国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
秋山郷及び周辺地域の山村生産用具
ふりがな
:
あきやまごうおよびしゅうへんちいきのさんそんせいさんようぐ
秋山郷及び周辺地域の山村生産用具
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員数
:
1,686点(1.057+629)
種別
:
生産、生業に用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:自然物採集用具143(0+143)点 山樵用具79(41+38)点 木工用具270(219+51)点 藁仕事及びその他の仕事用具156(136+20)点 諸職関係用具145(18+127)点 狩猟・漁撈用具117(72+45)点 農耕用具181(149+32)点 畜産用具42(36+6)点 養蚕用具47(43+4)点 染織用具172(163+9)点 運搬・交易用具120(74+46)点 仕事着68(64+4)点 飲食・灯火具29(29+0)点 信仰用具117(13+104)点
指定番号
:
00122
指定年月日
:
1976.08.23(昭和51.08.23)
追加年月日
:
1991.04.19(平成3.04.19)
指定基準1
:
(二)生産、生業に用いられるもの 例えば、農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等
指定基準2
:
(三)地域的特色を示すもの
指定基準3
:
(六)職能の様相を示すもの
所在都道府県
:
新潟県
所在地
:
中魚沼郡津南町大字中深見乙827
保管施設の名称
:
津南町歴史民俗資料館
所有者名
:
津南町
管理団体・管理責任者名
:
秋山郷及び周辺地域の山村生産用具
解説文:
詳細解説
この資料は、信濃川上流域の豪雪地帯として知られる秋山郷とその周辺地域の山村生産活動の特色を示す山樵用具・木工用具・狩猟用具・農耕用具・染織用具・諸職関係用具・信仰用具などと、それらによる製品を巨細にとりまとめたものである。
秋山郷に代表されるこの地域は、豊富な自然に囲まれそれらを巧みに利用しながら伝統的な生活が営まれてきたところである。例えば、自然物採集用具は、この地域の日常生活に密接に関連する資料や、日常品の素材の採取に用いられる用具である。また諸職用具は、木羽屋根職の用具をはじめ、茅屋根職、漆掻き、和蝋燭作り、ホエズ製作・紙漉き、漁網製作の各用具があり、この地域の伝統的な職種の用具が網羅されている。
また、信仰用具には、カマガミサマと呼ぶ家の神のほか、小正月行事の用具や講関係用具などがある。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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秋山郷及び周辺地域の山村生産用具
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秋山郷及び周辺地域の山村生産用具
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解説文
この資料は、信濃川上流域の豪雪地帯として知られる秋山郷とその周辺地域の山村生産活動の特色を示す山樵用具・木工用具・狩猟用具・農耕用具・染織用具・諸職関係用具・信仰用具などと、それらによる製品を巨細にとりまとめたものである。 秋山郷に代表されるこの地域は、豊富な自然に囲まれそれらを巧みに利用しながら伝統的な生活が営まれてきたところである。例えば、自然物採集用具は、この地域の日常生活に密接に関連する資料や、日常品の素材の採取に用いられる用具である。また諸職用具は、木羽屋根職の用具をはじめ、茅屋根職、漆掻き、和蝋燭作り、ホエズ製作・紙漉き、漁網製作の各用具があり、この地域の伝統的な職種の用具が網羅されている。 また、信仰用具には、カマガミサマと呼ぶ家の神のほか、小正月行事の用具や講関係用具などがある。
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詳細解説
この資料は、信濃川上流域の豪雪地帯として知られる秋山郷とその周辺地域の山村生産活動の特色を示す山樵用具・木工用具・狩猟用具・農耕用具・染織用具・諸職関係用具・信仰用具などと、それらによる製品を巨細にとりまとめたものである。 昭和51年8月に指定された1057点に、昭和49年に設置された津南町歴史民俗資料館の活動と地域住民の協力によって新たに収集された629点を加えたものである。 追加資料では、自然物採集用具の項を設けてその関係資料を追加するとともに、既存の諸職関係用具・信仰用具の項を中心に資料を追加し、内容をさらに補強・充実している。 秋山郷に代表されるこの地域は、豊富な自然に囲まれそれらを巧みに利用しながら伝統的な生活が営まれてきたところである。自然物採集用具は、主にこの地域の日常生活に密接に関連する資料や、日常品の素材の採取に用いられる用具を内容とする。資料は直接採取に用いる用具と栃の実などの加工用具及び素材・製品からなる。 このなかでも栃の実の加工用具は、この地域の食生活を特色づけるものとして重要である。栃の実は、秋山郷においては救荒食料であるばかりでなく、主食ともいえるほど高い位置を占めている。この地方の栃の実の一般的な食べ方は、乾燥保存しておいたものを必要に応じて取り出し、皮を剥いて水に漬けさらに木灰をまぶしてアク抜きをし、煮て粉にする。これを雑穀粉と混ぜてアンボと呼ぶ焼き餅としたり、あらかじめ搗いてある餅に混ぜて栃餅とするものである。今回はそれらに必要な用具に加えて、栃の実を採集後ただちに食用に供するためのトチザワシと呼ばれるアク抜き加工法に用いられる用具も含んでおり注目される。このトチザワシは、生の実に囲炉裏の熱灰をかけて表皮を焼き、石の上でテッコという棒で叩いて皮を剥いた後、水から煮て糊状とし、これをサワシダイに載せ流水をかけてアク抜きをする方法である。この二通りの加工方法は、我が国の基盤的な食文化を考える上で貴重なものである。 諸職用具は、木羽屋根職の用具をはじめとして、茅屋根職、漆掻き、和蝋燭作り、ホエズ製作・紙漉き、漁網製作の各用具があり、この地方の伝統的な職種の用具が網羅されている。 このうち、ホエズ製作の用具は、原野に自生する薄【すすき】のホエ(穂茎)のうち極細のものを採取し、馬の尻毛を編み糸として紙漉き用の簀を編む用具である。この地は地味が痩せていることもあり、古くから極細のホエの多いところとして他所からもホエズ製作業者が採取に訪れた。 厳しい自然に囲まれた山間地はまた、豊かな信仰を育んだ。秋山郷ではカマガミサマと呼ぶ家の神があり、正月3日にカマガミサマの年取りと呼ばれる行事がある。小正月には木製双体の神像を作り年ごとに更新して祀る。この神像の形態は集落などによってさまざまである。このほか、小正月行事の用具や講関係用具などもあり、この地域の信仰生活を知る上で貴重なものである。