国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
鹿王院文書
ふりがな
:
ろくおういんもんじょ
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員数
:
17巻、4冊、4帖、31幅、653通
種別
:
古文書
国
:
日本
時代
:
平安~安土桃山
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
法量等省略
品質・形状
:
紙本墨書
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00545
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
1916.05.24(大正5.05.24)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
2024.08.27(令和6.08.27)
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
京都府京都市右京区嵯峨北堀町24
保管施設の名称
:
鹿王院
所有者名
:
鹿王院
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
鹿王院は、康暦二年(一三八〇)に将軍足利義満(一三五八~一四〇八)が春屋妙葩(一三一一~八八)を開山に招請して創建した大福田宝幢寺の開山塔として始まり、以後、春屋門派の中心寺院となった。
本文書群のうち、「崇光上皇宸翰書状」等の宸翰一巻(四通)が大正五年に「紙本墨書鹿王院文書」として重要文化財に指定され、中世文書を主体とする八〇四通を追加指定した。
春屋が活躍した南北朝時代の文書は、本文書群の中核をなすものといえ、南禅寺、天龍寺、相国寺の創建や運営、五山制度、僧録制度の確立に貢献した春屋の事績を裏付ける一級史料である。
本文書群は、南北朝時代に大きな影響力を有していた春屋門派の中心寺院である鹿王院に伝わったもので、宝幢寺のほか金剛院、天龍寺、臨川寺等に関わる文書も含み込んでおり、南北朝から室町時代の禅宗史研究上において極めて価値が高い。また、当初の形態を保った文書が多く古文書学的にも貴重である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
鹿王院は、康暦二年(一三八〇)に将軍足利義満(一三五八~一四〇八)が春屋妙葩(一三一一~八八)を開山に招請して創建した大福田宝幢寺の開山塔として始まり、以後、春屋門派の中心寺院となった。 本文書群のうち、「崇光上皇宸翰書状」等の宸翰一巻(四通)が大正五年に「紙本墨書鹿王院文書」として重要文化財に指定され、中世文書を主体とする八〇四通を追加指定した。 春屋が活躍した南北朝時代の文書は、本文書群の中核をなすものといえ、南禅寺、天龍寺、相国寺の創建や運営、五山制度、僧録制度の確立に貢献した春屋の事績を裏付ける一級史料である。 本文書群は、南北朝時代に大きな影響力を有していた春屋門派の中心寺院である鹿王院に伝わったもので、宝幢寺のほか金剛院、天龍寺、臨川寺等に関わる文書も含み込んでおり、南北朝から室町時代の禅宗史研究上において極めて価値が高い。また、当初の形態を保った文書が多く古文書学的にも貴重である。
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詳細解説
鹿王院は、康暦二年(一三八〇)に将軍足利義満(一三五八~一四〇八)が春屋妙葩(一三一一~八八)を開山に招請して創建した大福田宝幢寺の開山塔として始まり、以後、春屋門派の中心寺院となった。春屋は夢窓疎石(一二七五~一三五一)の高弟で、五山禅林の主流派であった夢窓派の中心人物であった。足利義満をはじめとして公武から厚く尊崇され、天龍寺、南禅寺等の住持を務め初代 僧録となった。 本文書群のうち、「崇光上皇宸翰書状」等の宸翰一巻(四通)が大正五年に「紙本墨書鹿王院文書」として重要文化財に指定された。その後、平成六年度から八年度にかけて京都府教育委員会が近世文書を含む約四五〇〇通を調査して報告書を刊行した。今回は、文化庁による確認調査が終了した中世文書を主体とする八〇四通を重要文化財に追加指定した。 次に本文書の概要を時代順に述べる。平安から鎌倉時代の文書は、大半が寺領の集積に伴って鹿王院に入った売券類である。 春屋が活躍した南北朝時代の文書は、本文書群の中核をなすものといえる。春屋自筆のものでは、書状四通や陞座法語草稿五通等がある。また、公武から春屋に充てた文書が多く、朝廷からのものでは、後光厳天皇綸旨に天龍寺住持職補任や南禅寺造営に関わるものがあり、後円融天皇綸旨では南禅寺住持職補任や智覚普明国師号授与に関わるものがある。幕府からでは足利義満の文書が多く、春屋を僧録に任じた御内書や宝幢寺建立、天龍寺、相国寺の住持職補任に関わるものがある。これらは、南禅寺、天龍寺、相国寺の創建や運営、五山制度、僧録制度の確立に貢献した春屋の事績を裏付ける一級史料である。 室町時代の文書には、小六条敷地や丹後国余戸里をはじめとする所領関係のものが多い。また、住持職や所領を巡る相論文書もまとまっている。安土桃山時代の文書は、寺院財政に関係する文書が主である。 本文書群は、南北朝時代に大きな影響力を有していた春屋門派の中心寺院である鹿王院に伝わったもので、宝幢寺のほか金剛院、天龍寺、臨川寺等に関わる文書も含み込んでおり、南北朝から室町時代の禅宗史研究上において極めて価値が高い。また、当初の形態を保った文書が多く古文書学的にも貴重である。