国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財（美術工芸品）
主情報
名称
：
絹本著色夢窓疎石像
絹本著色無極志玄像
ふりがな
：
けんぽんちゃくしょくむそうそせきぞう
けんぽんちゃくしょくむきょくしげんぞう
絹本著色夢窓疎石像
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員数
：
1幅
1幅
種別
：
絵画
国
：
日本
時代
：
南北朝
年代
：
14世紀
西暦
：
作者
：
寸法・重量
：
夢窓疎石 縦１１２．３ｃｍ 横５６．３ｃｍ
無極志玄 縦１１５．３ｃｍ 横６１．１ｃｍ
品質・形状
：
絹本著色 掛幅装
ト書
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（夢窓疎石）観応二年八月の自賛がある
（無極志玄）延文四年二月十六日の自賛（空谷明応筆）がある
画賛・奥書・銘文等
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伝来・その他参考となるべき事項
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指定番号（登録番号）
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2065
枝番
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国宝・重文区分
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重要文化財
重文指定年月日
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2014.08.21(平成26.08.21)
国宝指定年月日
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追加年月日
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所在都道府県
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奈良県
所在地
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保管施設の名称
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所有者名
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宗教法人慈済院
管理団体・管理責任者名
：
絹本著色夢窓疎石像
解説文：
詳細解説
夢窓疎石（１２７５～１３５１）の最晩年の自賛を伴う半身頂相と、夢窓の法を嗣いで天龍寺二世、慈済院開山となった無極志玄（１２８２～１３５９）の半身像。両図は、画像の規模、半身という図様形式、賛の文言、伝法衣の描写など、師弟間の法の授受を明確に表示しており、このような禅宗における肖像画（頂相）が担う文化史的意義をよく示す作例として貴重である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
絹本著色夢窓疎石像
絹本著色無極志玄像
写真一覧
絹本著色夢窓疎石像
写真一覧
絹本著色無極志玄像
解説文
夢窓疎石（１２７５～１３５１）の最晩年の自賛を伴う半身頂相と、夢窓の法を嗣いで天龍寺二世、慈済院開山となった無極志玄（１２８２～１３５９）の半身像。両図は、画像の規模、半身という図様形式、賛の文言、伝法衣の描写など、師弟間の法の授受を明確に表示しており、このような禅宗における肖像画（頂相）が担う文化史的意義をよく示す作例として貴重である。
詳細解説▶
詳細解説
無極志玄（一二八二～一三五九）は、順徳天皇四世の孫で四辻氏出身。円覚寺で夢窓疎石（一二七五～一三五一）にまみえ師弟関係が始まる。夢窓は師の高峰顕日が無学祖元から直接書き与えられた「鎖口訣」を譲り受け所持していたが、これを無極に授与した。夢窓が天龍寺を退く際には無極にその席を譲り、高峰の襯衫を田相、無学の直綴を条葉とし、加えて無凖師範所用の環を用いて作製した袈裟、すなわち「七処説法の衣」を無極に授けた。 慈済院に伝わる夢窓と無極の頂相はいずれもほぼ等身大の半身像で、それぞれの入寂直前に描かれた。一般に夢窓派の頂相には半身像が多い。『夢窓国師年譜』には永仁元年（一二九三）一九歳の夢窓が仏前で百日懺悔を行い満願三日前の晩に見た夢として、人に導かれて疎山、石頭の両禅寺に参詣し、長老から達磨半身の画像を授けられ、これが機縁となり自ら「疎石」を名としたという話を伝えている。また夢窓は自身の半身像へ「脚跟下事」で始まる句を繰り返し着賛する。慈済院本夢窓像の自賛は入寂一か月前の筆で、無極に付与された。「脚跟下事」の課題は無極像の賛にも継承され、その自賛は没後に弟子の空谷明応（一三二八～一四〇七）が代書したものだが、自らの道号「無極」の語を用いて脚跟下事の提要につきしっかりと理解することを求めている。 夢窓像に描かれる袈裟は、田相、条葉とも花折枝と四葉花を交互に配する意匠であり、これは天龍寺所蔵の暦応三年自賛全身像と八角鐶をも含めて共通し、高峰所用とされ鹿王院に伝わる九条袈裟の意匠と一致し、高峰から夢窓へ伝授された袈裟であったと想像される。また無極像に見る袈裟は、田相を薄茶の四ッ菱入り菱繋ぎ菊花文、条葉は黒地に雲龍丸文をあしらうが、この田相の意匠は慈済院に現存する無極所用と伝える九条袈裟の綾と同一で、これがいわゆる「七処説法の衣」として夢窓から授けられた由緒ある袈裟である。 夢窓像の描写は、無等周位による妙智院本の理知的な表情と比べ一種の理想化がうかがえるが、皴に沿って施される暈法などに無等とは別種の特徴が認められる。描写力の面では妙智院本はより優れた一本だが、妙智院本に描く袈裟は極めて簡素で、着賛の経緯等も不明である。慈済院の両本は、半身という図様形式、画像の規模、着賛の文言、伝法衣の描写などに夢窓派の伝法観が表れており、頂相が担う文化史的意義をよく示す例として高く評価できる。
