国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
源氏物語(国冬本)
ふりがな
:
げんじものがたり(くにふゆぼん)
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員数
:
54帖
種別
:
書跡・典籍
国
:
日本
時代
:
鎌倉・室町時代
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
各 縦16.4 横16.5程度
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2612
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2023.06.27(令和5.06.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
奈良県天理市杣之内町1050
保管施設の名称
:
天理大学附属天理図書館
所有者名
:
学校法人天理大学
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
住吉大社の神官であり歌人でもある津守国冬(一二七〇~一三二〇)筆とされる鎌倉時代後期に書写された十二帖と、室町時代後期に書写された四十二帖の計五十四帖からなる。十八帖におよぶ複雑な錯簡と大小の脱落があり、不明な点が多かったが、近年、詳細な調査研究が行われて、錯簡の状態が明らかとなり、全容が把握できるようになった。
本文の系統は平安時代の写本の系統である別本系とされるが、定家本系や河内本系も含まれている。別本として鎌倉時代後期の写本が一筆にて十一帖も残されている点、『源氏物語』研究上、価値が高い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
住吉大社の神官であり歌人でもある津守国冬(一二七〇~一三二〇)筆とされる鎌倉時代後期に書写された十二帖と、室町時代後期に書写された四十二帖の計五十四帖からなる。十八帖におよぶ複雑な錯簡と大小の脱落があり、不明な点が多かったが、近年、詳細な調査研究が行われて、錯簡の状態が明らかとなり、全容が把握できるようになった。 本文の系統は平安時代の写本の系統である別本系とされるが、定家本系や河内本系も含まれている。別本として鎌倉時代後期の写本が一筆にて十一帖も残されている点、『源氏物語』研究上、価値が高い。
詳細解説▶
詳細解説
源氏物語(国冬本)は、住吉大社の神官であり歌人でもある津守国冬(一二七〇~一三二〇)筆とされる鎌倉時代後期に書写された一二帖と、室町時代後期に書写された四二帖の計五四帖からなる。 国冬本には筆者を示す奥書や識語などはなく、極札に伝称筆者が記されている。鎌倉時代後期に書写された一二帖の極札にはすべて津守国冬とある。国冬の真筆かどうかは、なお検討の余地があるものの、一筆であることは確かである。 室町時代後期に書写された四二帖の極札には、合わせて一四名の筆者が記されている。その生存年は、十五世紀から十七世紀までのうち約二百年に及び、伝称筆者をそのまま信じることはできない。 本文は、複雑な錯簡と大小の脱落が一八帖に及んでおり、不明な点が多かったが、近年、詳細な調査研究が行われて、錯簡の状態が明らかとなり、全容が把握できるようになった。 国冬本では、鎌倉時代後期写本一二帖のうち若菜上が定家本である以外はすべて別本である。また室町時代後期写本四二帖のうち一〇帖が別本である。 国冬本は鎌倉時代の一二帖が一筆であり、重要文化財に指定されているものでも一二帖が一筆で揃っているものは少なく、さらに別本一一帖が一筆で写されたものは希有と言える。また室町時代後期写本のうち若紫は定家本とされてきたが、その後半部分には定家本には見られない注目すべき独自異文が伝存している。 このように源氏物語(国冬本)は、別本として鎌倉時代後期の写本が一筆にて一一帖も残されている点、『源氏物語』研究上、価値が高い。