国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 臨時全国宝物調査関係資料
ふりがな りんじぜんこくほうもつちょうさかんけいしりょう
臨時全国宝物調査関係資料
写真一覧▶ 地図表示▶ 解説表示▶
員数 一、簿冊類 381 点
一、写真ガラス原板 1484点
一、紙焼付写真 3494点
種別 歴史資料
日本
時代 明治時代
年代 19世紀
西暦
作者
寸法・重量
品質・形状
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 192
枝番
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 2016.08.17(平成28.08.17)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 東京都
所在地 東京都台東区上野公園13-9
保管施設の名称 東京国立博物館
所有者名 独立行政法人国立文化財機構
管理団体・管理責任者名
臨時全国宝物調査関係資料
写真一覧
地図表示
解説文:
本件は、明治21年(1888)に政府が宮内省に臨時全国宝物取調局を設置したことに前後して行われた近畿(畿内)宝物取調をはじめとする取調局が実施した宝物調査事業、および明治30年に同局廃止後帝国博物館(現・東京国立博物館)に事務が移管され、同33年まで継続された宝物鑑査事業に関係する資料群で、宝物目録や宝物台帳を中心とする簿冊類、近畿(畿内)宝物調査に同行した小川一真撮影を主とする写真ガラス原板および紙焼付写真から構成される。
 簿冊類381点のなかで大半を占める「宝物目録」186点は、取調局が府県郡町村を通じて各社寺・個人所有の宝物の目録提出を求め府県等がとりまとめたものである。「精細簿」、「参攷簿」111点は、現地における宝物鑑査の結果を清書した調書の台帳で、調査により評価した等級別に、名称、員数、材質、法量、作者、所有者が記録される。「宝物鑑査願書」12点は宝物を所有する社寺や個人から取調局または帝国博物館に提出された宝物鑑査の申請書である。
 写真ガラス原板1,484点は、明治21年から明治22年にかけて2度にわたり実施された近畿(畿内)宝物取調に同行した玉潤館の小川一真撮影になる四切サイズのゼラチン乾板が大半を占める。小川は多くの宝物を屋内で撮影したが、自然光が十分に取り入れられない場合には閃光を発するマグネシウムランプを使用するなど最新の技術を採用した。
 紙焼付写真3,494点は、府県、種別、等級別にまとめられた絹表紙画帖31冊(976点)、革貼表紙画帖3冊(132点)と、未綴の台紙付写真2,386点から構成され、プラチノタイプが3,476点と大半を占める。写真は、同一被写体に対し複数の構図を用い、特に彫刻では正面のみならず斜側面、側面など、記録性を重視したもので、以後の文化財写真の規範となった。また、写真の一部は『l國華』・『真美大観』等の美術書の図版に使用され、日本美術の普及に大きく貢献した。
 本資料群は明治30年の臨時全国宝物取調局廃止にともない帝国博物館に移管された。取調局設置を契機に展開した宝物調査の実態を知ることができ、今日へと続く文化財保護行政の基礎が構築された過程等を理解する上で学術的価値が高いものである。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書 なし
  添付ファイル なし