く。
画面上部には山の端に日輪が、画面手前では蓮池などが描かれ、各所に草花や水鳥が配されており、やまと絵景物画としても見所がある。
正面向きの聖衆来迎図は珍しく、鎌倉時代後期にさかのぼる本格的な来迎図の遺例として貴重である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
絹本著色阿弥陀聖衆来迎図
写真一覧
絹本著色阿弥陀聖衆来迎図
解説文
中央に正面向きの阿弥陀如来立像を表し、その手前の左右に観音・勢至両菩薩、さらにその周囲に25体の聖衆を描く。 画面上部には山の端に日輪が、画面手前では蓮池などが描かれ、各所に草花や水鳥が配されており、やまと絵景物画としても見所がある。 正面向きの聖衆来迎図は珍しく、鎌倉時代後期にさかのぼる本格的な来迎図の遺例として貴重である。
詳細解説▶
詳細解説
本図は阿弥陀三尊および二十五菩薩の来迎を華麗な山水景観中に正面向き立像の姿であらわしている。 わが国においては、平安時代末ころから阿弥陀に伴う聖衆を『十往生阿弥陀仏国経』に説かれる二十五体とする意識の萌芽が認められ、法然の法弟・証空(一一七七~一二四七)周辺において山水景観中に立像斜め向きの阿弥陀二十五菩薩来迎を描く形式が確立したものとみられる。そのような中で本図のような正面向きの図像は珍しく、鎌倉時代に遡る作例は、滋賀・浄厳院本や浄土図と組み合わせた常光院本等が知られるにとどまる。 さらに本図のように正面向き立像の阿弥陀如来を中心として日輪、池水、樹木、鴛鴦等の景物をあらわすことは『観無量寿経』に説かれる十六観想を想起させるものであり、その大型であることと併せて、本図の用途について興味がもたれる。 本図の尊像配置は「絹本著色阿弥陀三尊二十五菩薩来迎図」(重要文化財、京都・浄福寺)等に近く、また、尊像の彩色や銀泥による雲の表現は、「絹本著色四十九化仏弥陀来迎図」(重要文化財、京都・光明寺)等を思わせ、鎌倉時代後期の様式を示す。さらに山水表現における、金銀泥を併用した描法は、「紙本著色法然上人絵伝」(国宝、京都・知恩院)巻八第五段のそれに相近い趣きを示している。以上のことは、本図が鎌倉時代末に京都の浄土宗寺院周辺で制作されたことを想像させよう。 なお、善光寺大本願は、伝承では正治元年(一一九九)法然の善光寺参詣の折に第六五代智誓上人が浄土宗に改宗して以降浄土宗に属するとされる。善光寺は度重なる火災に見舞われており、本図の制作背景、また大本願への伝来時期については明らかにしがたいが、本図は、鎌倉時代後半の来迎図の諸特徴を示しつつ、大画面に正面向き立像の阿弥陀如来を中心とした聖衆来迎をあらわす点で特異であり、剝落等により当初の尊容を損ねていることは惜しまれるが、的確な筆技と緻密な彩色技法など当代一流の水準を伝える来迎図の大作として貴重である。