国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
重要有形民俗文化財
主情報
名称
:
木曽塗の製作用具及び製品
ふりがな
:
きそぬりのせいさくようぐおよびせいひん
木曽塗の製作用具及び製品
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
3,729点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
年代
:
その他参考となるべき事項
:
内訳:材料関係178点 木地関係1100点 塗関係490点 加飾関係398点 製品1022点 販売217点 職人生活149点 信仰・儀礼87点 その他88点
指定番号
:
00188
指定年月日
:
1991.04.19(平成3.04.19)
追加年月日
:
指定基準1
:
(二)生産、生業に用いられるもの 例えば、農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等
指定基準2
:
(三)地域的特色を示すもの
指定基準3
:
(六)職能の様相を示すもの
所在都道府県
:
長野県
所在地
:
塩尻市大字木曽平沢2324-150
保管施設の名称
:
木曽漆器館
所有者名
:
塩尻市
管理団体・管理責任者名
:
木曽塗の製作用具及び製品
解説文:
詳細解説
我が国では全国各地に特色ある塗物の産地が形成され、洗練された漆芸を生みだすとともに、人々の生活に器物用具類を供給してきた。木曽塗の産地、楢川は、そうした漆器の産地の一つで、主に檜材を用いた曲物木地と桂材を用いた指物による木地の産地として知られている。
この資料は、旧楢川村が収集・整理したもので、木曽路にあって他の追随を許さぬほどに質量ともに充実している。その内容は、漆器製作の材料関係用具、木地関係用具、塗関係用具、加飾関係用具とそれらを用いて作られた製品をはじめ、関係の販売用具、職人生活用具及び信仰儀礼用具などで構成されている。製作工程を基軸に体系的にまとめられており、相互に補完し合って木曽塗の実態と変遷を語るにふさわしいものとなっている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
木曽塗の製作用具及び製品
木曽塗の製作用具及び製品
木曽塗の製作用具及び製品
写真一覧
木曽塗の製作用具及び製品
写真一覧
木曽塗の製作用具及び製品
写真一覧
木曽塗の製作用具及び製品
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
我が国では全国各地に特色ある塗物の産地が形成され、洗練された漆芸を生みだすとともに、人々の生活に器物用具類を供給してきた。木曽塗の産地、楢川は、そうした漆器の産地の一つで、主に檜材を用いた曲物木地と桂材を用いた指物による木地の産地として知られている。 この資料は、旧楢川村が収集・整理したもので、木曽路にあって他の追随を許さぬほどに質量ともに充実している。その内容は、漆器製作の材料関係用具、木地関係用具、塗関係用具、加飾関係用具とそれらを用いて作られた製品をはじめ、関係の販売用具、職人生活用具及び信仰儀礼用具などで構成されている。製作工程を基軸に体系的にまとめられており、相互に補完し合って木曽塗の実態と変遷を語るにふさわしいものとなっている。
詳細解説▶
詳細解説
漆器の国と呼ばれてきた我が国には、全国各地に特色ある塗物の産地が形成され、洗練された漆芸を生みだす基盤となり、同時に人々の生活に潤いを与える器物用具類を供給してきた。 木曽塗の産地である楢川は、数多くある漆器の産地の一つで、主として檜材を用いる曲物木地と桂材を用いる指物による堅牢簡素な木地の漆器産地として知られている。 木曽塗の起源については諸説あって必ずしも明確ではないが、江戸時代以降と考えられる。楢川は、当地で「姫街道」とも呼ばれた中山道沿いに位置することから、旅人の手軽な土産品として塗櫛の需要が高まりを見せ、一時は櫛問屋が軒を並べるほどで、これが今日の漆器生産隆盛の基盤となった。 この資料は、旧楢川村が約20年の歳月をかけて収集・整理したものであり、木曽路にあっては他の追随を許さぬほどに質量ともに充実している。 その内容は、漆器製作の材料関係用具、木地関係用具、塗関係用具、加飾関係用具とそれらを用いて作られた製品をはじめ、関係の販売用具、職人生活用具及び信仰儀礼用具などで構成されている。それらは、製作工程を基軸に体系的にまとめられており、相互に補完し合って木曽塗の実態と変遷を語るにふさわしいものとなっている。 この資料に収められている製作用具には、特色あるものが数多くある。材料関係用具では、本堅地の下地付けに効果を発揮した地元産の錆土(鉄分の多い気泡性のある土)の採取用具一式が含まれている。 また、木地関係用具では、曲物木地用具・挽曲物木地(鋸で切り込みを入れてから曲げた木地)用具が質量ともに充実している。 また、ハビキノコ(歯挽き鋸)・ザル(笊)などに見られる櫛木地用具は極めて珍しく、手仕事の繊細さ器用さを彷彿とさせるものである。 塗関係用具では、いわゆる春慶塗、本堅地塗及び変塗に応じた用具が収集されており、各々の製作工程の細部を知る上で貴重なものである。 加飾関係用具では、沈金用の様々なノミ(鑿)など輪島塗や会津塗など他の漆器産地との技術伝播ないし交流のあった証となるものが目につく。 さらに絵櫛関係では、手描き用のフデ(筆)のほか、判押し用のインバン(印判)など、その需要にいかに腐心したかの一面を物語るものが含まれている。 これら製作用具を駆使して製作された製品には、曲物木地のメンパ(弁当入れ)・ボン(盆)、挽曲物木地を素材としたカクメンパ(角型の弁当入れ)・ソウワゼン(宗和膳)、指物木地のジュウバコ(重箱)や各種の膳類、変塗製品としてのザタク(座卓)及び京型・大月型・おはつ型等の多様な塗櫛などが収められている。これらの製品は、量・質ともに優れたもので、木曽塗の特色をうかがわせると同時に、楢川の人々がいかに創意工夫を凝らして、その製作に打ち込んできたかの軌跡をよく示すものでもある。 関係の販売用具では、店売りあるいはタナ売り(卸)の実際に使われた看板、商品印、出荷印、ツボ売り(行商)用の塗見本や大風呂敷などが収められている。それらは漆器販売の具体相を伝えるものである。 職人生活用具には、仕事場や職人の日常生活の実際を知るために不可欠な仕事着・飲食器・家具などが含まれる。 信仰儀礼用具には、年季明けや仕事始めなどの儀礼に関わるものを網羅している。 この資料は、自然条件と社会環境を巧みに摂取しながら、特色ある製品を世に供給してきた地場産業関係の資料として貴重であるばかりでなく、各地に点在する漆器産地に伝わる用具・製品の比較資料としても重要である。