国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
紙本著色病草紙断簡
ふりがな
:
しほんちゃくしょくやまいのそうしだんかん
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員数
:
3幅1枚
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
鎌倉
年代
:
12世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
〈頭のあがらない乞食法師〉縦26.0cm 横38.0cm
〈侏儒〉縦26.3cm 横40.7cm
〈屎を吐く男〉縦26.4cm 横33.7cm
〈痣のある女〉縦25.9cm 横45.3cm
品質・形状
:
〈頭のあがらない乞食法師〉紙本著色 掛幅装 詞二紙 絵一紙
〈侏儒〉紙本著色 掛幅装 詞一紙 絵一紙
〈屎を吐く男〉紙本著色 掛幅装 詞一紙 絵一紙
〈痣のある女〉紙本著色 台紙貼 詞一紙 絵一紙
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2070
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2015.09.04(平成27.09.04)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
福岡県
所在地
:
福岡県太宰府市石坂4丁目7−2
保管施設の名称
:
九州国立博物館
所有者名
:
独立行政法人国立文化財機構
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
国宝「病草紙」(京都国立博物館)と一連の絵巻の断簡で、当時病気と考えられたさまざまな症状を描く。六道思想に基づき、日常生活の場も地獄の一部と考えられたことを示す。平安時代末から鎌倉時代初期にかけての時期を代表するやまと絵の作例である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
国宝「病草紙」(京都国立博物館)と一連の絵巻の断簡で、当時病気と考えられたさまざまな症状を描く。六道思想に基づき、日常生活の場も地獄の一部と考えられたことを示す。平安時代末から鎌倉時代初期にかけての時期を代表するやまと絵の作例である。
詳細解説▶
詳細解説
病草紙は、「地獄草紙」「餓鬼草紙」「辟邪絵」などと併せて六道絵を構成すると考えられるが、これら一群の絵巻制作には後白河法皇の関与が想定され、当時の宮廷画家常盤光長の画風を伝えるものとして重要視される。九州国立博物館(以下「九博」という。)が近年取得した病草紙断簡四図はいずれも、国宝「病草紙」(京都国立博物館蔵)九段などともに、愛知・関戸家に伝来した一巻の絵巻に含まれていたもので、昭和初年に各段に分離され巷間にあった。一連の病草紙には多様な作風が混在するが、九博本各図も個々に特長が認められる。「屎を吐く男」や「侏儒」は描線の抑揚の効果や対象に肉薄する力強さが特徴づけられ、また「痣のある女」は細く均質な描線による引目鉤鼻の手法で微妙な感情表現に成功している。「頭の上がらない乞食法師」は簡略化された粗放な描写を示し、先行作品から転写された図様ではないかとも指摘される。また病草紙各図の図様典拠に関して近年、般若流支訳『正法念処経』が注目されたが、九博本でも同経の記載が参考となる図様を複数含む点は興味深い。本作品は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての数少ない本格的やまと絵作品として極めて貴重であり、九博でそれぞれ異なる特長を持つ四図を収蔵したことは今後の病草紙研究に大きな意義を有すると言える。