国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器
ふりがな
:
とくしまけんしんしゃさいくついせきしゅつどせっき
徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
弥生後期~古墳前期
年代
:
1~3世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
674
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2023.06.27(令和5.06.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
徳島県
所在地
:
徳島県徳島市八万町向寺山・
徳島県板野郡板野町大字犬伏字平山86-2
保管施設の名称
:
徳島県立博物館・
徳島県立埋蔵文化財総合センター
所有者名
:
徳島県
管理団体・管理責任者名
:
徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器
解説文:
詳細解説
若杉山辰砂採掘遺跡は、水銀朱の原料となる辰砂の採掘遺跡であり、弥生時代後期初頭から古墳時代前期初頭に機能した。本一括は、辰砂原石の採掘および精製に使用された石杵、石臼124点で構成され、附として土器残欠や、辰砂鉱石などが加わる。
敲打痕や擦痕が顕著に観察される石杵は大きさや形状も様々で、石臼には径10cm前後、深さ2cmほどの窪みが多数認められる。すなわち、辰砂鉱石の採掘のみならず、現地にて岩塊を粉末化するまでの敲き、潰し、磨りといった精製作業を行っていたことを示す。また石杵の多くは地元で採集される砂岩礫であるが、香川県東部産の玢岩礫が一定数あり、採掘に適した石材の選択、および約40km離れた地からの運搬行為を示すものとして注目される。
これらの石器は、辰砂の採掘と精製過程を具体的に復元しうるものであり、弥生時代から古墳時代初頭における水銀朱の生産の実態を示し、学術的価値が高い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
添付ファイル
なし
写真一覧
徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器
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徳島県若杉山辰砂採掘遺跡出土石器
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解説文
若杉山辰砂採掘遺跡は、水銀朱の原料となる辰砂の採掘遺跡であり、弥生時代後期初頭から古墳時代前期初頭に機能した。本一括は、辰砂原石の採掘および精製に使用された石杵、石臼124点で構成され、附として土器残欠や、辰砂鉱石などが加わる。 敲打痕や擦痕が顕著に観察される石杵は大きさや形状も様々で、石臼には径10cm前後、深さ2cmほどの窪みが多数認められる。すなわち、辰砂鉱石の採掘のみならず、現地にて岩塊を粉末化するまでの敲き、潰し、磨りといった精製作業を行っていたことを示す。また石杵の多くは地元で採集される砂岩礫であるが、香川県東部産の玢岩礫が一定数あり、採掘に適した石材の選択、および約40km離れた地からの運搬行為を示すものとして注目される。 これらの石器は、辰砂の採掘と精製過程を具体的に復元しうるものであり、弥生時代から古墳時代初頭における水銀朱の生産の実態を示し、学術的価値が高い。
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詳細解説
若杉山辰砂採掘遺跡は、徳島県南東部の阿南市にあり、那賀川の支流である若杉谷川に沿った急峻な山腹斜面に所在する。水銀朱の原料となる辰砂の採掘遺跡であり、弥生時代後期初頭から古墳時代前期初頭に機能した。 遺跡内には石灰岩とチャートの露頭が各所にみられ、その岩中に水銀朱の原料となる辰砂を含んだ熱水鉱脈が貫入している。本一括は、徳島県が所有する石杵96点、石臼28点から成る計124点の石器に、附として土器残欠114点、石製勾玉1点、石杵剝片9点、辰砂鉱石11点を加えた、総数259点の遺物で構成される。 石杵は、敲打痕や擦痕、またその両者が観察され、大きさや形状も様々である。また、石臼には敲打痕や擦痕を伴う径約10cm前後、深さ約2cmを超える窪みが多数認められる。すなわち、辰砂鉱石の採掘のみならず、遺跡現地にて辰砂鉱石から母岩等の不要鉱物を除く精製作業(選鉱)が行われたことを示し、岩塊を粉末化するまでの敲き、潰し、磨りといった具体的な採掘・精製工程を復元するうえで重要な資料である。また石杵の多くは地元の那賀川において採集される砂岩礫であるが、香川県東部産の玢岩礫が一定数存在する。このことは、採掘に適した石材の選択、および約40km離れた地からの運搬行為を示すものとして注目される。 附とした土器類は、総じて遺存度は低いものの、遺跡が機能した年代を示す。さらに、胎土や形状の特徴から半数以上は約20km北方の鮎喰川下流域製とみられ、本遺跡の経営母体となる集団の出自を示す可能性がある。また、香川県香東川下流域、少数ながら山陰や畿内からもたらされた資料もあり、多方面の人々の関与を窺わせる。 これらは、辰砂の採掘と精製過程を具体的に復元しうるものであり、弥生時代から古墳時代初頭における水銀朱の生産の実態を示す。また、その担い手を含めた生産や流通、交易を考えるうえでも重要であり、きわめて学術的価値が高い。
関連情報
一つ書
一、石杵
一、石臼
附 一、土器残欠
附 一、石製勾玉
一、石杵
一、石臼
附 一、石杵剝片
附 一、辰砂鉱石
附 一、土器残欠
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
一、石杵
一つ書員数
:
72点
ト書
:
昭和59年度~同62年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
一、石臼
一つ書員数
:
27点
ト書
:
昭和59年度~同62年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、土器残欠
一つ書員数
:
105点
ト書
:
昭和59年度~同62年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、石製勾玉
一つ書員数
:
1点
ト書
:
昭和59年度~同62年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
一、石杵
一つ書員数
:
24点
ト書
:
平成29年度・同30年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
一、石臼
一つ書員数
:
1点
ト書
:
平成29年度・同30年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、石杵剝片
一つ書員数
:
9点
ト書
:
平成29年度・同30年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、辰砂鉱石
一つ書員数
:
11点
ト書
:
平成29年度・同30年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
附 一、土器残欠
一つ書員数
:
9点
ト書
:
平成29年度・同30年度出土