国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 漆塗太鼓形酒筒
ふりがな うるしぬりたいこがたさけづつ
漆塗太鼓形酒筒
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員数 1口
種別 工芸品
日本
時代 室町
年代 文明5
西暦 1473
作者
寸法・重量 総高121.0  樽部総高100.0  面径73.4  幅64.0  台高33.0
蓋高20.5  蓋径24.9  (㎝)
品質・形状 大太鼓形を模した酒器で、一木を刳り貫いて木口に板を張り、頂部に一孔を開けて、三重菊座に切子頭付の栓を一体とした蓋を鉄懸金具で止めている。また鼓面には舞楽の太鼓に見られるような剣巴文を朱漆で描き、切子頭は各面を黒・朱漆で塗り分けている。
ト書 文明五年六月吉日の寄進銘がある
画賛・奥書・銘文等 胴底部に刻銘がある。
 「奉寄進施主四十九院角坊権律師行盛
 金〓峯寺下山天野山王院長床之酒筒
 文明第五天〈〓/巳〉六月吉日〈細工四良次良/塗士次良五良〉」
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 02505
枝番 00
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 1986.06.06(昭和61.06.06)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 大阪府
所在地 堺市博物館 大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2
保管施設の名称 堺市博物館 
所有者名 堺市
管理団体・管理責任者名
漆塗太鼓形酒筒
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解説文:
 刻銘から、本酒筒が文明五年(一四七三)高野山千手院谷にあった四十九院の一坊舎角坊に住む行盛により、高野山の鎮守である天野社(現在の丹生都比売神社)の神宮寺山王院の長床【ながとこ】(参籠所)の什器として寄進されたことが知られ、神事の後の直会【なおらい】に用いられたものと考えられる。
 この酒筒はかなり大形であるが、太鼓を模したこの種の比較的小形の酒器(近世以降一般に太鼓樽と称される)は瓶子や銚子とともに古くより酒宴の席で用いられていたようで、承久元年(1219)頃成立した国宝・紙本著色北野天神縁起や、正安元年(1299)奥書の国宝・紙本著色一遍上人絵伝などを初めとして、中世の絵巻物に散見される。
 その重量感あふれる雄大な形姿、菊座や切子頭の細工の巧みさなど、用と美をわきまえた優れた造形感覚を示しているとともに、その刻銘により由緒が明確な酒筒の古例としても価値高い。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書 なし
  添付ファイル なし