国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
沢内及び周辺地域の積雪期用具
ふりがな
:
さわうちおよびしゅうへんちいきのせきせつきようぐ
沢内及び周辺地域の積雪期用具
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員数
:
1,792点
種別
:
衣食住に用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:衣生活用具297点 食生活用具170点 住生活用具192点 生産生業用具704点
交通関係用具75点 運搬用具272点 娯楽遊戯関係用具63点 信仰儀礼用具19点
指定番号
:
00165
指定年月日
:
1986.03.31(昭和61.03.31)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)衣食住に用いられるもの 例えば、衣服、装身具、飲食用具、光熱用具、家具調度、住居等
指定基準2
:
(二)生産、生業に用いられるもの 例えば、農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等
指定基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県
:
岩手県
所在地
:
和賀郡西和賀町沢内太田3-32
保管施設の名称
:
碧祥寺博物館
所有者名
:
(宗)碧祥寺
管理団体・管理責任者名
:
沢内及び周辺地域の積雪期用具
解説文:
詳細解説
北上川の支流和賀川の最上流に位置する沢内地域は、奥州と羽州を分ける奥羽山脈に抱かれた地域で、夏季にはヤマセの影響で凶作に悩まされ、長期に及ぶ積雪期には多雪の条件を強いられる自然環境下におかれてきた。
この収集は、沢内及び周辺地域の冬ごもりの準備から、翌春の消雪するまでに繰り広げられてきた生活の用具類を、他地域との比較を考慮しつつ、体系的にまとめたものである。家屋内に営まれる生活の用具類をはじめ、積雪期に展開されてきた種々の生産活動に使用されてきた用具類などが巨細に収集されており、めぐり来る春の訪れを待ちながら営々と生活してきた痕跡を即物的に知る上で貴重なものである。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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沢内及び周辺地域の積雪期用具
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解説文
北上川の支流和賀川の最上流に位置する沢内地域は、奥州と羽州を分ける奥羽山脈に抱かれた地域で、夏季にはヤマセの影響で凶作に悩まされ、長期に及ぶ積雪期には多雪の条件を強いられる自然環境下におかれてきた。 この収集は、沢内及び周辺地域の冬ごもりの準備から、翌春の消雪するまでに繰り広げられてきた生活の用具類を、他地域との比較を考慮しつつ、体系的にまとめたものである。家屋内に営まれる生活の用具類をはじめ、積雪期に展開されてきた種々の生産活動に使用されてきた用具類などが巨細に収集されており、めぐり来る春の訪れを待ちながら営々と生活してきた痕跡を即物的に知る上で貴重なものである。
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詳細解説
北上川の支流和賀川の最上流に位置する沢内地域(岩手県和賀郡西和賀町沢内)は、奥州と羽州を分ける奥羽山脈に抱かれた地域である。 この地域で生活してきた人々は、夏季にはヤマセの影響で凶作に悩まされ、長期に及ぶ積雪期には多雪の条件を強いられる自然環境下におかれてきた。このような条件は、現在でも基本的に解消されることなく、江戸時代に書かれた『沢内風土記』・『沢内年代記』などに記されている生活の伝統を後々まで継承する側面が少なくなかった。 この収集は、20数年間の歳月をかけ、沢内及び周辺地域の冬ごもりの準備から、翌春の消雪するまでに繰り広げられてきた生活の用具類を、他地域との比較を考慮しつつ、体系的にまとめたものである。 家屋内に営まれる生活の用具類をはじめ、積雪期に展開されてきた種々の生産活動に使用されてきた用具類などが巨細に収集されており、めぐり来る春の訪れを待ちながら営々と生活してきた痕跡を即物的に知る上で貴重な内容となっている。 収集された積雪期用具には生活の知恵と工夫により、自然条件に適応しようとする意識の投影されているものが少なくない。例えば、衣生活用具ではトラボウ、食生活用具では穀物貯蔵用の丈夫で大型のキッツ(くりものの器)類、ワラビ根の澱粉を取るのに使用したネブネ(根槽の意味)類、収穫した粟の穂を乾燥させるのに使用したアワホシカゴ類などは特筆に値する。住生活用具でも除雪のために使われてきた各種のユキベラ類がある。また、ユキグワはユキベラと同じく除雪のために使用された用具で大変珍しいものである。 冬季における生産活動に使用された用具では、家屋内で営んだ藁仕事の各種のベラボウ(型)、女性の手仕事として重視されてきた紡織の用具のほか、穀類の脱穀・調整用のカラハシ・ミ・コメツキウスなどがある。また、豊富なブナ材を使用した杓子作りの用具やナラ材などの雑木を焼いて炭にする炭焼き用具もある。 交通・運搬用具では、雪中の歩行用具として不可欠なカンジキ類、積雪を踏み固めるのに使用したフミダワラなど、また、薪材運搬用のトバ(根曲がり竹を利用した橇)や、建築用材などを搬出するために使用した各種のヤマゾリがその附属用具とともに収集され、これらは冬季における木材運搬がいかに活発であったかを物語る資料として価値が高い。 娯楽遊戯用具では、子供たちが屋外で遊んだソリ・スキー・ゲタスケートやアナイチ(穴一)等、小正月に使われたホラギ(木の法螺)・厄払い人形など、地域的特色のある信仰儀礼用具もある。 この収集は、南北に連なる奥羽山脈のうち沢内地域を中心にして周辺地域までにわたる積雪期用具を集成したものである。積雪期の生活を即物的に知るうえで貴重であるばかりでなく、この地域の人々が一年を通して自然環境に適応しながら、いかに生活してきたかを具体的に理解するうえからも極めて重要な資料である。