国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
絹本著色鳥羽天皇像
ふりがな
:
けんぽんちゃくしょくとばてんのうぞう
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員数
:
1幅
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
南北朝
年代
:
14世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
縦173.8cm 横127.7cm
品質・形状
:
絹本著色 掛幅装 画絹一副一鋪
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2068
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2015.09.04(平成27.09.04)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
宗教法人新義真言宗総本山根来寺
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
平安時代後期の鳥羽天皇の姿をほぼ等身大に描いた、南北朝時代を代表する肖像画の優品である。本図が伝来した根来寺では、鎌倉時代後期から室町時代末にかけて伽藍の整備が順次進行し、その最中に開基であった鳥羽天皇の画像が制作されたものと考えられる。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
平安時代後期の鳥羽天皇の姿をほぼ等身大に描いた、南北朝時代を代表する肖像画の優品である。本図が伝来した根来寺では、鎌倉時代後期から室町時代末にかけて伽藍の整備が順次進行し、その最中に開基であった鳥羽天皇の画像が制作されたものと考えられる。
詳細解説▶
詳細解説
一副一鋪の料絹に、白地の直衣指貫の強装束を着け(文様は銀と確認)、冠を被り右手に檜扇を執り、高麗縁の上畳上に坐る鳥羽天皇(一一〇三~五六)の姿をほぼ等身大に描く。根来寺は覚鑁(一〇九五~一一四三)の臨終の地であり、鳥羽天皇は覚鑁が高野山上に大伝法院を創建する際にその開基となり御願寺とした。そのため天皇崩御後は例年大法伝院で御国忌の法要として大曼荼羅供が修せられ、根来寺においても南北朝期までそれは継続された。鎌倉末期から南北朝期の根来寺は、大伝法院を高野山から移転し、この地で本格的に覚鑁の教学を継承しようと努めた時期である。かような根来寺で鳥羽天皇画像が制作され奉懸されることは自然なことであろう。図様は既指定の和歌山・満願寺所蔵の「鳥羽天皇像」とはまったく一致し、一副一鋪であることを含め料絹の組成も満願寺本と共通する。すなわち両者には強い規範性を持った交通の祖本があったと想像される。また本図の画相部の表現は、例えば京都・大徳寺所蔵の後醍醐天皇像などの南北朝期の作品に認められる特徴と同工である。本図は等身大に描かれる中性俗人肖像画の優品として貴重であり、画像の制作や奉懸の在り方を考察する上でも重要な作例である。 なお、旧表褙墨書より、覚鑁四〇〇年忌の翌年にあたる天文十二年(一五四三)に修理が施されていることがわかる。