国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
十日町の積雪期用具
ふりがな
:
とうかまちのせきせつきようぐ
十日町の積雪期用具
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員数
:
3,868点
種別
:
衣食住に用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:衣生活用具569点 食生活用具655点 住生活用具575点 生産・生業用具1285点 交通・通信用具97点 運搬用具171点 社会生活用具19点 民俗知識用具25点 娯楽・遊戯用具226点 信仰・儀礼用具246点
指定番号
:
00187
指定年月日
:
1991.04.19(平成3.04.19)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)衣食住に用いられるもの 例えば、衣服、装身具、飲食用具、光熱用具、家具調度、住居等
指定基準2
:
(二)生産、生業に用いられるもの 例えば、農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等
指定基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県
:
新潟県
所在地
:
新潟県十日町市西本町1
保管施設の名称
:
十日町市博物館
所有者名
:
十日町市
管理団体・管理責任者名
:
十日町の積雪期用具
解説文:
詳細解説
越後は、日本海に面する地理的位置と冬季における西高東低の気圧配置に伴う気候の影響などにより、全国有数の多雪地に数えられ、近年まで積雪期を過ごす人々の生活に伝統的な雪国の特色が顕著にみられた。
この資料は、町場をはじめ、周辺の信濃川沿いの村々や山手の村々を含めた十日町市全域から広く収集されたものである。
冬ごもりの準備から翌春の消雪するまでの約半年に及ぶ期間に繰りひろげられてきた生活の諸相をきめ細かに裏付ける用具類で構成され、この地域の人々が積雪にいかに適応して生活してきたかの諸相を裏付ける貴重なものとなっている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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十日町の積雪期用具
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十日町の積雪期用具
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解説文
越後は、日本海に面する地理的位置と冬季における西高東低の気圧配置に伴う気候の影響などにより、全国有数の多雪地に数えられ、近年まで積雪期を過ごす人々の生活に伝統的な雪国の特色が顕著にみられた。 この資料は、町場をはじめ、周辺の信濃川沿いの村々や山手の村々を含めた十日町市全域から広く収集されたものである。 冬ごもりの準備から翌春の消雪するまでの約半年に及ぶ期間に繰りひろげられてきた生活の諸相をきめ細かに裏付ける用具類で構成され、この地域の人々が積雪にいかに適応して生活してきたかの諸相を裏付ける貴重なものとなっている。
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詳細解説
『北越雪譜』(鈴木牧之著、天保6~7年〈1835~1836〉)で知られる越後は、日本海に面する地理的位置と冬季における西高東低の気圧配置に伴う気候の影響などにより、全国的にも有数の多雪地に数えられている。そこには、最近まで、長期にわたる積雪期を過ごす人々の生活に伝統的な雪国の特色が顕著に見られた。 この資料は、越後縮織りの集散地として発展してきた町場をはじめ、周辺の信濃川沿いの村々や背後に点在する平地・山手の村々を含めた十日町市全域から、約20年の歳月をかけて広く収集されたものである。 冬ごもりの準備から翌春の消雪するまでの約半年に及ぶ期間に繰りひろげられてきた生活の諸相をきめ細かに裏付ける用具類で構成されている。衣・食・住、生産・生業に用いられるものをはじめ、交通・通信、運搬、社会生活、民俗知識、娯楽・遊戯、信仰・儀礼に用いられるものを含めて体系的にまとまっている。 それらを全体として通観するとき、積雪(雪害)から、いかにして家屋や社会の生活を守り維持しようとしたかを語る用具類、越冬の日常生活がいかなる実態であったかを実証する用具類、積雪に対処して、その特性をいかに利用してきたかを跡付ける用具類、及び長い積雪期間中に折々なされてきた年中行事などの様相を伝える用具類など、多岐におよんでいる。しかも、それらが相互に補完しあい、全体として、越後十日町地方に繰りひろげられてきた積雪期の生活の地域的特色を彷彿とさせる内容となっている。 いくつか注目されるものをあげてみると、例えば、除雪用のコシキ(木鋤)・ユキドイ(雪樋)・ユキグシ(雪串)・ハシゴ(梯子)、道開け用のミチフミバン(木製の道踏み当番表)などが挙げられる。 また、衣生活用のワタコ(真綿製の背中覆い)やスッポン(長沓型)・ワラグツ(短沓型)など各種の稲藁製の履物、食生活用のツケモノオケ(漬物桶)・ミソオケ(味噌桶)・コネバチ(捏鉢〈木鉢〉)、住生活用のヨオギ(綿入れ袖付き布団)・ネシキブイトウ(継ぎ敷布)などはこの地域の生活の様相をよく示している。 生産・生業の関係では、種子物保存用のスジダワラ(小型の俵)・フクベ(夕顔・瓢)・タナモノカゴ(籠)などをはじめ、手仕事用のノメシ(草鞋用)・スッポンガタ(スッポン用)・ミノックビ(蓑の衿首用)やワタコガタ(ワタコ用)など各種細工物の型、狩猟用のベエ(棒状)・スッペ(藁苞型)・マト(桟俵型)などの威嚇猟具やホネツブシと呼ばれる骨叩き台石、一連の鍛冶屋用具などはよくまとまっている。 交通・通信用では、ワカンジキのほかにスカリ・ゴカリと呼ばれる細長く特大の道踏み用具や、ハンギ(板木)やタテフダ(立札)など珍しい通信用具が含まれている。さらに、運搬用具としてヤマゾリ(二本橇)・シュラ(大型橇)・キャクゾリ(客用の橇)など各種のものが数えられる。 これら用具類と並んで、ナガシゴト(仕事納めの共同飲食)の際に用いられるクワガラ(鍬柄)・オブケ(苧桶)・ジュズ(数珠)、遊戯用のスキー・コドモゾリ、積雪期と重なって繰りひろげられる正月行事のツクリモノ(歳神棚用の菰や小正月の火祭り用の木像など)、春先の山遊び用のハナテショ(受け皿)など地域性の顕著なものが含まれている。 この資料は、雪国越後魚沼地方の自然条件にいかに適応して生活してきたかの諸相を裏付ける一括資料として貴重であるばかりでなく、多雪地に広く見られる積雪期用具の一典型をなす比較資料としても重要なものである。