国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
重要無形民俗文化財
主情報
名称
:
春日の婿押し
ふりがな
:
かすがのむこおし
春日の婿押し
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
人生・儀礼
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年成人の日の前日の日曜日(※お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
※この行事は平成3年2月2日に「春日の婿押し」として記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。
指定証書番号
:
1
指定年月日
:
1995.12.26(平成7.12.26)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
指定基準2
:
指定基準3
:
所在都道府県、地域
:
福岡県
所在地
:
保護団体名
:
春日三期組合
春日の婿押し
解説文:
詳細解説
春日の婿押しは、前年に結婚した花婿、花嫁を、地域の年齢組織である「三期組合」が祝うもので、「宿の行事」「若水祭」「樽せり」「お汐井取り」「婿押し(婿揉み)」「若水祝い」などの一連の儀礼が繰り広げられ、最後に左義長の火を囲んで手打ちが行われる。(※解説は指定当時のものをもとにしています))
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
春日の婿押し
春日の婿押し
春日の婿押し(お汐井取り)
春日の婿押し(若水祭)
春日の婿押し(若水祝い)
春日の婿押し(前酒)
春日の婿押し(樽せり)
春日の婿押し(拝殿揉み)
春日の婿押し(婿と婿抱きの盃)
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春日の婿押し
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春日の婿押し
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春日の婿押し(お汐井取り)
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春日の婿押し(若水祭)
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春日の婿押し(若水祝い)
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春日の婿押し(前酒)
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春日の婿押し(樽せり)
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春日の婿押し(拝殿揉み)
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春日の婿押し(婿と婿抱きの盃)
解説文
春日の婿押しは、前年に結婚した花婿、花嫁を、地域の年齢組織である「三期組合」が祝うもので、「宿の行事」「若水祭」「樽せり」「お汐井取り」「婿押し(婿揉み)」「若水祝い」などの一連の儀礼が繰り広げられ、最後に左義長の火を囲んで手打ちが行われる。(※解説は指定当時のものをもとにしています))
詳細解説▶
詳細解説
春日の婿押しは、若水祭りともよばれ、正月14日夕方に、前年に結婚した花婿、花嫁を、地域の年齢組織である「三期組合」の人たちが祝うもので、「宿の行事」「若水祭」「樽せり」「お汐井取り」「婿押し(婿揉み)」「若水祝い」などの一連の儀礼が繰り広げられる。 「三期組合」は、春日神社氏子中の男子によって構成され、いわゆる若者組と壮年組とを一体にした組織である。昭和10年代までは、年齢の若い順に、下の組・上の組・後見どこ・世話役・中老・年長の六段階で構成された年齢階梯的な組織であった。このうち、下の組から世話役までを青年としており、三期組合の名は、この青年・中老・年長の階梯によるものとされている。 この行事は14日夕方、宿(公民館)で「子どもの樽取り」が行われる。神酒樽を奪おうとする子どもたちとこれを守る青年たちの間で攻防戦が展開される。 このころ、鳥居前に積み上げられた左義長に火が点され、「宿の行事」が始まる。座敷には上座に三期組合の代表・区長・氏子総代など地区の主だった人々が着席し、以下、三期組合の一同が座席につく。いずれも着物姿で正装し正座する。上座後方には青年2人が神酒樽を保持して立つ。また上座の前には「島台」とよばれる鶴亀の飾りものが置かれている。この前で「花婿挨拶」が行われ、続いて、振り袖姿の花嫁が熨斗を三方に乗せて出す「花嫁熨斗出し」が行われる。青年が上座の人から順に神酒を注ぎ、全員が神酒をいただく「前酒」の式がある。「婿抱きの盃」は、花婿と介添え役の婿抱きの間で盃が交わされるもので、このときは花嫁が酌をする。この間、謡い三番が披露される。 次に「若水祭」と称して、春日神社の神前に神酒樽と若水樽が供えられて式典が行われた後、樽は鳥居前に運ばれる。 宿の行事が終わった後、一同は裸になり、晒し木綿のヘコを締めて鳥居前に集まる。青年団長が神酒樽の神酒をいっきに飲み干すと、樽を片手に持ち、振り回しながら左義長の火を3回まわる。これが終わると同時に一同が樽に飛び付き、「樽せり」が始まる。樽の奪い合いは、社前の御池に入って行われ、樽を割り砕いて破片を手にするまで続けられる。 樽せりが終わると「お汐井取り」である。左義長の周りに集まった男たちは手ぬぐいで頬かむりをし、数人ずつ肩を組み、神社の東方にある御汐井川の汐井橋まで走り、橋のたもとにある九郎天神社前でシオイ(砂)をつかんで、再び春日神社境内に戻り、お汐井揚げ石に盛る。 「婿揉み」は「拝殿揉み」と「空揉み」とが行われる。まず拝殿に上がった男たちは、花婿と婿抱きを輪の中に入れて囲み揉み合う。幼児も父親などに肩車されて加わる。祝い歌が歌われ、ひとしきり揉み合うと、一同は境内に出て、手洗い鉢の前でもう一度揉み合いを行う。 最後に行われるのが「若水祝い」である。玉垣の下で花婿と婿抱きを囲み、一同が若水手ぬぐいを花婿の頭上にかぶせる。祝い歌の最後の「もうひとつ祝うて、エイショーエ」の声とともに、青年が桶に満たした若水を三方から花婿に浴びせ掛ける。最後に、左義長の火を囲んで手打ちが行われて、めでたく「婿押し」の行事は終了する。 この行事は、年頭に行われる水祝いの習俗の典型例の1つであり、西日本の数少ない残存例の1つでもある。 (※解説は指定当時のものをもとにしています)