国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
奈良県ホケノ山古墳出土品
ふりがな
:
ならけんほけのやまこふんしゅつどひん
ホケノ山古墳出土品
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
古墳時代初頭
年代
:
3世紀中頃
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
681
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2024.08.27(令和6.08.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
奈良県橿原市畝傍町50-2
保管施設の名称
:
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
所有者名
:
奈良県
管理団体・管理責任者名
:
ホケノ山古墳出土品
解説文:
詳細解説
ホケノ山古墳は、奈良盆地の東縁に所在する出現期の前方後円墳で、全長約80m、古墳時代初頭(3世紀中頃)の築造と推定される。後円部の墳頂部中央に築かれた、石槨と木槨の二重構造からなる「石囲い木槨」
から出土した副葬品一括で、画文帯同向式神獣鏡一面や破砕鏡のほか、素環頭大刀をはじめとする刀剣類や各70点以上の銅鏃・鉄鏃、鉄製農工具類、装飾性に富んだ二重口縁壺、小形丸底土器からなる。特に、銅鏡は意図的に破砕した破鏡と完形での副葬の二種がみられ、この時期の鏡の副葬を示すものとしても注目される。また、鏃の目立つ副葬品組成をとる点も特徴的である。木槨上部を取り囲むように置かれた壺形土器の在り方は、のちに前方後円墳墳頂主体部上で盛行する、墳頂祭祀への繋がりを想起させる。
これらは、弥生時代から古墳時代への過渡期において、古墳文化の成立過程や開始年代を示す資料であり、古墳時代前期に盛行する副葬品組成や壺形土器を主体とした埋葬儀礼の実態をよく表している。畿内中枢部に位置する古墳の質・量ともに優れた副葬品であるとともに、古墳時代の開始を語る上で欠かせない一括である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
添付ファイル
なし
写真一覧
ホケノ山古墳出土品
画文帯同向式神獣鏡
画文帯同向式神獣鏡と破砕鏡
刀剣類および鉄鏃・銅鏃
鉄製農工具類
土師器
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ホケノ山古墳出土品
写真一覧
画文帯同向式神獣鏡
写真一覧
画文帯同向式神獣鏡と破砕鏡
写真一覧
刀剣類および鉄鏃・銅鏃
写真一覧
鉄製農工具類
写真一覧
土師器
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解説文
ホケノ山古墳は、奈良盆地の東縁に所在する出現期の前方後円墳で、全長約80m、古墳時代初頭(3世紀中頃)の築造と推定される。後円部の墳頂部中央に築かれた、石槨と木槨の二重構造からなる「石囲い木槨」 から出土した副葬品一括で、画文帯同向式神獣鏡一面や破砕鏡のほか、素環頭大刀をはじめとする刀剣類や各70点以上の銅鏃・鉄鏃、鉄製農工具類、装飾性に富んだ二重口縁壺、小形丸底土器からなる。特に、銅鏡は意図的に破砕した破鏡と完形での副葬の二種がみられ、この時期の鏡の副葬を示すものとしても注目される。また、鏃の目立つ副葬品組成をとる点も特徴的である。木槨上部を取り囲むように置かれた壺形土器の在り方は、のちに前方後円墳墳頂主体部上で盛行する、墳頂祭祀への繋がりを想起させる。 これらは、弥生時代から古墳時代への過渡期において、古墳文化の成立過程や開始年代を示す資料であり、古墳時代前期に盛行する副葬品組成や壺形土器を主体とした埋葬儀礼の実態をよく表している。畿内中枢部に位置する古墳の質・量ともに優れた副葬品であるとともに、古墳時代の開始を語る上で欠かせない一括である。
詳細解説▶
詳細解説
ホケノ山古墳は巻向川北側の低位段丘上に立地する、墳丘全長約80mの前方後円墳で、古墳時代初頭、3世紀中頃の築造と推定されている。平成11・12年(1999・2000年)の調査で、埋葬施設が、石槨(外槨)と木 槨(内槨)が二重構造をなす「石囲い木槨」という特異な形態であることが明らかとなり、この時出土した副葬品とともに、古墳時代開始 期を議論する中で大きな注目を集めた。 本一括はその副葬品であり、画文帯同向式神獣鏡1面、画文帯四乳求心式神獣鏡1面、内行花文鏡1面、素環頭大刀1点、直刀1点、剣・槍7点以上、銅鏃70点以上、鉄鏃74点以上、鉄鉇2点、鉄鑿1点、鏟形鉄製品1点、への字形鉄製品23点以上などの金属製品、壺形土器11点、小形丸底土器4点で構成される。 とくに注目されるのは画文帯神獣鏡をはじめ とする銅鏡である。舶載鏡である画文帯同向 式神獣鏡は、菱雲文の外区文様と「吾作明 鏡」で始まる四言句銘文から、後漢末頃の製品と考えられる。同じく舶載鏡の画文帯四乳求心式神獣鏡は、画文帯同向式神獣鏡の系譜を引く鏡式で、製作時期は後漢末から三国時代初め頃に比定される。これらは、ホケノ山古墳の築造年代を推定する基準資料である。また、画文帯同向式神獣鏡は木棺内の被葬者足側に完形で副葬、画文帯四乳求心式神獣鏡と内行花文鏡は、それぞれ意図的に破砕した状態で副葬されており、当該期の葬送儀礼における銅鏡のあり方を示すものとしても重要である。 武器類ではとくに、銅鏃、鉄鏃が、それぞれ 70点以上と多量の副葬量を誇り、合わせて140点以上と鏃の目立つ副葬品組成をとる点が特徴的である。くわえて、鏟形鉄製品やへの字形鉄製品のように、列島内で局地的に分布する特異な形態の鉄製農工具類の副葬も特筆される。 土器は、加飾性に富み、底部付近を焼成後穿孔した二重口縁壺と、小形丸底土器からなる。形態や技術的特徴は、近畿地方の精製土器が瀬戸内地方の複数の系譜を吸収して成立した過程をよく示す。さらに、木槨上部を取り囲むという配置は、のちの墳頂主体部上の囲繞配置の萌芽ともいえ、年代的位置づけとともに、前方後円墳における墳頂祭祀の祖型を示唆している。 以上、本件は、畿内中枢部に位置する古墳の質・量ともに優れた副葬品の一括である。弥生墳丘墓から定型化した前期古墳への過渡期における古墳文化の成立過程や開始年代を示すとともに、古墳時代前期に盛行する副葬品組成や、壺形土器を主体とした埋葬儀礼の実態をよく表しており、きわめて高い学術的価値を有している。
関連情報
一つ書
画文帯神獣鏡
青銅製品
鉄製品
土師器
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
画文帯神獣鏡
一つ書員数
:
2面
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
青銅製品
一つ書員数
:
一括
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
鉄製品
一つ書員数
:
一括
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
土師器
一つ書員数
:
15点
ト書
: