国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録有形文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
工業技術資料(日本工業大学収集)
ふりがな
:
こうぎょうぎじゅつしりょう(にっぽんこうぎょうだいがくしゅうしゅう)
工業技術資料(日本工業大学収集) 博物館本館内の展示状況
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員数
:
178点
種別
:
歴史資料
国
:
日本
時代
:
明治~昭和
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
ト書
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
00003
枝番
:
0
登録年月日
:
2008.03.07(平成20.03.07)
追加年月日
:
所在都道府県
:
埼玉県
所在地
:
埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1-1
保管施設の名称
:
学校法人日本工業大学
所有者名
:
学校法人日本工業大学
管理団体・管理責任者名
:
工業技術資料(日本工業大学収集) 博物館本館内の展示状況
解説文:
日本工業大学工業技術博物館開設にあわせ、系統的に収集された工作機械を中心とする工業技術関係のコレクション資料である。
工作機械は、金属などの材料を切削加工し各種機械の部品を製造するもので(広義には塑性加工を行うものも含む)、「機械をつくる機械」あるいは「マザーマシン」とも言われ、工業機械のなかでも最も基礎的で重要な位置づけをもつ。工作機械の近代化は十八世紀末にイギリスのウィルキンソンの発明になる中ぐり盤やモーズレイが発明した旋盤に始まるとされるが、我が国では幕末に幕府や雄藩が主に造船・艦船修理用として輸入したことにより使用が開始された。その後、我が国の工作機械工業は長く輸入に依存し、輸入機の模倣の上にさらに独自性を発揮して技術水準を高めることができたのは、第二次世界大戦後のこととなる。高度経済成長以降は急速な技術革新が進むが、これに伴い近代産業を担った工作機械類も廃棄される事態が生じている。
日本工業大学では、当該資料の散逸・滅失に対する危機意識から、我が国産業の発展に貢献した機械・機器等を収集し、昭和六十二年に開設された同学工業技術博物館内で保存・公開してきた。
公開にあたっては、技術史的に整理したうえで機種別・製作年代順別に配置するとともに、その多くを稼動可能な状態で公開する方針が採られている。その内容は、民間の工作機械メーカーとして草分けである池貝鉄工所、これに続く大隈鉄工所、新潟鉄工所の製造になる国産の工作機械や、我が国機械産業発達に貢献したイギリス・アメリカ・ドイツ製などの輸入の工作機械、加工精度を測定する計測器など、概ね明治後期から昭和三十年代までの資料である。また、一八九一年(明治二十四)イギリス製の二一〇〇形二一〇九号蒸気機関車や、ガラス製水銀整流器なども含まれており、工作機械類とともに稼動が可能な状態にある。さらに、町工場の典型例である東京下町の町工場(植原鉄工所・明治四十年創業)などの様子も、そこで使用されていた工作機械類を集合運転方式で稼動させ、復元的に展示している。
日本工業大学では収集資料を日常的に整備してその機能を維持し、本来の機能や構造、価値の理解を深めることに配慮しており、学内のみならず一般に公開して広く技術教育に寄与している。
日本工業大学収集の工業技術資料は、産業界の基礎を担う工作機械を中心として、我が国近代工業の発達の軌跡をたどる貴重な産業遺産であり、その歴史的・学術的価値は高い。各々の資料の本質的価値を保ちつつ、今後も保存・活用されることを期する。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
工業技術資料(日本工業大学収集) 博物館本館内の展示状況
工業技術資料(日本工業大学収集) 工場形式の展示(山本工場)
工業技術資料(日本工業大学収集) 旋盤の展示コーナー
工業技術資料(日本工業大学収集) フライス盤の展示コーナー
工業技術資料(日本工業大学収集) 放電加工機の展示コーナー
工業技術資料(日本工業大学収集) 小型ホブ機の展示コーナー
工業技術資料(日本工業大学収集) プレス機械の展示コーナー
工業技術資料(日本工業大学収集) 電気鉄道用ガラス製水銀整流器
工業技術資料(日本工業大学収集) 1891年英国製の蒸気機関車
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工業技術資料(日本工業大学収集) 博物館本館内の展示状況
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工業技術資料(日本工業大学収集) 工場形式の展示(山本工場)
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工業技術資料(日本工業大学収集) 旋盤の展示コーナー
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工業技術資料(日本工業大学収集) フライス盤の展示コーナー
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工業技術資料(日本工業大学収集) 放電加工機の展示コーナー
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工業技術資料(日本工業大学収集) 小型ホブ機の展示コーナー
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工業技術資料(日本工業大学収集) プレス機械の展示コーナー
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工業技術資料(日本工業大学収集) 電気鉄道用ガラス製水銀整流器
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工業技術資料(日本工業大学収集) 1891年英国製の蒸気機関車
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解説文
日本工業大学工業技術博物館開設にあわせ、系統的に収集された工作機械を中心とする工業技術関係のコレクション資料である。 工作機械は、金属などの材料を切削加工し各種機械の部品を製造するもので(広義には塑性加工を行うものも含む)、「機械をつくる機械」あるいは「マザーマシン」とも言われ、工業機械のなかでも最も基礎的で重要な位置づけをもつ。工作機械の近代化は十八世紀末にイギリスのウィルキンソンの発明になる中ぐり盤やモーズレイが発明した旋盤に始まるとされるが、我が国では幕末に幕府や雄藩が主に造船・艦船修理用として輸入したことにより使用が開始された。その後、我が国の工作機械工業は長く輸入に依存し、輸入機の模倣の上にさらに独自性を発揮して技術水準を高めることができたのは、第二次世界大戦後のこととなる。高度経済成長以降は急速な技術革新が進むが、これに伴い近代産業を担った工作機械類も廃棄される事態が生じている。 日本工業大学では、当該資料の散逸・滅失に対する危機意識から、我が国産業の発展に貢献した機械・機器等を収集し、昭和六十二年に開設された同学工業技術博物館内で保存・公開してきた。 公開にあたっては、技術史的に整理したうえで機種別・製作年代順別に配置するとともに、その多くを稼動可能な状態で公開する方針が採られている。その内容は、民間の工作機械メーカーとして草分けである池貝鉄工所、これに続く大隈鉄工所、新潟鉄工所の製造になる国産の工作機械や、我が国機械産業発達に貢献したイギリス・アメリカ・ドイツ製などの輸入の工作機械、加工精度を測定する計測器など、概ね明治後期から昭和三十年代までの資料である。また、一八九一年(明治二十四)イギリス製の二一〇〇形二一〇九号蒸気機関車や、ガラス製水銀整流器なども含まれており、工作機械類とともに稼動が可能な状態にある。さらに、町工場の典型例である東京下町の町工場(植原鉄工所・明治四十年創業)などの様子も、そこで使用されていた工作機械類を集合運転方式で稼動させ、復元的に展示している。 日本工業大学では収集資料を日常的に整備してその機能を維持し、本来の機能や構造、価値の理解を深めることに配慮しており、学内のみならず一般に公開して広く技術教育に寄与している。 日本工業大学収集の工業技術資料は、産業界の基礎を担う工作機械を中心として、我が国近代工業の発達の軌跡をたどる貴重な産業遺産であり、その歴史的・学術的価値は高い。各々の資料の本質的価値を保ちつつ、今後も保存・活用されることを期する。