国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
紙本著色酒伝童子絵巻〈狩野元信筆/〉
ふりがな
:
しほんちゃくしょくしゅてんどうじえまき〈かのうもとのぶひつ/〉
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員数
:
3巻
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
室町
年代
:
16世紀
西暦
:
作者
:
狩野元信
寸法・重量
:
〈上巻〉縦33.0cm 長1690.0cm
〈中巻〉縦33.0cm 長2016.7cm
〈下巻〉縦33.0cm 長2626.9cm
品質・形状
:
(各)紙本著色 巻子装
〈上巻〉詞八段 絵八段 本紙紙継二十六枚 奥書一枚
〈中巻〉詞十段 絵十段 本紙紙継二十七枚 奥書一枚
〈下巻〉詞十二段 絵十一段 本紙紙継三十六枚 奥書一枚 修復銘一枚
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2073
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2015.09.04(平成27.09.04)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
東京都
所在地
:
東京都港区赤坂9-7-4
保管施設の名称
:
サントリー美術館
所有者名
:
公益財団法人サントリー芸術財団
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
源頼光による伊吹山の鬼退治の説話を三巻に描く絵巻。小田原北条家から鳥取藩池田家に伝来した。大永二年(1522)から享禄四年(1531)ころにかけての成立で、詞は近衛尚通、公助、尊鎮の分担執筆、絵は狩野元信を含む狩野派一門による共同制作である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
源頼光による伊吹山の鬼退治の説話を三巻に描く絵巻。小田原北条家から鳥取藩池田家に伝来した。大永二年(1522)から享禄四年(1531)ころにかけての成立で、詞は近衛尚通、公助、尊鎮の分担執筆、絵は狩野元信を含む狩野派一門による共同制作である。
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詳細解説
源頼光による伊吹山の鬼退治説話を描く絵巻で、小田原北条家から鳥取藩池田家に伝世した。詞は上巻を近衛尚通、中巻を定法寺公助、下巻を青蓮院尊鎮法親王が執筆し、絵は狩野元信(一四七六~一五五九)を含む狩野派工房による共同制作である。奥書は三条西実隆の筆と伝えるが、検討の余地がある。 本絵巻については尚通や実隆の日記に記載があり、成立に少なくとも大永二年(一五二二)から享禄四年(一五三一)までかかっていることがわかる。その間に発注者の北条氏綱は正室と死別し、尚通の娘を継室に迎える。実隆は本絵巻をその氏綱継室の所持品と認識していた。 絵もやや複雑な様相を呈しているが、上巻第三段以降、中巻末までについては元信が主宰する工房の制作と認められる。上巻第一・二段については元信工房とは異質な様式が認められ、この当時、狩野派内に元信より上の立場の絵師がいて、その絵師が担当したと考えざるとえない。下巻については元信の影響下にはあるものの、元信次世代の絵師が主導している可能性もあり、尊鎮による詞ともども、制作時期は上巻・中巻よりもある程度遅れるものと思われる。 いずれにせよ、本絵巻が元信時代の狩野派工房による著色絵巻の基準的作例であることは間違いない。漢画で鍛えられた強靭な線と形態が、やまと絵風の豊麗な彩色と調和するという、後世「和漢兼帯」と評された狩野元信とその工房の特徴をよく示す、極めて重要な作例である。