国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要無形民俗文化財
主情報
名称
:
角館祭りのやま行事
ふりがな
:
かくのだてまつりのやまぎょうじ
角館祭りのやま行事
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年9月7~9日(※指定当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
※この行事は平成28年に「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載されている
指定証書番号
:
1
指定年月日
:
1991.02.21(平成3.02.21)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
指定基準2
:
指定基準3
:
所在都道府県、地域
:
秋田県
所在地
:
保護団体名
:
角館のお祭り保存会
角館祭りのやま行事
解説文:
詳細解説
角館祭りのやま行事は、城下町として発展をみた角館の行事で、「佐竹北家日記」に初見される。町人の居住する外町の発展により規模を拡張してきたものであるが、置き山を所定の場所に設けること、各丁内に張り番(祭り宿)を置いて渉外交渉に当たること、曳き山が丁内の若者を主体にして曳きまわされること、およびその上で囃子が演ぜられることなどの地域的特色がみられる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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角館祭りのやま行事
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角館祭りのやま行事
解説文
角館祭りのやま行事は、城下町として発展をみた角館の行事で、「佐竹北家日記」に初見される。町人の居住する外町の発展により規模を拡張してきたものであるが、置き山を所定の場所に設けること、各丁内に張り番(祭り宿)を置いて渉外交渉に当たること、曳き山が丁内の若者を主体にして曳きまわされること、およびその上で囃子が演ぜられることなどの地域的特色がみられる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
角館祭りのやま行事は、9月7日から9日に行われる城下町として発展をみた角館の行事で、「佐竹北家日記」(元禄14年(1701)に初見される。当初は12月8日の薬礼で行われていたことがわかるが、その後紆余曲折を経て9月7日から9日に行われることとなった。 この行事は、外町(町人の居住する地区。内町に対する)の発展により規模を拡張し、新たな要素を加えてきたものであるが、大筋においては置き山(飾り山)を所定の場所に設けること、各丁内(外町を構成する基本となる単位を丁という)に張り番(祭り宿)を置いて渉外交渉に当たること、曳き山が丁内の若者を主体にして曳きまわされること(明治末期ごろまでは舁き山が見られた)およびその上で囃子が演ぜられることなどでは伝統をよく継承している。それらのいずれにおいても地域的特色が顕著であり、手数を要する諸準備もあって9月に入ると祭り気分が盛り上がりを見せる。 置き山は、神明社鳥居前と成就院薬師堂前と通称「立町」の十字路の3か所に設けられる。往時は各丁内の空き地や有力者の庭に設けられたと伝えている。立木を利用して芯棒とし、骨組の頂きには必ず目籠を用いる慣例であり、左右にコブ(出っ張りで岩の意)をあしらい、中央の山形との継ぎ目を谷に見立てるとともに、前面の中段をミズヤ(水屋)と称している。それらを黒っぽい木綿布で覆い、谷間などには松を、ミズヤにはエングレ(野芝)・ネズコ(犬黄楊【いぬつげ】)を植え、武者人形を配して仕上げている。 張り番と呼ばれる祭り宿は、曳き山を出している各丁内にあり、座敷の中央に天照皇大神(天照大神)・薬師瑠璃光如来の掛軸を掛ける。道に面する中央に張り番の表礼を立て、松・ススキ・エングレ・ネズコを添えて飾る。祭りの期間中、年番長などの役員が詰めていて丁内を通行する曳き山の進行のため交渉に来る他丁の若者の相手となったり、承認を与えたりする。 曳き山には、置き山と同じように木綿布で覆った山形を設け等身大の武者人形を配する。神明社・薬師堂へ参詣し囃子を奉納する場合をノボリヤマ(上り山)と称し、奉納後に曳きまわされる場合をクダリヤマ(下り山)という。8日の祭り日などにはそれらが相互に反対方向から進行してきて交叉する。その際はノボリヤマに優先権があって道を譲る慣例ながら、双方で交渉が持たれても決裂した場合には、ヤマブッツケ(山ぶっつけ)におよぶことがある。 この曳き山を曳きまわす場合には、その場面に応じて「上り山囃子」(ノボリヤマの場合)、「道中(下り山囃子)」(クダリヤマの場合)、「けん囃子」「二本竹」(立ち止まっている時)などが奏でられる。また、曳き山が止まると、その前方部を占める舞台上で囃子にあわせて手踊りが繰り広げられ、曳きまわしに華を添える。囃子の楽器には横笛、大太鼓、小太鼓、鼓、スリガネ(摺り鉦)および三味線が使われる。 この行事には、多彩な要素がみられるとともに、根底には薬師信仰が脈々と継承されているとともに、季節の折り目に神霊を迎えて神仏の加護にすがることで、生業の発展や地域の繁栄、家族の無事息災を祈願する、特色ある山車行事として重要である。(※解説は指定当時のものをもとにしています)