国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
紙本著色平治物語絵〈/(常盤巻)〉
ふりがな
:
解説表示▶
員数
:
1巻
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
鎌倉
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
01845
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
1984.06.06(昭和59.06.06)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
東京都
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
平治物語のうち、常磐の都落ちから頼朝配流までを五段に描いた絵巻である。箱の蓋には「伏見常磐」と題が書かれており、常磐を主人公として単独に作られたとみなして、『看聞御記』に記される「常磐絵二篇」に相当するかと推測されることもあるが、疑問である。むしろ、上皇と主上の不知や、経宗・維方の糾問断罪の段が巻中にかなりの量を占めていることから、平治物語絵の中の一巻が残ったものと思われる。
平治物語絵としては、「三条殿夜討巻」(ボストン美術館)、「信西巻」(静嘉堂)、「六波羅行幸巻」(東京国立博物館)等の一群のものが著名であるが、それと比べると本巻は、一巻中に異なった話譚をまじえ描く形式が異種であり、人物をより小振りに描く点でも違いがある。また先の一群と別系統と目される「常磐巻」(模本、東京国立博物館)は常磐の段を擁するが、本巻はそれとも内容を異にしている。このように本絵巻は、他の平治物語絵遺品とは別系・別種の一本として注目されるものである。
表現については、人物の彩色に彫塗の手法を多用し、文様を細かく施すなど丁寧な描法が行われるものの、建物の描写には簡略化ないし崩れが認められ、より古い原本の存在も考えられる。制作は鎌倉時代末期と思われる。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
平治物語のうち、常磐の都落ちから頼朝配流までを五段に描いた絵巻である。箱の蓋には「伏見常磐」と題が書かれており、常磐を主人公として単独に作られたとみなして、『看聞御記』に記される「常磐絵二篇」に相当するかと推測されることもあるが、疑問である。むしろ、上皇と主上の不知や、経宗・維方の糾問断罪の段が巻中にかなりの量を占めていることから、平治物語絵の中の一巻が残ったものと思われる。 平治物語絵としては、「三条殿夜討巻」(ボストン美術館)、「信西巻」(静嘉堂)、「六波羅行幸巻」(東京国立博物館)等の一群のものが著名であるが、それと比べると本巻は、一巻中に異なった話譚をまじえ描く形式が異種であり、人物をより小振りに描く点でも違いがある。また先の一群と別系統と目される「常磐巻」(模本、東京国立博物館)は常磐の段を擁するが、本巻はそれとも内容を異にしている。このように本絵巻は、他の平治物語絵遺品とは別系・別種の一本として注目されるものである。 表現については、人物の彩色に彫塗の手法を多用し、文様を細かく施すなど丁寧な描法が行われるものの、建物の描写には簡略化ないし崩れが認められ、より古い原本の存在も考えられる。制作は鎌倉時代末期と思われる。