国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
春日大社文書
ふりがな
:
かすがたいしゃもんじょ
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員数
:
70巻、6冊、1帖、4幅、795通、1綴
種別
:
古文書
国
:
日本
時代
:
平安~江戸
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
法量等省略
品質・形状
:
紙本墨書
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00595
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
1966.06.11(昭和41.06.11)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
2024.08.27(令和6.08.27)
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
奈良県奈良市春日野町160
保管施設の名称
:
春日大社(国宝殿)
所有者名
:
春日大社
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
春日大社は、藤原氏の氏神を祀る神社であり、藤原氏の隆盛と共に発展し、平安時代以降、興福寺とともに奈良の中心的な寺社として展開した。
本文書は、成巻文書と未成巻文書にわけられる。成巻文書は、昭和四十一年に「春日神社文書」として重要文化財に指定された文書である。未成巻文書は、成巻文書が指定される段階では未整理であったが、調査の進展によりその全体像が判明し、成巻文書と同様に中近世の春日大社や興福寺の様相を示す文書が多く存在することが明らかにされた。今回の指定では、既指定の成巻文書に未成巻文書を追加し、春日大社文書として統合した。
本文書は、平安時代以降の奈良で興福寺とともに中心的地位にあった春日大社に伝来した文書であり、その運営や宗教活動について豊富な内容を持つものとして社会経済史、宗教史研究上、たいへん重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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解説文
春日大社は、藤原氏の氏神を祀る神社であり、藤原氏の隆盛と共に発展し、平安時代以降、興福寺とともに奈良の中心的な寺社として展開した。 本文書は、成巻文書と未成巻文書にわけられる。成巻文書は、昭和四十一年に「春日神社文書」として重要文化財に指定された文書である。未成巻文書は、成巻文書が指定される段階では未整理であったが、調査の進展によりその全体像が判明し、成巻文書と同様に中近世の春日大社や興福寺の様相を示す文書が多く存在することが明らかにされた。今回の指定では、既指定の成巻文書に未成巻文書を追加し、春日大社文書として統合した。 本文書は、平安時代以降の奈良で興福寺とともに中心的地位にあった春日大社に伝来した文書であり、その運営や宗教活動について豊富な内容を持つものとして社会経済史、宗教史研究上、たいへん重要である。
詳細解説▶
詳細解説
春日大社は、藤原氏の氏神を祀る神社であり、藤原氏の隆盛と共に発展し、平安時代以降、興福寺とともに奈良の中心的な寺社として展開した。 本文書は、春日大社に伝来した文書であり、成巻文書と未成巻文書にわけられる。成巻文書は、昭和四十一年に「春日神社文書」として重要文化財に指定された文書である。未成巻文書は、成巻文書が指定される段階では未整理であったが、調査の進展によりその全体像が判明し、成巻文書と同様に中近世の春日大社や興福寺の様相を示す文書が多く存在することが明らかにされた。今回の指定では、既指定の成巻文書に未成巻文書を追加し、春日大社文書として統合した。 追加指定した未成巻文書は、所領支配に関する文書や、大和一国の支配に関する文書、宗教活動に関する文書など多様な文書からなる。 所領支配に関する文書は、中世に生じた所領相論に関わる文書が多い。この内、社領の一つである摂津国垂水西牧については、寿永二年(一一八三)の社領寄進から文安元年(一四四四)に至るまでに発給された文書を集成した重書案があり、その中には残存数が少ない源義経発給の文書案も含まれている。また、近世文書としては、将軍の代替わりに際して発給された充行状や所領目録などの朱印状の写が大量に存在する。 大和一国の支配に関する文書として、弘安八年(一二八五)に作成された「落書起請文」がある。この起請文は興福寺から悪党の交名を注進するよう命じられて作成されたものであり、春日大社の社家の文書をまとめた「大東家文書」(平成二十八年重文指定)にも類例がある。落書で悪党の所行として非難された内容は年貢未進や強盗などが中心であるが、「シヽコロシ(鹿殺)」など春日大社特有の所行もある。このほか、興福寺や春日大社の造営料などを名目として国内に賦課された段米や棟別銭に関わる文書もある。 宗教活動に関する文書としては、春日大社の祭祀で唱えられた祝詞がある。祝詞は、弘安六年(一二八三)の年紀がある「春日祭祝詞」を最古とするが、江戸時代に作成されたものも多い。また、朝廷から祈祷を命じられた綸旨・院宣もある。一方、仏事に関するものとしては、興福寺で行われた法会の廻請が多い。 以上のように、本文書は、平安時代以降の奈良で興福寺とともに中心的地位にあった春日大社に伝来した文書であり、その運営や宗教活動について豊富な内容を持つものとして社会経済史、宗教史研究上、たいへん重要である。