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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
静岡県伊場遺跡群出土品
ふりがな
:
しずおかけんいばいせきぐんしゅつどひん
静岡県伊場遺跡群出土品
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
弥生時代後期
年代
:
1~3世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
686
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2025.09.26(令和7.09.26)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
静岡県
所在地
:
静岡県浜松市中央区蜆塚4-22-1
保管施設の名称
:
浜松市博物館
所有者名
:
浜松市
管理団体・管理責任者名
:
静岡県伊場遺跡群出土品
解説文:
詳細解説
天竜川下流、浜松南部平野の北東部に立地する、弥生時代後期の環濠集落である伊場遺跡を中心とした、大規模遺跡群からの出土品である。
特に注目されるのが、複雑・精緻に文様が彫刻され、漆塗りにより赤彩・黒彩を施した木甲である。その鮮やかな造形と装飾性は、漆工・木工の高い技術力を如実に示し、他に例を見ない。
土器群は、伊場式と呼ばれる西遠江地域の標式である。その中でも、木器を模倣したと思わせる装飾付高坏や鰭状突起が付いた壺、家形などの特殊な器形の土器は特色を示している。他にも、近畿地方などの周辺地域から影響を受けた土器、銅鐸・鏡を模したと考えられる土製品、生業や生産活動、葬送行為にともなう出土品が多岐に亘っている。
これらは、弥生時代の祭祀や生業、地域間の交易・交流、葬送の在り方をよく表している。また、西日本的様相を示す各種製品の存在は、弥生文化における西日本からの東漸の在り方を考究する上で、欠かせない貴重な一括である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
添付ファイル
なし
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静岡県伊場遺跡群出土品
赤彩・黒彩された木甲_伊場遺跡出土
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静岡県伊場遺跡群出土品
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赤彩・黒彩された木甲_伊場遺跡出土
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解説文
天竜川下流、浜松南部平野の北東部に立地する、弥生時代後期の環濠集落である伊場遺跡を中心とした、大規模遺跡群からの出土品である。 特に注目されるのが、複雑・精緻に文様が彫刻され、漆塗りにより赤彩・黒彩を施した木甲である。その鮮やかな造形と装飾性は、漆工・木工の高い技術力を如実に示し、他に例を見ない。 土器群は、伊場式と呼ばれる西遠江地域の標式である。その中でも、木器を模倣したと思わせる装飾付高坏や鰭状突起が付いた壺、家形などの特殊な器形の土器は特色を示している。他にも、近畿地方などの周辺地域から影響を受けた土器、銅鐸・鏡を模したと考えられる土製品、生業や生産活動、葬送行為にともなう出土品が多岐に亘っている。 これらは、弥生時代の祭祀や生業、地域間の交易・交流、葬送の在り方をよく表している。また、西日本的様相を示す各種製品の存在は、弥生文化における西日本からの東漸の在り方を考究する上で、欠かせない貴重な一括である。
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詳細解説
天竜川下流の西岸、浜松南部平野の東北部に立地し、静岡県浜松市に所在する、伊場遺跡群からの出土品である。 その内容は、弥生時代後期前半の伊場遺跡と、その北側の梶子遺跡と梶子北遺跡、西側の城山遺跡、南東側の鳥居松遺跡における出土品が対象である。 特に、伊場遺跡より出土したヤナギ材の木甲が注目される。胸当ての右胸部および背当ての左背部の同一個体2片が認められ、左背部には上端が突出する翼状突起が付される。文様は、同心円文や蕨手状の渦巻文、三角繋文などが精緻に彫刻される。全体は赤と黒で彩られ、黒漆で下地塗りした後、赤漆(ベンガラと水銀朱を併用)で塗彩する。その特異な造形と鮮やかな装飾性から、戦闘用ではなく祭祀や儀礼の際に用いられたと評価される。 土器群の多くは、弥生時代後期前半の西遠江地域における標式的な土器群で、「伊場式土器」と呼ばれる。特に、木器を模倣したと思わせる装飾付高坏形土器は、西遠江地域の中でも本遺跡群に集中的に出土し、伊場式土器の特徴的な構成要素である。ミニチュア土器の中にも装飾付高坏形が認められ、その象徴性がよくわかる。他には、鰭状突起が付いた壺形土器や、家形土器などの特殊器形土器がある。また、近畿や東遠江などの他地域から搬入および影響を受けた土器も含まれ、広範な地域間交流をよく表している。 西日本的様相を示す要素として、鹿などを描いた絵画土器片、近畿式銅鐸の飾耳片、近畿式銅鐸を象ったとされる銅鐸形土製品、脚部に銅鐸文様を線刻した高坏形土器、銅鏡を模倣したと考えられる鏡形土製品、朝鮮半島産鉛を含む青銅製釣針などがある。他にも土玉のように、異材製品の土製模倣品の存在は、本出土品の特色である。 故意に打ち欠いた壺形土器や色鮮やかな青色のカリガラス製玉類・石製管玉は、墓域と推定される土坑から発見されており、葬送の在り方をよく示す。 石器には、磨製石斧や敲石・砥石などの生産関連の遺物が目立つ。他にも、鍬や鋤、杵などの木製農具、紡織具である土製・石製の紡錘車もまとまって確認され、生業の在り方をよく示している。 これらは、弥生時代後期における漆工・木工の高い技術力を示す、きわめて装飾性の豊かな木甲を含み、当時の祭祀、地域間の交易・交流、葬送、生業の在り方をよく表している。これらは、弥生文化を理解する上で欠かせない、学術的価値の高い一括資料である。
関連情報
一つ書
木甲
土器・土製品
木器・木製品
石器・石製品
青銅製品
ガラス製品
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
木甲
一つ書員数
:
1点
ト書
:
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一つ書主名称
:
土器・土製品
一つ書員数
:
529点
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:
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:
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一つ書員数
:
14点
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:
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一つ書主名称
:
石器・石製品
一つ書員数
:
42点
ト書
:
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一つ書
一つ書主名称
:
青銅製品
一つ書員数
:
10点
ト書
:
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一つ書主名称
:
ガラス製品
一つ書員数
:
9点
ト書
: