国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
福島県天王山遺跡出土品
ふりがな
:
ふくしまけんてんのうやまいせきしゅつどひん
天王山遺跡出土品
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
弥生時代後期
年代
:
1世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
678
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2024.08.27(令和6.08.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
福島県
所在地
:
福島県白河市中田7-1
保管施設の名称
:
白河市歴史民俗資料館
所有者名
:
白河市
管理団体・管理責任者名
:
天王山遺跡出土品
解説文:
詳細解説
天王山遺跡は、阿武隈川左岸の丘陵上に所在する弥生時代後期前半(1世紀頃)の集落遺跡である。昭和25年に初めて発掘調査が行われ、出土した多数の土器は東北地方から北陸地方にかけて分布する「天王山式土器」の標式資料として、広く学界に認知されている。
土器には、壺、甕、高坏、鉢などがあり、壺には注口や片口の付くものが含まれる。壺や甕は、筒形の頸部に波状や突起の付く口縁部をもつ例が目立ち、地文は縄文で、縦走・横走する例が多い。文様は刺突文を交互上下に入れて波状沈線様とする交互刺突文が特徴的で、他に連弧文や変形工字文などがあり、磨消縄文の手法も多くに用いられている。これらの内、波状や突起の付く口縁部、変形工字文や磨消縄文などは、縄文時代晩期の土器の特徴と似ており、そのために「天王山式土器」の年代について論争となったことは、学史的に著名である。現在、縦走・横走する地文の縄文は、北海道に分布する恵山式土器に影響を受けたものとされ、縄文時代的な要素は続縄文文化に系譜をもつと理解されている。
石器・石製品には、アメリカ式石鏃と呼ばれる、逆T字形をした特徴的な石鏃が含まれており、一遺跡から出土した数量としては最多を誇る。この石鏃の分布も「天王山式土器」と時期、地域が重なっており、天王山遺跡の出土品は、東北地方における弥生時代後期前半を代表する遺例と言えよう。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
添付ファイル
なし
写真一覧
天王山遺跡出土品
天王山式土器
赤彩注口付壺形土器
アメリカ式石鏃
写真一覧
天王山遺跡出土品
写真一覧
天王山式土器
写真一覧
赤彩注口付壺形土器
写真一覧
アメリカ式石鏃
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解説文
天王山遺跡は、阿武隈川左岸の丘陵上に所在する弥生時代後期前半(1世紀頃)の集落遺跡である。昭和25年に初めて発掘調査が行われ、出土した多数の土器は東北地方から北陸地方にかけて分布する「天王山式土器」の標式資料として、広く学界に認知されている。 土器には、壺、甕、高坏、鉢などがあり、壺には注口や片口の付くものが含まれる。壺や甕は、筒形の頸部に波状や突起の付く口縁部をもつ例が目立ち、地文は縄文で、縦走・横走する例が多い。文様は刺突文を交互上下に入れて波状沈線様とする交互刺突文が特徴的で、他に連弧文や変形工字文などがあり、磨消縄文の手法も多くに用いられている。これらの内、波状や突起の付く口縁部、変形工字文や磨消縄文などは、縄文時代晩期の土器の特徴と似ており、そのために「天王山式土器」の年代について論争となったことは、学史的に著名である。現在、縦走・横走する地文の縄文は、北海道に分布する恵山式土器に影響を受けたものとされ、縄文時代的な要素は続縄文文化に系譜をもつと理解されている。 石器・石製品には、アメリカ式石鏃と呼ばれる、逆T字形をした特徴的な石鏃が含まれており、一遺跡から出土した数量としては最多を誇る。この石鏃の分布も「天王山式土器」と時期、地域が重なっており、天王山遺跡の出土品は、東北地方における弥生時代後期前半を代表する遺例と言えよう。
詳細解説▶
詳細解説
天王山遺跡は、阿武隈川左岸の独立丘陵頂上部に立地する、弥生時代後期前半の集落跡である。昭和25年(1950)の調査において、当時他に類例をみない特徴を有した土器がまとまって出土し、学界の注目を集めた。 本一括は、平成30年度(2018)までの5次に及ぶ調査で出土した、127点および附135点の出土品で構成され、内訳は、昭和25年出土の土器・土製品52点、石器・石製品51点、附の土器残欠38点、石器剝片17点、および平成28から30年度出土の土製品1点、石器・石製品23点、附の土器残欠58点、石器剝片22点である。 土器は、壺形土器、甕形土器、高坏・脚台付土器などがあり、壺形土器の一部には注口や片口が付く。壺形・甕形土器は頸部が筒形となるものが多く、口縁部に波状や突起の付く例がある。地文は縄文で、縦走・横走する例が多く、平行沈線間の帯状部に上下交互に刺突を加える交互刺突文を、主に口縁部や文様帯の区画に用いる。胴部文様は、沈線による連弧文が多く、他に菱形文や変形工字文などがあり、磨消縄文の手法も多数に用いられる。地文の縦走・横走縄文は、北海道に分布する恵山式土器からの影響が指摘され、工字文や磨消縄文、口縁部の突起など続縄文土器にみられる属性とともに、この時期の東北地方と続縄文文化との関係性を考えるうえでも重要な要素となっている。 これらの特徴をもつ土器群は、弥生時代後期前半に主に東北地方や北陸地方に分布することが知られたうえで、「天王山式土器」として位置付けられ、広く学界に認知されている。 本一括は器種・数量も豊富で遺存状態も良好であり、現在でも欠くことのできない天王山式土器の標式資料として評価される。さらに加えて、発見以降、編年や系譜、成立過程などについて様々な論考が発表されており、東北地方の弥生時代研究において学史上重要な位置を占める。 石鏃は、基部の両側に抉りを入れ、逆T字状とした形が特徴的で、アメリカ式石鏃と呼称される。本石鏃は東北地方南部から北陸地方に分布し、天王山式土器と時期・地域が重なる。天王山遺跡から出土したアメリカ式石鏃は、一遺跡からの出土数では最多であり、土器と同様にこの時期の特徴をよく示す。 本一括は、東北地方における弥生時代後期前半の特徴をよく示す優れた基準資料であると共に、弥生時代の研究史上重要であり、高い学術的価値を有する。
関連情報
附指定
土器残欠
石器剝片
土器残欠
石器剝片
関連情報
一つ書
土器・土製品
石器・石製品
土製品
石器・石製品
関連情報
附指定
附名称
:
土器残欠
附員数
:
38点
附ト書
:
以上昭和25年出土
関連情報
附指定
附名称
:
石器剝片
附員数
:
17点
附ト書
:
以上昭和25年出土
関連情報
附指定
附名称
:
土器残欠
附員数
:
58点
附ト書
:
以上平成28~30年度出土
関連情報
附指定
附名称
:
石器剝片
附員数
:
22点
附ト書
:
以上平成28~30年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
土器・土製品
一つ書員数
:
52点
ト書
:
以上昭和25年出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
石器・石製品
一つ書員数
:
51点
ト書
:
以上昭和25年出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
土製品
一つ書員数
:
1点
ト書
:
以上平成28~30年度出土
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
石器・石製品
一つ書員数
:
23点
ト書
:
以上平成28~30年度出土