国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
木造金剛力士立像 康成作/(所在二王門)
ふりがな
:
もくぞうこんごうりきしりゅうぞう こうせいさく/しょざいにおうもん
木造金剛力士立像 康成作/(所在二王門)
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員数
:
2躯
種別
:
彫刻
国
:
時代
:
南北朝
年代
:
延元4
西暦
:
1339
作者
:
康成
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
各像内に大仏師法橋康成、阿形像内に延元三年十二月、吽形像内に同四年十一月の銘がある
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
03613
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2014.08.21(平成26.08.21)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
金峯山寺
管理団体・管理責任者名
:
木造金剛力士立像 康成作/(所在二王門)
解説文:
詳細解説
二王門(国宝)に安置される金剛力士像で、像内銘より延元3年(1338)から翌年にかけて南都大仏師康成によって造られたことが知られる。東大寺南大門像(国宝)に次ぐ大きさで、近世まで大作を多く手がけた奈良仏師の巨像制作の技倆をよく示す作例である。像内納入品は木造五輪塔、地蔵菩薩及び多宝塔印仏、こけら経等からなる。こけら経は他に例を見ない膨大な分量で、地蔵印仏は当代の遺品中優れた出来映えを示す。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
添付ファイル
なし
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木造金剛力士立像 康成作/(所在二王門)
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木造金剛力士立像 康成作/(所在二王門)
解説文
二王門(国宝)に安置される金剛力士像で、像内銘より延元3年(1338)から翌年にかけて南都大仏師康成によって造られたことが知られる。東大寺南大門像(国宝)に次ぐ大きさで、近世まで大作を多く手がけた奈良仏師の巨像制作の技倆をよく示す作例である。像内納入品は木造五輪塔、地蔵菩薩及び多宝塔印仏、こけら経等からなる。こけら経は他に例を見ない膨大な分量で、地蔵印仏は当代の遺品中優れた出来映えを示す。
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詳細解説
金峯山寺二王門(国宝)に安置される金剛力士の巨像である。門に向かって右に阿形像、左に吽形像が配置される。構造は杉の太い角材を縦に並べ、貫【ぬき】を用いて箱組式に組む木寄せを行い、材を効率的に用いて巨像を堅固に組み上げている。 像内に確認された銘記から製作年代等の造像事情が知られる。すなわち阿形には延元三年(一三三八)十二月十九日、吽形には翌年十一月二十五日の日付、両像に證誠法印正久、学頭長勝・宗遍、大勧進大円、大施主多田宗貞、大仏師康成、大工清原国弘等の造像関係者の名が記されている。 大仏師康成は南都大仏師康俊【こうしゅん】の子で、父を継いで南北朝期に入り活動が知られ、興福寺の近く、高天【たかま】(高間)の地に仏所を構えていたとみられる。康俊が嘉暦年間(一三二六~二九)に製作した兵庫満願寺の金剛力士像は体勢のみならず、こめかみの瘤状の盛り上がり表現、衣文のさばき方に至るまで類似している。満願寺像は旧多田院の山門に安置されていたことが知られるが、本像の大施主である多田入道宗貞は多田院に縁のある多田源氏の流れを汲む人物であるとみられることが注意される。同人は南朝より綸旨【りんじ】を受けて陸奥国田村・石川郡の奉行に任じられていることから南朝方の将であることが知られるが、南朝関係の造像としてこれに先立ち元亨四年(一三二四)後醍醐天皇護持僧・文観【もんかん】の発願になる般若寺像を康俊・康成が手がけている。さらに康成の作風を示す観心寺不動明王像(重要文化財)は本像とほぼ同時期に後醍醐天皇が吉野御所で造らせたことが知られる(『観心寺参詣諸堂巡礼記』)。 貞和五年(正平四年、一三四九)に、前年に焼失した金峯山寺蔵王堂蔵王権現像の一体を再興した「高間仏師」は康成とみて誤りなく、その製作には本像にみられるような巨像製作の手腕が発揮されたと思われる。この後奈良仏師は雲居寺八丈阿弥陀如来像(永亨十一年〈一四三九〉)等、巨像の製作にしばしば携わり、本像はこうした彼らの巨像製作の起点となる重要作例として位置づけられる。 表面彩色は両像の髻下面銘にある康正二年(一四五六)の修理の際に施されたものとみられるが、当初の部材がほぼ残存しており保存状態は極めて良好といえる。東大寺南大門像(国宝)に次ぐ丈六【じょうろく】の大像を、まとまりのよい造形に仕上げた康成の技量は高く評価され、当代の記念碑的大作として推賞されよう。 附指定の像内納入品は木造五輪塔、大般若経、印仏、柿経【こけらきょう】等からなる。印仏は解体された二巻のうち一巻分は料紙の両面に地蔵菩薩を三段に捺したもので一部に日数と体数を示すかとみられる墨書がみられ、一日六体を捺したことがわかる。もう一巻分は地蔵菩薩のみのものと地蔵・多宝塔のものからなり、一部に像数と塔の数と「百ヶ日」「初七日」「二七日」等の墨書がみられる。柿経はこの種の遺例としてはほかに例をみない膨大な分量である。納入品間の関係については不詳のところが多いものの、納入品の内容の豊富さは当代の像内納入の風習を考える上でも貴重といえよう。
関連情報
附指定
附 像内納入品
関連情報
一つ書
附 一、木造五輪塔
附 一、大般若経
附 一、地蔵菩薩印仏包紙添
附 一、地蔵菩薩印仏/地蔵菩薩及多宝塔印仏
附 一、印仏残欠
附 一、墨書紙片
附 一、〓経(残欠共)
関連情報
附指定
附名称
:
附 像内納入品
附員数
:
附ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、木造五輪塔
一つ書員数
:
1基
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、大般若経
一つ書員数
:
4巻
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、地蔵菩薩印仏包紙添
一つ書員数
:
152通
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、地蔵菩薩印仏/地蔵菩薩及多宝塔印仏
一つ書員数
:
30通/34通
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、印仏残欠
一つ書員数
:
一括
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、墨書紙片
一つ書員数
:
1枚
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、〓経(残欠共)
一つ書員数
:
2束、580枚
ト書
: