国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 御正体
ふりがな みしょうたい
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員数 5面
種別 工芸品
日本
時代 鎌倉
年代
西暦
作者
寸法・重量 ①盤径34.8  像高24.7
②盤径22.2  像高11.2
③盤径31.6  像高18.3
④盤径30.4  像高17.0
⑤盤径21.5  像高11.0  (㎝)
品質・形状 ①円形の周縁に覆輪を施し、中央に両腕を別鋳し、肩で装着した金剛界大日如来の半面像を据える。光背は頭光と身光の二重輪光で、上部左右二ヶ所づつ翼状板金の火焔を打つ。釣鐶座は花形で二重菊座のある切子鐶台をつける。一群の中で最も時代が古く、鎌倉期の作と考えられる。
②円形の周縁に覆輪を施し、中央に金剛界大日如来坐像を据える。像に火焔付き二重輪光を付けるが、火焔には朱漆を塗る。仏体の台座には細かい線刻を加えている。盤裏に朱漆銘がある。
③円形の周縁に幅広の飾覆輪を施し、中央には金剛界大日如来像を鋲止めする。唐草文透彫の舟形光背を負い、頭上には天蓋、像の左右に花瓶を鋲止めする。鍍銀の像、幅広の飾覆輪などはあまり類を見ない。
④円形の周縁に三点、二点の笠鋲を打った覆輪を施し、中央に胎蔵界大日如来坐像を据える。像は丸ものに近い半面造であり、両手は別鋳で、肩に蟻ほぞで落とし込む。頭髪、眉目、口唇などに彩色を施す。台座は金銅板の蓮弁を四段に葺き連ね、蓮座には蕊を刻む。釣鐶座は鼻形で魚々子地に花を線刻する。切子鐶台付。
⑤円形の終演に覆輪を施し、周縁に金剛界大日如来坐像を据える。像は蓮華座共に一鋳で、唐草文透彫の舟形光背を負う。天蓋の残片が残り、像の左右には花瓶を鋲止めする。盤裏の檜板に墨書銘がある。
ト書 うち一面に弘安元年卯月廿一日の朱漆銘、一面に弘安九年十二月廿二日の墨書銘がある
画賛・奥書・銘文等 ②「敬奉新造/御正軆一面/右為二世之(悉)地/成就之也/(弘)安元年戌/虎(卯)月廿一日/大勧進金剛佛子理有覚/大施主平氏女」 (悉=米の下に心、弘=方ム、卯=夕卩)
⑤「神明御正躰一面/弘安九年大才/丙戌十二月廿二日/願主比丘尼妙法」
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 02068
枝番 00
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 1961.02.17(昭和36.02.17)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 長野県
所在地
保管施設の名称
所有者名 仁科神明宮
管理団体・管理責任者名

解説文:
神明宮は安曇仁科の御厨(伊勢神宮領)に勧進された社である。一群の御正体は当社に寄進されたもので、伊勢内宮の本地仏である金剛・胎蔵両界の大日如来像を中心にしている。入念な製作であり、弘安銘のあるものを含むため、その前後の作風をうかがい知ることができ、貴重である。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定
  一つ書 なし
  添付ファイル なし