国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
絹本著色三十三観音図(明兆筆/)
ふりがな
:
けんぽんちゃくしょくさんじゅうさんかんのんず(みんちょうひつ/)
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員数
:
31幅
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
室町時代
年代
:
応永19年(1492)
西暦
:
1492
作者
:
明兆
寸法・重量
:
第一幅 縦118.6㎝ 横54.9㎝ 他
品質・形状
:
絹本著色 掛幅装 画絹一副一鋪
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2089
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2017.09.15(平成29.09.15)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
宗教法人東福寺
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
観音菩薩が様々に姿を変えてこの世
に現れるさまや、観音が衆生を様々な
苦難から救済するさまを描いた33連
幅。現存31幅のうち2幅の裏面に応永
19年の寄進墨書がある。絵は東福寺の
画僧・明兆の筆で、各幅上部の題目の下
には足利義持の印が捺される。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
観音菩薩が様々に姿を変えてこの世 に現れるさまや、観音が衆生を様々な 苦難から救済するさまを描いた33連 幅。現存31幅のうち2幅の裏面に応永 19年の寄進墨書がある。絵は東福寺の 画僧・明兆の筆で、各幅上部の題目の下 には足利義持の印が捺される。
詳細解説▶
詳細解説
観音菩薩が様々な姿に変化して衆生の前に現れる様を描いた一九図と観音による衆生の救済を描いた一四図の、計三三図からなる連幅である。各画面の上部に書かれた題目には足利義持(一三八六~一四二八)の号である「道詮」の白文方印が添えられる。また、連幅としての最末尾に位置する幅の画面上に「願主善英」とみえ、さらに二幅の裏面に「観音大士像三十三幅善英大徳捨置/恵日山東福寺時應永十九年任辰十一月十八日記之/全英寄附」「應永十九年辰任十一月十八日平安□居住善英大徳寄附/恵日山東福禅寺住持比丘令在記」という、東福寺第八五世月岩令在(?~一四二五)による旧裏書(ないしその写し)が貼り付けられている。 これらのことから、本作は応永十九年に将軍義持の関与のもと、善英を願主とし、観音懺法で東福寺方丈に掛け並べる三三連幅として制作されたものとみなされる(ただし善英については不詳)。 絵師については古くから吉山明兆(一三五二~一四三一)の筆と称されていた。明兆の所属する東福寺の画事であり、様式的にもこの伝承は十分に認められる。画面に大きな欠失がなく、後世の補加筆もほとんどないことは貴重で、明兆の基準的代表作と評価できる。なお、本作は享禄三年(一五三〇)、寺外に流出し、ほどなく諸人の寄付で東福寺に戻された。各幅にはこのときに追記された再寄進銘がある。附の二幅は、正保四年に九条幸家(一五八六~一六六五)が狩野山雪(一五九〇~一六五一)に命じて、その時点で失われていた二幅を新たに補わせたものである。