国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家
ふりがな
:
はくさんろくにしたにのじんせいぎれいようぐおよびみんか
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家
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員数
:
1,827点,1棟
種別
:
人の一生に関して用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:出産儀礼関係195点(158+37) 生育儀礼関係189点(181+8) 成人儀礼関係84点(82+2) 婚姻儀礼関係845点(718+127) 厄年・年祝関係80点(76+4) 葬送・供養関係409点(373+36) 墓制関係25点(24+1) 民家1棟
指定番号
:
00161
指定年月日
:
1983.04.13(昭和58.04.13)
追加年月日
:
1984.05.22(昭和59.05.22)
指定基準1
:
(一)衣食住に用いられるもの 例えば、衣服、装身具、飲食用具、光熱用具、家具調度、住居等
指定基準2
:
(九)人の一生に関して用いられるもの 例えば、産育用具、冠婚葬祭用具、産(うぶ)屋等
指定基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県
:
石川県
所在地
:
小松市丸の内公園町19番地
保管施設の名称
:
小松市立博物館
所有者名
:
小松市
管理団体・管理責任者名
:
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家
解説文:
詳細解説
この資料は、白山麓西谷の小原やそれに隣接する地域で、人生の節目に行われてきた儀礼の際に使用された用具類を収集したものである。出産から育児、成人儀礼、婚礼、厄年・年祝い、葬送、墓制などの諸用具が系統的にとりまとめられており、地域的特色の豊かな用具類も多い。
なお、昭和59年に追加指定した資料は、白山麓西谷の旧石川郡鳥越村渡津に所在した民家1棟とその家付きの人生儀礼用具で、民家には人生儀礼の実態と推移を知る上での特色がみられる。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家(イズメ)
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家(イワイギ)
白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家(ウワガン)
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白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家
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白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家(イズメ)
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白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家(ウワガン)
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解説文
この資料は、白山麓西谷の小原やそれに隣接する地域で、人生の節目に行われてきた儀礼の際に使用された用具類を収集したものである。出産から育児、成人儀礼、婚礼、厄年・年祝い、葬送、墓制などの諸用具が系統的にとりまとめられており、地域的特色の豊かな用具類も多い。 なお、昭和59年に追加指定した資料は、白山麓西谷の旧石川郡鳥越村渡津に所在した民家1棟とその家付きの人生儀礼用具で、民家には人生儀礼の実態と推移を知る上での特色がみられる。
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詳細解説
昭和58年4月13日指定の「白山麓西谷の人生儀礼用具」は、ダムで水没した小原やそれに隣接する地域で、人生の節目に行われてきた儀礼の際に使用された用具類を20数年間をかけて収集整理してきたものである。 出産から育児、成人儀礼、婚礼、厄年・年祝い、葬送、墓制などの諸用具が系統的にとりまとめられている。このうち例えば、座産に使った力綱、へその緒を切ったゾンベラ(竹製)、育児に使われたイヅメ(嬰児入れ)、恋愛関係にある男女間で交わされた品々、成人に際しての宮参りや嫁入りでの履き物、婚礼の宴席中に投げ込まれた藁製の祝い品、葬送のために用意されたヨウガイイタ(棺などの用材)などは地域的特色の豊かな用具類である。 昭和59年5月22日に追加する資料は、昭和58年10月、白山麓西谷の旧石川郡鳥越村渡津に所在した民家1棟を小松市吉竹町元若杉ツ27番地(吉竹保健休養林内)に移築復元したものとその家付きの人生儀礼用具215点である。 この民家は、江戸時代末期の創建と推定され、規模は桁行14.42㍍、梁間8.01㍍、屋根は寄棟造りの茅葺で積雪に対処するため急勾配になっている。両妻には庇屋根を付したヒダチ(明り取り窓)があり、積雪の多い冬季には、そこが人々の出入り口や薪運搬の取り入れ口などに使われた。出入り口は、当初は妻入りであったが、明治初期に鳥越村相滝から同村内の渡津に移築した際、敷地の関係から現状の平入りに改変されている。 民家の内部は馬屋を一部に囲った土間部分(ニワ)と三間取り(オエ、デイ、ネドコ)の床上部分とからなり、デイには仏壇の間が、またネドコにはミソグラがそれぞれ部屋奥に付設されている。畳敷きはデイ部分のみで、オエ・ネドコは板敷きである。本屋より葺きおろした庇下には、シモネドコ・エンガワ・外便所が設けられている。シモネドコは二世代家族になった後の増築部分で、建築形式は新しいもののこの民家で営まれた人生儀礼に深い関わりがある。 人生儀礼の実態と推移を知る上でのこの民家の特色には種々の点を挙げうるが、なかでも、通常老夫婦の寝室に当てられたシモネドコが主婦のお産に際しては出産用の部屋として使用されたこと、ミソグラには主食糧と味噌が保存されていてネドコを使用する者以外の家人は容易に出入りできなくなっていたこと、ネドコの上のアマ(天井裏)は壁で仕切られた空間になっていて重病人に服用させるヨウガイ薬や葬送儀礼に用いる花の材料であるヨウガイ紙などの収納用に使われたこと、および馬屋の上のアマは棺などの用材であるヨウガイ板や火葬用の炭であるヨウガイ炭などの収納空間として利用されたことなど、厳しい自然環境に制約されて営まれてきた儀礼を物語る側面が少なくない。 関連用具215点には、この民家で使われてきた出産関係用具、婚姻儀礼関係用具などを含み、それら用具は、人生儀礼の諸相を理解する上で貴重なものである。 この資料は、白山麓西谷に生活してきた人々が人生の節目に行ってきた各種の人生儀礼に使用した用具を体系的にとりまとめたものであり、この地域の人生儀礼の様相を知る上で重要である。