国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
重要無形民俗文化財
主情報
名称
:
川俣の元服式
ふりがな
:
かわまたのげんぷくしき
川俣の元服式
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
人生・儀礼
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年1月21日(※指定当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などへご確認ください)
指定証書番号
:
1
指定年月日
:
1987.01.08(昭和62.01.08)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
指定基準2
:
指定基準3
:
所在都道府県、地域
:
栃木県
所在地
:
保護団体名
:
川俣自治会
川俣の元服式
解説文:
詳細解説
我が国には、古くから成年に達したことを社会的に承認するための儀礼をあげる慣例が広くみられた。川俣の元服式は、江戸時代末期以降、年々執り行われてきたと伝えられ、ナヅケ(名付け)、ナガエ(名替え)とも称される。現在は、数え年20歳の男子を対象として、地区公民館で実施され、オヤコ契りの交盃、サカナ料理の儀、祝芸の披露などが執り行われる。
(※解説は指定当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
川俣の元服式
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川俣の元服式
解説文
我が国には、古くから成年に達したことを社会的に承認するための儀礼をあげる慣例が広くみられた。川俣の元服式は、江戸時代末期以降、年々執り行われてきたと伝えられ、ナヅケ(名付け)、ナガエ(名替え)とも称される。現在は、数え年20歳の男子を対象として、地区公民館で実施され、オヤコ契りの交盃、サカナ料理の儀、祝芸の披露などが執り行われる。 (※解説は指定当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
我が国には、古くから成年に達したことを社会的に承認するための儀礼をあげる慣例が広くみられた。それらは、元服祝、前髪祝、烏帽子着などと呼ばれて、各地に特色ある実態を展開してきたが、その多くは「成人の日」(国民の祝日に関する法律-昭和23年施行-)の制定、生活基盤の変化等の事情により消滅したり、形骸化したりしつつある。 川俣の元服式は、江戸時代末期以降、年々執り行われてきたと伝えられており、現在では、地区代表の自治会長が主催者となって地区内の古老・世帯主及び若者集団所属者たちが参加して実施される。 司会役は、若者集団の当番世話人が務め、会場の床の間には山の神の掛軸が掛けられる。新成年の年齢は、昭和20年代前半までは、男子数え年15歳とされてきたが、昭和20年代後半以降では数え年20歳と改められている。 式次第は、オヤコ契りの交盃、サカナ料理の儀、祝芸の披露などの順により進行する。行事の圧巻は、オヤコ固めにあり、仮オヤになる者をオヤブン(親分)、新元服者をコブン(子分)と称し、両者間に契りの交盃がなされる。 新元服者は和服(晴れ着)の装いで、年下のツレ(連、付き人)を伴い、各自のオヤブン(男親を父、女親を母)と対座する。オヤコ盃は、所定の作法で、雄蝶(男児)・雌蝶(女児)を介して、厳粛に整然と行われる。続いて、尾頭付きの魚が料理され、オヤコに配られる。俎上に予め用意しておいた生魚を金箸と包丁とを使って5つに切り分け、その頭の部分をオヤ(父親)に、その次の切身をオヤ(母親)に、その他をコ(新元服者)とに分ける。その分け渡しの役目はツレが勤める。一段落した後、主催者代表の挨拶などがあり、和らいだ式場で、若者たちが、三番叟をふみ、恵比須大黒舞を舞って新元服者の門出を祝福する。 この元服式は、ナヅケ(名付け)、ナガエ(名替え)とも称され、古くは名主家で代々実施されてきたが、現在は、地区公民館で実施されている。 この行事は、地区民の前で、オヤコ契りが披露され、一人前の男となったことを承認し、そして祝い励ますもので、各地で伝承されてきた元服式の典型例の1つとして重要である。 (※解説は指定当時のものをもとにしています)