国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
木造不動明王坐像
ふりがな
:
もくぞうふどうみょうおうざぞう
解説表示▶
員数
:
1躯
種別
:
彫刻
国
:
日本
時代
:
平安
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
03412
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
1989.06.12(平成1.06.12)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
醍醐寺
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
醍醐寺理性院本堂の壇上左脇に安置されている不動明王の等身坐像である。頭髪には並行する束目を表わし、宝相華、菊花の付いた紐二条を巻き、七莎髻を頭頂に結ぶ。両目は見開き、上歯牙をあらわして下唇を噛む。
頭躰幹部とともに左臂、右上膊の内側、両脚部とその後方の両腰脇までも含めて、木心を後寄りにこめたカヤの一材から彫出し、内刳は、頸部に達するうろを利用して像底から刳り拡げている。右の上膊外側から手首までとそれより先は、いずれも縦の一材から彫出して矧付ける。弁髪の半ばより先、左手の臂より先、裳先のほか、表面に施された漆塗り、別製の胸飾、腕・臂釧、持物、光背、台座は後補である。
像は、忿怒の相貌も穏やかに整えられ、肉付けは要所を軽く引き締めて幼児を思わせるやわらかな膨らみをもたせている。裳には軽やかな褶襞を浅く刻む。こうした表現は、いわゆる定朝様からの一展開を示すものであるが、十一世紀半ば頃の作例に比較すると、肉取りの自然さや衣の質感にこだわらずに定型化をすすめている。製作は十一世紀後半に降ると考えられよう。いずれにせよ、この時期における等身程度の忿怒・天部形像の遺品は少なく、しかも寄木造の技法が定着していた当代にあって、この像が丸彫りに近い構造とともに、これに応じた豊かな量感表現や一種のびやかな姿態構成を示すことは注目に値する。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
醍醐寺理性院本堂の壇上左脇に安置されている不動明王の等身坐像である。頭髪には並行する束目を表わし、宝相華、菊花の付いた紐二条を巻き、七莎髻を頭頂に結ぶ。両目は見開き、上歯牙をあらわして下唇を噛む。 頭躰幹部とともに左臂、右上膊の内側、両脚部とその後方の両腰脇までも含めて、木心を後寄りにこめたカヤの一材から彫出し、内刳は、頸部に達するうろを利用して像底から刳り拡げている。右の上膊外側から手首までとそれより先は、いずれも縦の一材から彫出して矧付ける。弁髪の半ばより先、左手の臂より先、裳先のほか、表面に施された漆塗り、別製の胸飾、腕・臂釧、持物、光背、台座は後補である。 像は、忿怒の相貌も穏やかに整えられ、肉付けは要所を軽く引き締めて幼児を思わせるやわらかな膨らみをもたせている。裳には軽やかな褶襞を浅く刻む。こうした表現は、いわゆる定朝様からの一展開を示すものであるが、十一世紀半ば頃の作例に比較すると、肉取りの自然さや衣の質感にこだわらずに定型化をすすめている。製作は十一世紀後半に降ると考えられよう。いずれにせよ、この時期における等身程度の忿怒・天部形像の遺品は少なく、しかも寄木造の技法が定着していた当代にあって、この像が丸彫りに近い構造とともに、これに応じた豊かな量感表現や一種のびやかな姿態構成を示すことは注目に値する。