国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
紙本著墨画鳥獣人物戯画甲巻断簡
ふりがな
:
しほんぼくがちょうじゅうじんぶつぎがこうかんだんかん
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員数
:
1幅
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
平安時代
年代
:
12世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
縦30.7㎝ 横83.2㎝
品質・形状
:
紙本墨画 掛幅装 絵のみ三紙
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2084
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2017.09.15(平成29.09.15)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
東京都
所在地
:
東京都台東区上野公園13-9
保管施設の名称
:
東京国立博物館
所有者名
:
独立行政法人国立文化財機構
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
国宝「鳥獣人物戯画」(京都・高山寺蔵)
の断簡。比較的早い時期に分断されたも
のと考えられるが、詳細な調査により、甲
巻第16紙の前につながる部分であるこ
とが確認された。擬人化された蛙、狐、猿
が仮装して練り歩くさまが軽妙な筆致で
描かれている。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
国宝「鳥獣人物戯画」(京都・高山寺蔵) の断簡。比較的早い時期に分断されたも のと考えられるが、詳細な調査により、甲 巻第16紙の前につながる部分であるこ とが確認された。擬人化された蛙、狐、猿 が仮装して練り歩くさまが軽妙な筆致で 描かれている。
詳細解説▶
詳細解説
京都・高山寺所蔵の国宝「鳥獣人物戯画」甲巻の断簡と古くから考えられてきた作品。以前から、本断簡左端の点描と甲巻第十六紙にみられる萩の花の表現とが近似していること、また本断簡左端の第三紙と甲巻第十六紙を合わせた寸法が、甲巻の料紙幅の基準寸法と一致することなどから、本断簡は甲巻第十六紙の前に接続するものと推測されてきた。今般の「鳥獣人物戯画」全巻の解体修理に伴い、料紙の詳細な調査を行った結果、本断簡の左端第三紙と甲巻第十六紙が元は一枚の紙であったことが確認され、甲巻第十六紙との接続は確実となった。画面には仮装した動物たちが行進する様が描かれる。画面右下の蛙及び左端の猿と蛙は、それぞれ「年中行事絵巻」住吉家模本の巻十一及び巻十六の祭礼行列中の人物と似た姿に描かれており、本断簡は、祭礼行列を戯画化した場面と推測される。甲巻第十六紙右端の動物たちも、「年中行事絵巻」住吉家模本の祭礼の見物客と類似の表現をみせ、行列の見物客の戯画化と考えられる。したがって、本断簡と甲巻第十六紙の連続性は図様の点からも首肯される。甲巻の紙継ぎには、四種類の「高山寺」印が捺されているが、本断簡には、どの種類の「高山寺」印もみられない。よって、本断簡は甲巻への「高山寺」印捺印以前に切り離されたと考えられる。その時期は不明だが、甲巻の伝来や形状の変遷を考えるうえで興味深い事実である。 以上、本断簡は国宝「鳥獣人物戯画」甲巻の一部であったことが確実な遺品であり、「鳥獣人物戯画」の伝来過程を考察するための資料ともなり、その価値は極めて高い。