国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
岩谷十八夜観音庶民信仰資料
ふりがな
:
いわやじゅうはちやかんのんしょみんしんこうしりょう
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[筮竹・算木]
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
951点
種別
:
信仰に用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:トドサマ37点 梓弓22点 数珠36点 筮竹・算木23点 剣18点 外法箱7点 鏡205点 絵馬72点
鰐口・鈴12点 祈願札389点 その他130点
※山形県の巫女の習俗は、昭和53年12月8日に「村山地方のオナカマ習俗」として記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。
指定番号
:
00158
指定年月日
:
1984.05.22(昭和59.05.22)
追加年月日
:
指定基準1
:
(六)信仰に用いられるもの 例えば、祭祀(し)具、法会具、奉納物、偶像類、呪(じゆ)術用具、社祠(し)等
指定基準2
:
(七)民俗知識に関して用いられるもの 例えば、暦類、卜(ぼく)占用具、医療具、教育施設等
指定基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県
:
山形県
所在地
:
東村山郡中山町長崎6005
保管施設の名称
:
中山町立歴史民俗資料館
所有者名
:
日月寺
管理団体・管理責任者名
:
中山町
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[筮竹・算木]
解説文:
詳細解説
我が国には、古くから、庶民の依頼にこたえて神がかりし、神意を託宣する巫女がいた。山形県村山地方は、こうした巫業が盛んだった典型的な地域の一つで、オナカマと呼ばれる巫女たちによる巫業を介して庶民信仰が濃厚に展開されてきた。
この庶民信仰資料は、オナカマや信者たちから篤く信奉されてきた岩谷十八夜観音をめぐる関係資料を体系的にとりまとめたもので、オナカマの巫業に関わるもの、信者から岩谷十八夜観音に奉納されたもの、および前二者に密接な関係にある関連資料を網羅する内容となっている。岩谷十八夜観音をめぐる庶民信仰の実態と推移を即物的に理解することができるものである。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[筮竹・算木]
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[トドサマ]
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[梓弓]
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[イラタカの数珠]
参考:岩谷十八夜観音堂
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[眼病平癒祈願絵馬-1 嘉永5年(1852)]
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[眼病平癒祈願絵馬-2 文久2年(1862)]
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[眼病平癒祈願絵馬-3 慶應2年(1866)]
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[筮竹・算木]
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[トドサマ]
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[梓弓]
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[イラタカの数珠]
写真一覧
参考:岩谷十八夜観音堂
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[眼病平癒祈願絵馬-1 嘉永5年(1852)]
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[眼病平癒祈願絵馬-2 文久2年(1862)]
写真一覧
岩谷十八夜観音庶民信仰資料[眼病平癒祈願絵馬-3 慶應2年(1866)]
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
我が国には、古くから、庶民の依頼にこたえて神がかりし、神意を託宣する巫女がいた。山形県村山地方は、こうした巫業が盛んだった典型的な地域の一つで、オナカマと呼ばれる巫女たちによる巫業を介して庶民信仰が濃厚に展開されてきた。 この庶民信仰資料は、オナカマや信者たちから篤く信奉されてきた岩谷十八夜観音をめぐる関係資料を体系的にとりまとめたもので、オナカマの巫業に関わるもの、信者から岩谷十八夜観音に奉納されたもの、および前二者に密接な関係にある関連資料を網羅する内容となっている。岩谷十八夜観音をめぐる庶民信仰の実態と推移を即物的に理解することができるものである。
詳細解説▶
詳細解説
我が国には、古くから、庶民の依頼にこたえて神がかりし、神意を託宣する巫女がいた。なかでも東北地方や奄美・沖縄諸島は、巫女たちによる口寄せ・加持祈祷・卜占が近年まで幅広く行われてきた地域とされている。 山形県村山地方は、こうした巫業が盛んだった典型的な地域の一つで、オナカマと呼ばれる巫女たちによる巫業を介して庶民信仰が濃厚に展開されてきたが、時代の推移に伴って衰滅の危機に瀕しているのが現状である。 この庶民信仰資料は、オナカマやその信者たちから篤く信奉されてきた岩谷十八夜観音をめぐる関係資料を体系的にとりまとめたもので、オナカマの巫業に関わるもの、信者から岩谷十八夜観音に奉納されたもの、およびこの二者に密接な関係にある関連資料を網羅する充実した内容となっている。 オナカマたちが巫業の実際に使用してきたものには、トドサマ(神おろしや託宣の際に使用)、アズサユミ(死霊をおろし口寄せするのに使う)、数珠(祈祷・卜占用)、剣(祈祷用)、筮竹・算木(卜占用)、外法箱(諸用具を収め巫業の実際に使う)などがある。これらのものは、使用するオナカマが亡くなると酒一升を添えて岩谷十八夜観音堂に納められたり、師匠から弟子に譲り渡されることもあって一様ではなかった。 例えば、トドサマは竹の棒を使ったものが多く、これに真綿をくくりつけたり、紅花染めの絹布を着せたり、またこれが全体的に着ぶくれしていることが地域的特色となっている。また、むくろじ(ムクロジ科の喬木)の実をつないで作られているいらたかの数珠には、獣(クマ、イノシシなど)の牙や骨・角、貝殻(タカラガイなど)、翡翠、古銭などをはさんでおり、いかにも呪術性に富むものといえる。 岩谷十八夜観音に奉納されたものには、この観音が巫女の守護神、眼病の神として信仰されてきたことから、巫業に使用されたもののほか、鏡・絵馬・鰐口・祈願札などがある。これらのうち、絵馬は、宝暦5年(1755)銘のものが最も古く、鏡を取りつけたものや眼病平癒を祈願する参詣図柄のものが多く含まれている。なかには享和3年(1803)銘の獅子踊りの図柄など信仰の多様性を物語るものが含まれている。また、祈願札では、眼病平癒を具体的に明記するものが多い。 その他の関連資料には、オナカマの入巫・成巫や巫業に使われた用具、岩谷十八夜観音の縁日関係資料など、往時の盛況を物語る資料などがおさめられている。 この資料は、岩谷十八夜観音をめぐる庶民信仰の実態と推移を即物的に理解する上で貴重であるばかりでなく、地域的特色のある巫女の信仰用具類の集成であることでも重要なものである。