国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
糸魚川木地屋の製作用具と製品コレクション 附木地屋関係文書
ふりがな
:
いといがわきじやのせいさくようぐとせいひんこれくしょん つけたりきじやかんけいもんじょ
糸魚川木地屋の製作用具と製品コレクション
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員数
:
1,421点 附40点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:木地製作用具・製品555点 漆器製作用具・製品866点 附 木地屋関係文書40点
※この用具に関する習俗は、昭和30年3月に「木地屋の生活伝承」として記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。
指定番号
:
00217
指定年月日
:
2006.03.15(平成18.03.15)
追加年月日
:
指定基準1
:
(二)生産、生業に用いられるもの 例えば、農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等
指定基準2
:
(三)地域的特色を示すもの
指定基準3
:
所在都道府県
:
新潟県
所在地
:
糸魚川市大字大所797-1
保管施設の名称
:
木地屋民俗資料館
所有者名
:
木地屋会
管理団体・管理責任者名
:
糸魚川木地屋の製作用具と製品コレクション
解説文:
詳細解説
この資料は、新潟県の最西端、糸魚川市の西端を流れる姫川上流の大所地区の木地屋が、木地製作および漆器製作に用いた用具とその製品を収集したものである。
この地域に木地屋が定住するのは天保年間といわれ、明治初期までは木地製作だけを行っていたが、以後は漆器製作や蒔絵製作まで行うようになった。
この資料は、木地製作用具・製品と漆器製作用具・製品に大きく分類され、それぞれに使用された用具や製作された製品が整理されている。すべてが同一集落内から収集されたため同所の木地屋の特色をよく示している。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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糸魚川木地屋の製作用具と製品コレクション
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解説文
この資料は、新潟県の最西端、糸魚川市の西端を流れる姫川上流の大所地区の木地屋が、木地製作および漆器製作に用いた用具とその製品を収集したものである。 この地域に木地屋が定住するのは天保年間といわれ、明治初期までは木地製作だけを行っていたが、以後は漆器製作や蒔絵製作まで行うようになった。 この資料は、木地製作用具・製品と漆器製作用具・製品に大きく分類され、それぞれに使用された用具や製作された製品が整理されている。すべてが同一集落内から収集されたため同所の木地屋の特色をよく示している。
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詳細解説
この資料は、新潟県の最西端に位置する糸魚川市の西端を流れる姫川上流の大所地区に居住した木地屋が、木地製作および漆器製作に用いたロクロ、チョウナ、ヘラ、ハケなどの用具とその製品を収集・整理したものである。 現在の糸魚川市は、昭和29年に糸魚川町、浦本村、上早川村、下早川村、大和川村、西海村、大野村、根知村、小滝村、今井村の一町九か村が合併してできた旧糸魚川市に、青海町、能生町が平成17年3月に合併してできた市である。 市の面積の大部分を山林が占め、日本海に面した地域から急峻な山に連なる地域まで変化に富んだ地形を有している。この資料の所在した大所地区は、その急峻な山中にあり、中でも木地屋が生活したのは大所の本村からさらに山に入った地域であり、天保期以降、木地屋が定住を始め、近代には9戸が存在した。 糸魚川市内で木地屋が活動していたのは大所地区のみである。木地屋は江戸時代までは移住しながら木地生産を行ってきたことが知られているが、大所地区に居住した木地屋が同地に定住を始めたのは地区に残された文書などから天保2年(1831)頃であることがわかっている。以来他所へ移住することなく同地で木地製作を営みながら生活し、分家などによって戸数を増やしながら明治3年(1870)には6戸、さらに最盛期には9戸の集落となった。これらの家がすべて木地屋仕事に従事して生計を立てていたが、明治初期には木地製作だけではなく、漆器製作も行うようになり、明治後期には蒔絵の製作まで行うようになった。このように木地製作だけでなく漆器製作も行うようになってからは集落内の各家が、それぞれ木地製作、漆器製作などを分業体制で行うようになった。しかしながら漆器製作は、第二次世界大戦後ほとんど行われなくなり、木地製作も最後まで残った刳物製作が平成15年頃で途絶えた。 この資料は大所で生活していた9戸の木地屋が自らの生活の歴史や文化を知ろうと結成した木地屋会によって集落内の各家から収集・整理されたものの中から精選したもので、すべてが同一集落内から収集されたため同所の木地屋の特色をよく示すコレクションとなっている。 木地製作用具・製品と漆器製作用具・製品に大きく分類され、それぞれに使用された用具や製作された製品が整理されている。 木地製作用具・製品は、椀類製作用具、膳製作用具、刳物製作用具、曲物製作用具などがある。このうち椀類製作用具には、原料となる木を切り倒すときに使用するダイギリノコ、倒した木の枝を払ったり細い木を玉切りするのに使用するガンドウ、原木から椀などの形に切り取るときに使用するカタオコシヨキ、さらに切り取った型を削っていくときに使用するカタウチチョウナ、ナカキリチョウナなど工程ごとに使い分けられた用具類がある。さらに削った木地型を整形していくときに使用するロクロや、大きさ、形をはかるのに使用するモノサシ、木地の表面をきれいに削るのに使用するゼンマイカンナ、シアゲカンナ、キヅクリカンナなどの鉋類、さらに木地表面をなめらかに仕上げるサメベラ、トクサベラなどのヘラ類もある。そのほか膳・刳物・曲物製作用具にはノミ、キリ、テンブリチョウナなどがある。 ロクロは夫婦二人で作業をした手引きロクロ、作業効率を上げるために導入されたスイシャロクロがあり、用具の変遷の一端を知ることができる。 製品にはこれらの用具を使用して製作された飯を盛るオヤワンやおかずを盛るのに使用したオカサなどの木地製品がある。 漆器製作用具・製品は、渋作り用具、漆塗り用具、蒔絵用具、塗り製品、交易用具、仕事場用具などがある。このうち渋作り用具は、漆を塗る前の下地作りに塗る柿渋を作るのに使用した用具類でウス、シブシボリキ、シブガメなどがある。また、原材料となる渋柿は長野県小谷村の農家から購入していたもので、カマスに入れて運んだという。漆塗り用具にはトノコベラやコクソネリベラ、ウルシベラ、ウルシハケ、テガタなどがある。蒔絵用具にはマキエフデ、マキエコンパスなどがある。 この資料は、こうした木地屋の生業の有り様をよく示すコレクションであり、かつ木地製作をもっぱら行ってきた木地屋が木地製作のみならず漆器製作も行うようになって以降の資料もあわせて収集されており、木地屋の生業の変遷を示す資料となっている。