国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
紙本金地著色江戸名所風俗図〈/八曲屏風〉
ふりがな
:
しほんきんじちゃくしょくえどめいしょふうぞくず〈/はっきょくびょうぶ〉
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員数
:
一双
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
江戸
年代
:
17世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
(各)縦106.9cm 横487.4cm
品質・形状
:
(各)紙本金地著色 屏風装 各扇紙継四枚(右隻上から28.1、33.8、33.8、11.2センチメートル 左隻上から28.5、34.1、34.1、33.8、30.6センチメートル)
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2072
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2015.09.04(平成27.09.04)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
東京都
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
公益財団法人出光美術館
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
江戸市中を東側からとらえ、その中に人々の生活や活動の様を濃密に描き込んだ作例で、おおむね寛永末年(1644)以後、明暦3年(1657)以前の景観が描かれる。江戸市中を総体的に描く作例は類例が少なく、本図はその初期作例と位置付けられる。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
江戸市中を東側からとらえ、その中に人々の生活や活動の様を濃密に描き込んだ作例で、おおむね寛永末年(1644)以後、明暦3年(1657)以前の景観が描かれる。江戸市中を総体的に描く作例は類例が少なく、本図はその初期作例と位置付けられる。
詳細解説▶
詳細解説
本作は、明暦三年(一六五七)の大火以前の江戸の景観を八曲一双の画面に描いたものである。画面右を北、左を南とし、東の海側から西に向かって市中を眺め、両隻を単一の視点で捉えて一つの連続した画面として描く。右隻は、当時江戸市外の代表的名所であった浅草のほか、寛永寺、上野東照宮、湯島天神、神田明神などを描き、吉原や日本橋の雑踏により江戸の庶民生活の充実した雰囲気を画面に表す。左隻は、江戸城天守や、愛宕社、増上寺などが背景に並び、手前に日本橋から新橋付近に至る町の活況を描く。とりわけ大きく描かれるのが、木挽町辺りと推測される場所での湯屋や歌舞伎・浄瑠璃の芝居小屋と、その周囲の水辺での賑やかな船遊びの情景である。これらの場面は、左隻の大きな眼目であると考えられ、その活き活きとした描写は、風俗絵画として高く評価される。 なお、浅草寺前の三十三間堂は、建立が寛永十九年(一六四二)、通し矢の開始が寛永二十年とされ、本作の建物の景観としては最も新しい。しかし、浅草寺には寛永十九年に常設ではなくなる常舞台が描かれており、全体をある統一した時制の元に描いているわけではない。少なくとも寛永二十年以降に、複数の時点の景観を再構成して描いたものと考えられる。 いずれにせよ、明暦大火以前の江戸を描いた屏風は少なく、新興都市江戸の庶民風俗を余すところなく活写した本作は、近世初期都市風俗図の異色ある作例として極めて貴重である。